ロシアがウクライナへ軍事侵攻を始めて、早くも2カ月が過ぎた。
この間に、数百万人もの市民が避難民となって海外へ脱出している。
でもそのせいで、今度は人身売買のターゲットになるリスクが高まったという地獄。
この人道危機に対して日本も、「最大の注意をもって推移を見守る」と言ってるだけにはいかず、このまえ政府専用機で20人の避難民を運んできた。
でも、現在の日本の法律では、外国人の避難民をこんなふうに日本へ運ぶことはできない。
だからこのときは20人のウクライナ人を、林外相の「同行者」と位置づけて政府専用機へ乗せたのだ。
きょねんタリバンがアフガニスタンを制圧したとき、法律によって、日本大使館の現地スタッフなどの外国人をスムーズに運ぶことができなかった。
その反省から自衛隊法を改正し、いまは自衛隊機を派遣して現地の協力者を日本へ運ぶことができるようになったけれど、この法律では難民のように、日本と関係ない外国人を運ぶことはできない。
それで今回は困ったときの最終兵器、「法の拡大解釈」を発動して、避難民を“外務大臣の同行者”として飛行機に乗せることにしたという。
戦争難民を大臣の同行者と主張するのは不自然だ。
だけど日本は法律によって、ウクライナが必要としている武器を送ることはできないし、この上さらに「難民の輸送も無理です」なんて言えるわけがない。
「日本はロシアの侵略を非難し、人道支援を行う!」と宣言しといて、国内法を理由に「無理です!」を連発していたら、外国(特に欧米諸国)から冷たい目で見られ、国際社会での日本の地位や影響力がダダ下がりになることは必至。
ちなみに現在の法律では、現地の医療体制を支援するために、自衛隊の医者(医官)や看護師(看護官)も派遣することができない。
こういった、いまの日本の法制度が現実に合っていない問題については、読売新聞の社説にくわしく書いてある。(2022/04/21)
現在の法制度は、人道危機に的確な対処をするには不十分な点が多く、その都度、関係法の解釈を拡大する形で対応しているのが実情だ。
避難民支援 人道危機に迅速な対処進めよ
とはいえ、たとえ不都合な法律でも、廃止されない限りはその法は守らないといけない。
海外でも日本人は特に「ルール厳守」を大事にして、良くも悪くもきまりをしっかり守ることで知られている。
現実に合っていなければ知恵をふり絞って、不自然なほど強引な解釈をして、何とか法律の範囲内で対応する。
おまけに書くと、この飛行機は日本への避難を希望するウクライナ人のためのものという理由で、ウクライナにいる日本人が搭乗を拒否された。
ウクライナのリビウで避難生活をおくっている日本人女性の場合、夫のウクライナ人はOKで、日本国籍を持っている娘2人と自分は「対象ではない」と言われてショックを受けたという。
テレ朝ニュース(2022/04/05)
「日本行き」叶わなかった人たちも…政府専用機“避難民”20人乗せ出発
この専用機にはかなりの余裕があったのに、ルールを厳格に適用すると、日本人が日本へ行けなくなるらしい。
でも一方で、日本にはオッソロシイほどずさんで、イイカゲンな部分もある。
政府が新型コロナ対応で用意した12兆円ほどの「コロナ予備費」のうち、日経新聞がその使い道を追ったところ、「最終的な用途を正確に特定できたのは6.5%の8千億円強にとどまった。9割以上は具体的にどう使われたか追いきれない」ことが判明。
日本経済新聞(2022年4月22日)
コロナ予備費12兆円、使途9割追えず 透明性課題
間違いなく12兆円ほどの税金が使われたが、11兆円以上は使途がよくわらん。
こんなデタラメに国民もあきれ顔だ。
・誰の懐に入ったの?
・もう税金払うの嫌だ。
・ロシアは攻め入る国を間違えてんじゃないの
・イージス艦なら15隻以上の予算なんだがw
どこに消えちゃったの?w
・原子力空母8隻分
・この金で、また国民に10万配れるじゃん
税金が闇に消えないようなルールや法律があるはずなのに、どこかで不思議なことが起きて、「使途9割追えず」という状態になってしまう。
これもどっかでダレかが「コロナ予備費」を銀河系レベルに拡大解釈した結果だろう。
戦争避難民の拡大解釈はいいとして、こっちは完全アウト。
そんなことで済ませられる法律やルールなら、いますぐに変えるべき。
いまの日本には法律や、それを守ったり運用する立場の人間に課題が山盛りだ。
「日本の職人や伝統文化はすごい!」でも、支えているのは中国人①
外国人の「日本人はすごい!」を聞いてうれしい?情報は活かして価値が出る。
> 政府が新型コロナ対応で用意した12兆円ほどの「コロナ予備費」のうち、日経新聞がその使い道を追ったところ、「最終的な用途を正確に特定できたのは6.5%の8千億円強にとどまった。9割以上は具体的にどう使われたか追いきれない」ことが判明。
> 日本経済新聞(2022年4月22日)
これ、もしも欧米だったら、おそらくは司法権力を用いてでも追求される事案だと思いますけどね。