「プーチンの戦争」の影響 “忌まわしい”と食べ物まで名称変更

 

プーチン大統領によるウクライナ侵攻の余波が止まんない。
スポーツ界ではロシア選手がパラリンピックやサッカーW杯から排除され、金融界でもロシアが締め出されて、ルーブルの価値は下がり続けてジンバブエドル化しているところ。

仏ミシュランも抗議の意味で、「ミシュランガイド」でロシアにあるレストランの推薦を停止することをきめた。
このままだと、いまロシアで「星」を持っている全てのレストランがその名誉を失うことになる!
といってもこの対応、攻撃力がなくてダメージはほぼないと思われるが、「グルメ界からも追放された」という象徴的な意味合いが強いんでしょ。

いまウクラナイナでロシア軍が現出させている地獄を見ると、こうした圧力は仕方ない。

 

 

でも、いまは「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」で、ウクライナ侵攻とはまったく無関係なところにまで負の影響が出てきている。
日本ではウクラナイナ人が経営しているロシアショップや、日本人オーナーのロシア料理店が嫌がらせを受けた。

高まる「反ロシア」感情 日本での嫌がらせ行為・欧州の動き

世界中のロシア料理店ではなく、ロシアにあるレストランだけを排除したミシュランは冷静で合理的だった。

 

海外でも、もらい事故の被害にあった人や食べ物がいる。

フライドポテトにグレイビーソースと粒状のチーズカード(牛乳を固まらせて作る白いやつ)をかけた「プーティン」という食べ物があってとくにカナダで有名だ。

 

 

でも、「プーティン」の響きはプーチン大統領を連想させるし、フランス語で表記すると「Poutine」になってプーチン氏とまったく同じ。
そんなことから、プーティンを提供しているお店が嫌がらせや脅迫を受けたことで、「プーティン」の名前を「チーズソースフライドポテト」などに変更する店が出てきた。

これはそれに対する日本のネット掲示板の声。

・トロントに住んでるけどプーティーンが無くなったらカナダ料理と呼べるものが無くなっちゃうよ!
・カナダは、ウクライナ系が英仏に次いで国民の第3位の国だけにあり得ない話ではない。
・こういうの、日本だけかと思いきや、外国でもあるんだね
・そういえばどこかのデモ隊の中でもプーチン大統領のことをPoutineって間違って書いてる人いた
・よみうりランドの中に出店してるよね
美味しかったよ

 

コロナビールがコロナウィルスの風評被害を受けたように、飲食物まで巻き込まれることは海外でもあるのだ。
人間界の勝手な争いでジャガイモさんが犠牲者となる悲しい事例は、2003年ごろのアメリカでもあった。

このときアメリカでは、フランスがイラク戦争には参加しないと発表したことに一部の議員が腹を立たことで(お子様かな)、下院にあるカフェテリアのメニューでフレンチフライが「自由のフライ(freedom fries)」、フレンチトーストは「自由のトースト (freedom toast) 」へと名前が変えられた。

「メニューから“フレンチ”を取ってやったぜ!」という動きには、「くだらないことを騒ぎたてている」とあきれる議員や、この変更に抗議して、フレンチフライを「ジョージ・W・ブッシュを弾劾せよフライ」(”Impeach George W. Bush fries”)に改称した店も出てきて、もはやネタのような扱いをされた。
当然、フランスへのダメージはゼロ。

 

世界的に「反ロシア」の空気が強まって、スポーツ、経済、グルメ界にいる一般のロシア人が被害を受けている。
だけはなくて、戦争によってプーティンやフレンチフライのように、ジャガイモさんまで巻き込まれてしまった。
1997年に山一證券が廃業するとき、社長の野澤 正平氏が号泣しながらこう言ったことはいまでも有名だ。

「私ら(経営陣)が悪いんであって、社員は悪くありませんから!。どうか社員のみなさんに応援をしてやってください、お願いします!
私らが悪いんです。社員は悪くございません!!。」

「私ら(政府)が悪いんであって、国民は悪くありませんから!」とプーチン氏が辞任会見をしたら、世界の流れは一変するはずだ。
でもまあ、そんなミラクルはすぐ来るとはならないですね。
「プーチンの戦争」の影響がこれ以上、広まらないことを祈るばかりだ。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。