日本は韓国に譲歩しない。与野党が一致なら、これは民意だね

 

2021年は10月23日から二十四節気のひとつ、霜降が始まる。
空気が冷えて、露(つゆ)が霜(しも)となって降り始めるのがこの季節だ。
日本の政界はこの真逆で、今月末に行われる衆議院選挙に向けて各党が独自の政策を主張し、他党との差別化を図っている。
ここでは自民党と最大野党の立憲民主党の考え方の違いを見ていこう。

国民が注目するコロナ対策については、
自民は3回目のワクチン接種加速と、年内の経口治療薬普及を行う。
立民は「過去2年間への反省がない」と主張し、PCR検査や水際対策の徹底を強調。

選択的夫婦別姓では、
自民は法律を変えず、氏を改めることで生じる不利益をさらに解消するという。
立民は法を変えて別姓の導入を約束する。

こんな感じに自民党と立憲民主党では、基本的な価値観が違うところもあれば、目指すゴールは同じで(コロナ禍の解消)、その方法は違うといったいろんな差異がある。
それは当然で与党と野党が同じ意見だったら、マナ・カナぐらいの違いしかなかったら、選挙をする意味がない。
言い換えれば与野党の主張が一致している部分は、日本国民の相違ではなく総意ということが可能だ。
それを探すと、韓国への認識ではほとんど違いがない。

「これ以上悪くなれる?」というほど日韓関係が悪化した最大の原因は、慰安婦・元徴用工問題をめぐる対立にある。
これに対する日本政府の見解は明確だ。

それぞれ2つとも過去の合意で日韓が「最終的な解決」を確認している。
いまになってこれをひっくり返して、国際法違反の状態を生んだのは韓国なのだから、これを解決する責任は当然、韓国政府にある。
先日行われた電話会談でも岸田首相は、これは韓国が国内で対応すべき問題だとこれまで同様、日本の一貫した立場を示した。

いまの韓国に対して妥協はしない、という態度は自民党も立憲民主党も基本的に同じだ。
それで朝日新聞が社説でこんな不満をいう。(2021年10月23日)

「最悪」とまで言われる日韓の政治関係が続いているにもかかわらず、最大野党の立憲民主党も、自民党と同様の原則論しか公約に掲げていない。

衆院選 対南北朝鮮 再起動へ政治が動け

 

国際法やお互いが約束したことはキッチリ守る。
合意内容は1ミリも、後から変えてはいけない。

与野党がこの原則を貫くのは当然で、これは国民の総意といえる。
関係が悪化するからといって、韓国に譲歩するような政党に貴重な票を投じる国民は例外だ。

 

2015年に当時の安倍首相は戦後70年談話でこう訴えた。

「あの戦争には何らかかわりのない、私たちの子や孫、その先の世代の子どもたちに、謝罪を続ける宿命を背負わせてはならない」

対して朝日新聞は今回の社説で「隣国であり、植民地支配という過去を抱えるがゆえ」と述べ、直接表現してはないものの、韓国へ譲るよう日本に求めている。

いまの日本人がどちらの意見に共感するかといえば、圧倒的に前者だろう。
もうさんざんケンカして、両国が話し合ってやっと解決に合意したのだから、罪悪感を感じさせて日本に妥協させるやり方はしないほうがいい。

ここで少しでも韓国に譲歩すれば、「謝罪を続ける宿命」をこれからの日本人にまた背負わすことになる。
何度も反省や謝罪を要求されて日本に「謝罪疲労」が広がって、両国関係をさらに悪化させるようなことは、いまの世代で終わりにしないといけない。
敵対している自民党と立憲民主党が、同様の主張をしているのならそれは民意。
国民の総意を変えようとするのはあきらめて、「再起動」のためには、まずは韓国政府に約束を守るよう迫るべき。

 

 

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2 件のコメント

  • >敵対している自民党と立憲民主党が、同様の主張をしているのならそれは民意。

    ??? 全然意味が分かりません。どうしてそれが「民意」になるのですか?
    「(普段は政治の方針で)敵対している自民党と立憲民主党の両党が、この点については同じ方向の主張をしている」というだけのことでしょう。言い換えれば、「両党とも、『そのような主張をする方が支持率UPに繋がる』と推定している」というだけのことです。率直に言って大衆への迎合です。信念を持った政治的主張としてそのことを訴えている政治家が、どれほどいることか。
    それを一足飛びに「民意だ」と言い切ってしまうのは、短絡に過ぎる。煽られやすい民衆の典型だ。

    本当の民意、つまり国民の総意としての多数意見は必ずしもそうではないと思いますよ。
    「韓国側の主張に真っ向反論して両国関係が悪くなっても日本の主張を貫くべし」という考えに賛同している国民は、どうかな、せいぜい3割程度だと思います。ただし、その考え方の反対派に比べると、圧倒的に声は大きいですが。
    すなわち、「未だに国民の多数派は(実は反対派である)サイレント・マジョリティ」なのだろうと私は推定します。その代表が(一部を除いた多数派の)メディアです。

  • 国民の広い合意があることについては争点にはならないので、与党も最大野党も同じ見解になります。

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。