国名変更の理由:トルコがテュルキエ、オランダはネザーランズ

 

「力強い人、軍団」。
そんなパワフリャーな意味をもつトルコ(チュルク)人は中央アジアにいた遊牧民で(トルコ共和国)、13世紀にオスマン・トルコを建国。
1453年にコンスタンティノープル(イスタンブール)を陥落させ、東ローマ帝国を滅ぼしていまのトルコの原型がつくられた。
そんなトルコが最近、国名を変えたと話題だ。

米CNN(2022.06.03)

トルコが国連での国名表記を「テュルキエ」に変更

国連で使われていた英語の「Turkey(ターキー)」ではなくて、トルコ語の「Turkiye(Türkiye:テュルキエ)」を使うようトルコ政府が求め、国連が応じて「ターキー」はもう過去の国名になった。
で、なんでテュルキエなのか?
トルコ政府は「ターキー」のいったい何に不満なのか?

国名変更はエルドアン大統領の意思によるもので、トルコ外相は「我が国のブランド価値を高めるため」とツイートする。
ウクラナイナが最近、首都「キエフ」を「キーウ」に変更したのは反ロシア感情が原因だけど、トルコの場合はそういうことではなくて、国のブランド力をもっとパワフリャーにするためのようだ。
国際社会が英語ではなく、トルコ語を使うことでそうなるとトルコ政府は考えている。

世界の受け止め方はしらんけど、とりあえず日本のネット民はこう思った。

・日本もニッポンかニホンって呼んでもらおう
・タッキーじゃないのか
・日本もヤマトに戻そう
・トルコライスどうなるんだよ
・日本人はターキーが問題になってる事自体がピンとこない

 

この国名変更を国民はどう思っているのか、日本にいるトルコ人に聞いてみた。
すると「ターキー」は、アメリカの感謝祭でよく食べられる七面鳥の「Turkey」と同じスペルだから、それとかぶらないようにするためだと。
いやいやいや、そんなアホみたいな理由で国連に国名変更を要求するか?と思ったら、ニューズウィークによるとホントにそうらしい。(6/3)

同国が表記変更を求めた理由のひとつは、七面鳥とスペルが同じであることを避けるためと見られている。

もう「七面鳥」とは呼ばせない トルコの国名が「テュルキエ」に変更、国連承認

 

ターキー(七面鳥)には「間抜け」という悪いイメージも含まれているから、トルコ政府はこれと一緒にされるのを嫌がったのかも。
これだとたしかに「力強い人、軍団」のイメージを傷つける。

 

トルコと同じような目的で、反対のやり方をしたのがオランダだ。
オランダ政府は自国のブランドを刷新するために、2020年から「Holland(ホラント)」を廃止して、英語の「Netherlands(ネザーランズ)」を使うことにした。
「ホラント」はもともと12ある州のうちの2つ、北ホラント州と南ホラント州だけを指す言葉だったから、これで国全体を表すことに違和感を感じる人もいたらしい。
それに世界ではホラントとネザーランズの2つの呼称が広く使われていたから、後者に統一にするほうがオランダにとってメリットが大きいと判断した。

国のブランド価値を高めるために英語を捨てたトルコと、英語を選んだネザーランズ。
これから笑うのはどっちの国か。

ちなみに日本は戦前、英語の Japan は「我ガ帝国ノ威信ヲ損スル」という理由で、Nippon を使うように求める動きがあったけど、すぐになくなりました。

【いつかの日本】「ジャパンと言うな!ニッポンと呼べ!」

 

 

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トルコにもある「こっくりさん」。コインを動かす正体は?

中東 目次

 

1 個のコメント

  • > ターキー(七面鳥)には「間抜け」という悪いイメージも含まれているから、トルコ政府はこれと一緒にされるのを嫌がったのかも。

    これが大きな理由であるのは間違いないと思いますよ。日本で「(’三歩で忘れる)ニワトリ頭が!」という侮蔑語があるように、英語でTurkeyと言えば「ぶくぶく太って結局人に喰われるだけの馬鹿な動物」というイメージですからね。(特に米国ではチキンよりもターキーの方が食肉では一般的なのです。)
    日本でも昭和の時代、「トルコ風呂」という風俗産業があって、そのため一時は外交問題にもなりかけたくらいです。国会でもすったもんだした末に、結局は業界が自主的(?)に「ソープランド」と名前を替えました。

    > ちなみに日本は戦前、英語の Japan は「我ガ帝国ノ威信ヲ損スル」という理由で、Nippon を使うように求める動きがあったけど、すぐになくなりました。

    確かに、Japanの略語「ジャップ」というのは元々は単なる略語でしたが、侮蔑の意味もありますから。でもNipponの略語「ニップ」「ニッピー」も侮蔑語で、意味は「チビ」「(胸毛の少ない丸見え)チクビ野郎」という感覚です。そもそも、ジャパニーズとかチャイニーズとかペキニーズ(犬)とか、ほぼ動物扱いの表現ですけどね。
    ただし略語が存在するのは、彼らにとって発音がしやすい、親しみやすい単語であるという証拠でもあります。
    その点で全く逆の単語が「ニホン」ですね。この単語は欧米人にはほとんど知られていない、これを知っていればかなりの日本通(日本語が流暢に話せる程度)であるとも言えるくらいです。なぜなら、彼らにとってこの単語はとても発音しにくいからです。特にフランス、スペイン、メキシコなどラテン系の人々にとっては「-hon」の部分が発音できないくらい不自然なようです。米国現地の就労支援英語学校でクラスメートは全然覚えてくれなかった。

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