「みなさん、これから日本人の名前は「名・姓」ではなくて「姓・名」の順で書いてください。かしこ」
日本政府が最近、そんなことを海外の報道機関にお願いしましたとさ
だから安倍首相は「Shinzo Abe」ではなくて「Abe Shinzo」になる。
G20首脳会議やオリンピックがある今年と来年で、こういう動きを活発にさせていきたいという。
そんなことが日本経済新聞の記事(2019/5/21)に書いてある。
ローマ字表記「姓→名」に 外相、海外メディア要請へ
このニュースに対してネットでは、「じゃあ、JAPANもやめてNIPPONにしよう」という書き込みをする人が何人かいた。
・英語のジャパンはやめてほしい。Nihonで。
・ジャパンもニッポンに国名を変えよう
・日本もjapanって英語名やめてhinomotoに変えようぜ
あまり関係ないのだけど、鉄鋼会社の新日鐵住金がことし4月1日から社名を「日本製鉄」に変更した。
日本語では「ニッポンセイテツ」、英文では「Nippon Steel」になる。
いま、Nipponに注目が集まっている!
かどうかは知らないけど、ジャパンが「ニッポン」になったら、JALはNALになるんだろうか。
そのままANAと合併すると、とんでもない社名になりそうなんだけど。
さてここからが本題なのだけど、じつは戦前の日本で「ジャパンをやめて、ニッポンと呼ぶことにしよう!」という動きがあったのだ。
外務省のホームページにそのことが書いてある。
1934年(昭和9年)に文部省の臨時国語調査会が国号の呼称を「ニッポン」に統一し、外国に発送する書類にも“Japan”ではなく“Nippon”を用いるべしとの案が政府に提出され
「Japanではなくて、Nipponを用いるべし」という考えは、それまで日本を「ジャパン」と呼んでいた海外にも適用された。
「ジャパン」という呼称は「我ガ帝国ノ威信ヲ損スル」という理由で、「世界各国に対して日本の国号の呼称を「大日本帝国」とするよう求める建議がなされるなど、国号標記の変更を求める動きが強まりました」とある。
海外メディアに「Abe Shinzo」を要請するのはいいけど、さすがにこれはダメだろう。
いつかの日本。大日本帝国だったころの話だけど。
「ジャパンは日本の威信を損ねるからニッポンと呼べ!」と政府が胸を張る。
でもこうなると、「ジャパニーズ」もダメになってしまう。外国人も「ニッポンジン」と呼べってこと?
このことについて、当時の外国人や日本人はどう思っていたのか。
当時の日本人新聞記者によると、タイムスの東京特派員がこんなことを記事に書いていたという。
ジャパニーズの略称のジャップと、当然出来ると見ねばならぬニッポニーズの略称のニップス、あるいはニッピーズとの間にもし上下があるならば、どっちがいいと思うかと、書いたのを記憶している。ニップ、ニップス ニッピーズ等、それぞれ、小さいもの、下らぬもの等を意味する英語があるのだから始末が悪い。
「比島投降記 ある新聞記者の見た敗戦 (石川 欣一)」
ニッピーズとジャパニーズなら後者のほうがいい。
当時の情報はこれしか知らないのだけど、外国人は「ばっかじゃねーの」、日本の民間人は「政府は余計なことをするな」と思ったんじゃないか?
ということで、本日の結論
日本人の名前は「名・姓」ではなくて、「性・名」にするべし。
でも、いまの日本は「我ガ帝国ノ威信ヲ損スル」という国じゃないからジャパンでいい。
そこはNIPPONでしょ
威信を損ねるというか、屈辱的なのは「Made in Occupied Japan」だ。
戦争に負けてアメリカに支配されていた日本は、戦後しばらくの間、輸出向け製品には「Made in Occupied Japan (占領下日本製)」と表示するよう義務付けられていたのだ。
「ジャパンじゃない!ニッポンだ!」なんて言っていたら、このざまですよ。
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