日本についての最古の記録(弥生時代)は中国人の手による「魏志倭人伝」であるように、日中のつながりは長くて深い。
古代には遣隋使、遣唐使が中国に渡って仏教やいろいろな思想、先進的な政治制度について学び、日本へ持ち帰って国を発展させた。
唐にならって「大宝律令」を完成させ、日本独特の法による統治を始めたことは画期的。
近現代では逆に、日本から中国へ伝わったものが多い。
最近、中国人がネットで「日本が発祥のもので中国で発展したもの」についてたずねたところ、中国のネットユーザーからいろんな意見が寄せられたという。
サーチナの記事(2021-10-20)
あれもこれも? 日本発祥で「中国で発展したもの」はこんなにも=中国
日本人が発明して中国社会に定着したモノとして、共産主義や革命、科学といった中国語の単語を挙げる人がいた。
「スマホゲームのガチャ課金」の制度、オタク文化、「二次元」などのネットスラング、全自動麻雀卓、QRコードもあるし、日本由来のこんなモノもいまの中国人にはお馴染みになっている。
・高速鉄道
意外(素直)にも中国人自慢の「高速鉄道」を挙げる人がいた。
総距離や速度では中国高速鉄道のほうが優れているけど、ソフトパワーなら新幹線のほうが上だという。
・くまモン
熊本の「くまモン」は中国で始め、「酷MA萌(クマモン)」という言葉で広めようとしたが、なんだかんだで結局は「熊本熊」で定着した。
いまでは中国の定番のスタンプになっているという意見もある。
まぁそれはいいのだが、「熊本熊」の中国語発音「ションベンション」というのが日本人的にはなかなかツライ。
・回転テーブル
中国料理店でお馴染みの、あるクルクル回る回転テーブルは中国ではなくて、実は日本で誕生したといわれている。
そのことを知っている日本人は意外と少ないと思う。
でも、「それを知ったときは私もビックリしましたよー!」と中国人の日本語ガイドも言っていたから、あれを「中国生まれ」と思っている人はあちらでも多いと思われ。
『チコちゃんに叱られる!』(2020/04/24放送)では、「中国料理を回転テーブルで食べるのは、チップの習慣が日本に根付かなかったから」という説を紹介している。
まず明治の文明開化のころ、チップという西洋文化が伝わった。
中国料理店では大皿の料理を店員が小皿に取り分けていて、その際に客がチップを払っていた。
でも、そのために店員に給料を支払わない店が出てきたり、昭和恐慌になると客がチップを払うのを嫌がるようになる。
そんなことで日本でチップ廃止が叫ばれるようになり、小皿に取り分ける店員も姿を消す。
代わり客が自分で料理を取り分けるため、回転テーブルが生まれたという。
そしてこれが中国に伝わって大ヒットした。
この情報に日本のネット民の声は?
・土地バブル崩壊も追加
・石景山遊園地に行けばディズニーでもニンテンドーでもサンリオでも何でもあるよ
・くまもんはどう発展したの
・和製漢語は外せないだろ。家電もな。
・速度などで中国高速鉄道は優れている
↑
そりゃ騒音規制を気にしなくていいからだろ
日本・中国でモノの行き来はけっこう盛んでも、いまのところ人の交流はイマイチだ。
最近発表された世論調査で、
日本に「良くない」印象をもつ中国人は66.1%
中国に「良くない」印象を持つ日本人は90.9%
という結果が分かった。
特に日本で悪感情が広がっている。
回転テーブルで中華料理を食べながら、日本人と中国人が互いの歴史や文化について話すのは楽しいと思う。
でもそんな日はまだまだ遠そうだ。
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