明日から北京冬季パラリンピックが開催されること、時々でいいから…… 思い出してください。
そう言いたくなるほど、いま世界中がロシアのウクライナ侵攻に注目している。
でもここにきて、「幸い」という表現を使っていいのか微妙だけど、期待の持てるニュースがないわけではない。
首都キエフに向かって進んでいたロシア軍が、約25キロの地点でとつぜん動きを止めた。
進軍停止の理由には、これから始まる攻撃に向けて態勢を立て直している可能性や、兵士の士気が低下していることが指摘されている。
朝日新聞(2022年3月2日)
ロシア軍、キエフ進軍へ態勢立て直しか 兵の士気低下も 米国が分析
今回の侵攻に投入された兵士の大多数は若者で、これから戦闘に参加することを事前に知らされていなかった兵士もいるという。
それで戦意を失って戦闘を始める前に、部隊ごと降伏する例もでていると読売新聞が報じる。(2022/03/02)
ロシア軍は「食料不足に士気低下」、戦闘前に部隊ごと降伏する例も…米高官指摘
こうなると100年前の1921年3月、”ほぼソ連”で起きたボリシェヴィキに対する水兵の反乱、クロンシュタットの反乱のようなことを期待するしかない。
「多数派」を意味するボリシェヴィキとはレーニンが率いたグループで、これが後にソビエト連邦共産党となってソ連を統治する。
ただソ連が誕生したのはこの乱が起きた翌年の1922年で、帝政ロシアはこのときすでに崩壊している。
乱が発生したのは、ロシアともソ連とも言えない微妙な時期だから”ほぼソ連”だ。
とにかくこのころは経済が疲弊していて、穀物を強制的に徴発されて農民の不満はきわめて高まっていた。
となるとボリシェヴィキに対し、いくつかの地方で暴動が発生するのは必然で、これに刺激を受けたクロンシュタット軍港の水兵(ほとんどは農民)が、「ボリシェビキなきソビエト」をスローガンに大規模な反政府暴動を起こした。
対してボリシェヴィキ政権は、これを鎮圧するために軍隊(赤軍)を送り込む。
でも、反乱軍に同情して攻撃命令を拒否する赤軍兵士がでてくるなど、軍全体の士気はイマイチ上がらない。
すると命令違反の兵士を銃殺したり、レーニンが組織した秘密警察組織のチェーカーが逃亡する兵士への射殺命令をだす。
これが、嫌がる兵士に力づくで戦闘を続けさせる悪魔の督戦隊だ。
でも結局はボリシェヴィキ側に鎮圧されて、反乱兵は数百~1千人の死者を出し、2千人以上が死刑判決を受けたという。
*このへんは正確な数字は不明だよ。
日本経済新聞が伝えるように、ウクライナ侵攻に反対するロシア国民はたくさんいて、いま国内ではモスクワやサンクトペテルブルクなどの都市でデモが起きている。(2022年2月28日 )
ロシアで反戦デモ拡大 拘束者は5900人超す
これが軍を刺激して、もともと戦いたくなかった兵士が攻撃命令を拒否して、大規模な反乱でも起こしてくれないものか。
全ロシア軍による首都への集中無差別攻撃は、いま考えられる最悪の事態。
「プーチン政権なきロシア」はいま世界中が望んでいるはず。
「反乱軍」に向かって突撃する赤軍兵士
ただ、不安なのがプーチン大統領の精神状態だ。
日テレニュース24(2022年3月2日)
「プーチン氏は側近に異常なまでの怒りをぶつけている」 米・情報機関、分析の優先事項に“精神状態”~米報道
思わぬ苦戦や欧米による経済制裁で、プーチン氏はいま異常なまでに激怒しているという。
冷静さを失ったプーチン氏が、核のボタンに指を伸ばす可能性はゼロではない。
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