中国や台湾の看板や商品に、日本語の「の」があるワケ

 

2月11日は建国記念日、ではなくて「建国記念の日」。
日本が建国された日ではなくて、「建国されたこと」を祝う日だからこうなった。
ここに「の」があるかないかでは決定的に違うのだ、ということについてにはこの記事を。

建国記念の日とクリスマスの共通点 だから「の」があるのデス

 

さて、話は上の写真にある「優の良品」の「の」について。
中国の国際空港の中を歩いていたら、明らかに不自然な日本語の店名が視界に入ったから、思わず立ち止まってとりあえず証拠写真を撮ってみた。
「アジ イチバン」ということだから、何らかの食べ物を売っていると思われ。
あとで中国人の日本語ガイドに聞いたら、彼はこんな話をする。

「一般の中国人でも『優・良品』の意味は分かりますから、この店は質の高い製品を売っていると思うでしょうね。『~の』という日本語は中国語にしたら「~的」だから使いやすいですし、中国人には『日本製品=高品質』というイメージがありますから、日本語を使って“日本らしさ”を強調しているのです。最近、日本語を散りばめた店や商品が増えていますよ。」

ほかにも中国人や台湾人から、

・直線が多くて複雑な漢字の中に「の」を入れると目立つ。
・「の」は何となくかわいくて親しみを持つ。

といった話を聞いた。
細かい見方の違いはあっても、「日本語を使うことで高品質をアピールしている」、「製品のレベルが高くなる気がする」という点は全員一致だ。
「圧倒的じゃないか、我が軍は」みたいな?

 

そうそう。アオイリマーヤスって日本の有名企業だよね。って激しく言いづらいわっ。
日本人から見たら、どこからツッコんでいいのか迷うレベル。
でもこんな商品も中国人には、質が良い、安全、健康に良いといったポジティブな印象を与えるという。
でも、ここまで日本語が多いと、「消費者に日本製品とカン違いさせて購入させる」作戦か。

 

 

台湾で見た激安・日本商品祭り

 

中国人や台湾人にとって「の」は使い勝手がいいんだろうな~、と深くは考えていなかったんだが、最近、西日本新聞でこんな記事を発見。(2022/1/13)

「~の~」中国でなぜ人気? 日本の文字で商品名に高級感、好印象… 発端はあの飲み物だった

北京の街を歩ていると「奈な雪ゆきの茶」という店や「福の丸」というアイスクリームなど、いろんな看板や商品で「の」の字を見かける。
取材に応じた中国人女性が「日本語を勉強したことはないけど『の』は一番なじみのある日本の文字。何となく高級感がある」というほど、この文字は生活になじんでいるらしい。

記事によると中国で「の」は2000年代の初めには流行していた。
数ある平仮名の中でも「の」が爆発的に使われているのは、2001年に上海で発売されたキリンの「午後の紅茶」の影響という説が有力だ。
中国ではパッケージに「午后紅茶」という中国語と一緒に、「午後の紅茶」と日本語も表記して売り出した。
するとこの午後ティーが大ヒットして「の」が評判になって、広州や北京などの大都市を中心に「の」が急速に浸透したという。

これに日本のネット民の感想は?

・味の素、中国でもバカ売れしてるな
・小野妹子
・逆に「越乃寒梅」の乃は安っぽく見えるのか
・安倍のミクス
・の木坂46だと高級感ないけど、
乃木坂46なら高級感アル

中国人にとって「乃」よりも「の」に高級感を感じるなら、「おのののか」の高級感はもう絶対的じゃないか。
というか中国人は「的」を使うから、「乃」は使わないでしょ。
でも最近は、中国製の電化製品の質もかなりグレードアップしていて、日本人でも使っている人はフツウにいるから、中国の街を歩いていても「の」と出会わなくなる日は近い気がする。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。