日本は時代遅れの「ファクス・印鑑・紙」にいまでも執着している。
そんなアナログシステムにこだわる日本人は、「頭が凝り固まってしまっているので新しい発想が生まれるわけがない」と断じる。
日本についての韓国メディアの報道を見ると、そんな「上から下」の言い方がけっこう目につくんで、昨日こんな記事を書いた。
すると韓国人の読者さんが、韓国のあるジャーナリストのこんな言葉を紹介してくれた。
「世界で日本を最も無視する国は韓国で、韓国を最も高く評価する国は日本だ。」
こういう見方は確かにあると思う。
日本のことになると韓国の人たちは冷静になることができず、感情的になるから、日本をそのまま見ることがどうしてもむずかしい。
だから自国のIT強国っぷりと比較して、アナログ日本を「止まってしまった30年」と軽視し、実際の力を無視する。
でも、第三者の視点は違う。
日本での生活経験があっていまはソウルに住んでいる、日韓の外側にいる知人のアメリカ人から見ると、韓国社会はIT技術が進んでいてイロイロと便利な反面、トイレや水道といった生活基盤は日本よりもぜい弱だ。
尿素水がなくなって全国がパニック状態におちいるとか、蛇口から虫が出てくるとかいうのは日本ではチョット考えられない。
つい先日も、開通からたった3カ月で地下道路(有料)が浸水して通行止めとなり、交通がまひして市民が大混乱になる騒ぎがあった。
中央日報(2021.11.30)
5年間工事したソウル市内の地下道路、開通3カ月で浸水
そうかと思えばこんな事故も起きた。
朝鮮日報(2021/11/29)
オープンから9か月の「ザ・現代ソウル」、下着売り場の天井崩落…3人軽傷
新築デパートが1年経たないうちに、天井が崩れ落ちて店員3人がケガを負って病院に搬送されたという。
にもかかわらず、「館内放送を流し、安全上の問題はない状況」と言うデパート関係者のメンタルはもはやうらやましい。
アナログ体質でも、社会の基盤は日本の方が安定している。
韓国は日本を軽視・無視する一方で、その実力を高く評価して、日本を分析して自国に役立てようとする面もある。
いまの韓国にとって最大の問題はコロナ対策だ。
1日の新規感染者や重症者、死者に歯止めがからず、病院のキャパを超えてしまい、必要な治療が受けられない人が続出している。
韓国で「ビッグ5」と呼ばれる、ソウルにある5つの大病院の重症者用病床はもう埋まってしまった。
朝鮮日報(2021/12/01)
患者は急増しているが、病床確保のスピードが追いつかず、病床が空くのを待っている新型コロナ感染者は800人を超える。
韓国5大病院がピンチ、残る重症者用病床は8床のみ
文政権が誇る「K防疫」はもう崩壊したとみるメディアもある。
そしてこれは今日の中央日報の記事(2021.12.02)
韓国、コロナ新規感染者5266人、重症者733人…連日の過去最多
日韓の2.5倍という人口差を考えると、この数字は日本なら13165人に相当する。
でも日本では2万人を超えていた時期でも、こんなにヒドイ医療崩壊は起こらなかった。
韓国とは対照的に、日本では新規感染者が二桁で死者ゼロという日もあって、世界中が驚くほどコロナ対策はうまくいっている。
となると、「止まってしまった30年」なんて言ってる場合じゃない。
今度は日本の成功を伝えたり、成功の秘密をさぐるような報道のラッシュとなる。
朝鮮日報(2021/12/01)
主要外信、韓国の感染者急増を一斉に報道、日本と比較し「東京は一桁台」
中央日報(2021/12/1)
【時論】韓国と接種率はほぼ同じなのに…日本はなぜ患者が急減したか
ワクチン接種率は同じぐらいなのに、人口差を是正すると韓国の1日の感染者は日本の100倍以上という日もある。
それを欧米メディアによって、世界に伝えられるというのは韓国人としてはツライ。
ちょうど昨日、知人の韓国人とメールでやり取りをしていると、彼女は韓国政府のあまりの無能っぷりをボロクソ批判し、返す刀で日本のコロナ対策を「素晴らしい」「さすが日本」と絶賛する。
その韓国人が韓日を比較して日本を「超有能」と思ったのは、新型のオミクロン株の検出にかかった時間の違い。
これはスピード勝負だ。
できるだけ早く事実を確認して、すぐにそれに応じた対応を取らないといけないのに、韓国は時間がかかりすぎた。
朝鮮日報(2021/12/02)
感染が判明するまでに韓国でのオミクロン株感染者が地域社会でほかの人の感染を広めたおそれがあるのに対し、日本は同じ飛行機で入国した数十人を体系的に調査しており、対照的だと指摘されている。
韓国政府、オミクロン株の確認に七日…日本は二日で確認
オミクロン株の市内感染というのは、いま考えられる最大の悪夢。なのに韓国はこれに出遅れた。
韓国のネット掲示板でも「日本の検査技術は優秀だ」という日本アゲ、「韓国は一体いつまで待たせるのか」といった韓国サゲのコメントが多い。
この状況はきょねんの報道とは正反対だ。
中央日報(2020.05.21)
米国メディア「IT強国韓国、災難支援金支給方式も日本を先んじている」
先ほどの知人の話だと韓国人の価値観や考え方で、科学技術とスピードというのはとても重要な要素になる。
それに自信を持っている国民は多いから、いまのこの超重要な局面で3倍以上の差つけられて日本に”負けた”という事実は心に重い。
「やっぱり日本はすごいですよ!」とその韓国人が日本を絶賛・称賛するのは、韓国政府に対する不満や怒りの裏返しでもある。
でも、いまはそんな劣等感を感じていても、状況が戻ればそのうちまた、「ファクス・印鑑・紙に執着するアナログ日本」と日本をやゆする記事が載るはずだ。
それは結局、韓国の人たちは日本が気になって気になってしょうがない、ということになる。
だから日本のメディアにはないような記事が、韓国の全国紙では報じられるのだ。
中央日報(2021.12.02)
ブルームバーグの「コロナ回復力ランキング」、日本が韓国上回る
こんなランキングは日本人にとってはどーでもいい。
でも、日本に対する上下優劣は韓国人の中では本当に重要だ。
だから優越感はすぐ劣等感に変わって、でもまた優越感になって‥という状態がエンドレス。
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> 「世界で日本を最も無視する国は韓国で、韓国を最も高く評価する国は日本だ。」
> こういう見方は確かにあると思う。
確かに昔はありました。でも最近、その文章の後半部分については急速に状況が変わりつつあります。
原因は、ネット情報を中心に、韓国の実情が日本側へよく伝わるようになったためだと思う。
韓国は日本と比べる必要ないですよね。本当に意味ないしストレスになるだけ。
記事と関係ないのですけど
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本を買いあさる遣唐使かわいくないですか?真面目~~中国で本めっちゃ買うやんってなるの面白いです。
かわいいんですけど、人生はハードモードです。
日本~中国の航海の途中で船が沈んで亡くなった人もたくさんいます。
めっちゃ勉強して帰ってきて国を発展したのはすごいですね。