もう日韓で「甘え」は許さない。強い日本に韓国で意識変化

 

隣国には、日本で「愛国無罪」とよばれる困った動きがある。
たとえば市民団体が国内法と国際法に違反して、釜山の日本総領事館の近くに慰安婦像や徴用工の像を設置して、区長や市長がそれを撤去しようとすると大反発し、撤去命令を”撤去”させて像を建ててしまった。
それで釜山市の区長は「法が国民感情に勝つことはできない」と悲鳴を上げる。

法に基づいて像を撤去した市長は市民団体の圧力をうけて、結局は公開謝罪に追い込まれた。
法を守った側が破った側に謝るというパラレルワールド。
この異常事態に韓国の全国紙・朝鮮日報は、「法律を執行した釜山市が違法行為者に謝罪し膝を屈した。世の中にこんな国があるだろうか。」と怒りをあらわにする。

くわしいことはこの記事を。

愛国無罪:「法が国民感情に勝てない!」と韓国人も困り果て

 

「愛国(反日)」が動機であれば、法や約束を破っても許されるという風潮が韓国社会にはあって、これと直面する韓国の人たちが困惑したり怒ったりするけれど、やっぱり「国民の正義」には勝てない。

韓国ではそんな考え方が国家レベルである。
2018年に「韓国海軍レーダー照射問題」が起きて日韓が対立したとき、韓国側がサムネイル画像をねつ造して、自国の被害性と日本の加害性を強調したため日本では批判がうず巻いた。
時事通信社はこれを「反日無罪」の一例とする。

時事通信社は、韓国では日本(人)にならば「被害者」である自分たちは多少行き過ぎたことをしても許されるという反日無罪の空気があるが、今回もそれが出たようだと分析している。

愛国無罪

 

「法が国民感情に勝つことはできない」、「世の中にこんな国があるだろうか」という韓国の反応もこれも基本的には同じ構図だ。
「韓国=被害者、日本=加害者」という認識が韓国にあるから、多少行き過ぎても許されると思ってしまい一線を越えてしまう。
徴用工・慰安婦問題で韓国側が日本との合意をひっくり返し、国際法違反の状態を生み出した結果、日韓関係は戦後最悪になってしまった。
これも先ほどの意識が根底にあることは間違いない。

韓国では行き過ぎた反日を危惧して警告する人もいるけれど、国民感情の嵐はそういう理性をいつも打ち消す。
そして「戦後最悪」に到達した。
ただ、「行き過ぎたことをしても許される」という韓国の考え方が通ってしまったのは、日韓が対立すると、なんだかんだで結局は日本が妥協して譲ってきたからだ。

でも、徴用工・慰安婦問題の合意違反については、日本はこのアマエを絶対に認めない。
聖帝サウザーのように一歩も引かない。

中央日報の記事(2019.12.31)

読売新聞は「従来の日韓関係は、懸案が生じるたびに日本側が譲歩してきた。しかし、今回は日本政府内に『これ以上、韓国の「甘え」を許容できない』との意見がかつてなく強い」と伝えた。

文大統領に直撃弾飛ばした安倍首相「福島をいじめるのもいいかげんにしてほしい」

 

日本政府の立場は外務省ホームページで確認してほしい。
これは徴用工問題でもまったく同じ。

国と国との約束である日韓合意は、たとえ政権が代わったとしても責任を持って実施されなければならない。日韓合意の着実な実施は、日本はもとより、国際社会に対する責務でもある。

慰安婦問題についての我が国の取組 

 

「これ以上、韓国の甘えを許容できない」というここ数年の日本政府の強い態度と直面したことで、最近では韓国側にも意識変化が見られるようになった。
釜山の市長や区長とは反対で、愛国や自分勝手な正義を理由に、違法の像を建てることにも賛成した「反日無罪」の代表格のメディア・ハンギョレ新聞がこんな弱音を吐いた。(2021-07-24)

[記者手帳]韓日関係の構図が変わった

(韓国の認識・表現では)韓日の国交正常化からこれまで、「植民地被害国」である韓国の道徳的優位と、加害国の日本の後ろめたさという枠組みの中で両国関係は作動した。
それが今回はまったく通じない。
それで韓国には意識変化が生まれている。

日本の戦後生まれの政治家の韓国に対する優越感は依然として強いが、後ろめたい気持ちは消えた。反日感情が依然として有効な韓国にとって、過去の対日外交パターンが働かなくなったのだ。(中略)過去、韓日関係の課題は日本が解決してきたが、今や韓国がそれを引き受けることになった。従来の韓日関係はもう終わった。

 

反日感情はもう有効な政治カードにはならない。
日本はそれを認めない。
「韓国=被害者、日本=加害者」を前提とする、過去の対日外交パターンが働かなくなったことを韓国側が悟ったのはいいことだ。
過去の歴史問題についてはお互いがよく話し合って「最終的な解決」で合意し、いまは対等な立場なのだから、もうそういうカードやパターンは通じない。
従来の韓日関係はもう終わった、という認識もその通り。
「今や韓国がそれを引き受けることになった」というのも正解でいまの国際法違反の状態について、日本が納得できる解決案を韓国政府が示さない限り、日韓関係が好転することはない。

こうした意識変化は、日本が「韓国の甘えを許容できない」という毅然とした態度を貫いた結果だ。
せっかく韓国側が「脱・被害者」に動き始めた(ように見える)のだから、次にだれが首相になってもこの姿勢は崩さないでほしい。

 

 

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。