韓国の国民的お菓子として、不動の人気を誇るのがこの「セウカン」。
日本人がこのパッケージを見れば「かっぱえびせん」を思い浮かべるのは当然で、実際、なかのお菓子は味も見た目も双子のようにソックリだ。
韓国では他にもこんなお菓子があるから、日本では「パクリ疑惑」がささやかれてきたし、ネットで検索すればそれを検証するサイトが洪水のように出てくる。
でも、日本に住んでいたことのあるアメリカ人がそんなお菓子を見ると、日本を思い出して懐かしさと感じると好意的に思うらしい。
お菓子に限らず、韓国には日本と激似したモノがよくあって、最近も『鬼滅の刃』が”被害”にあったと話題になったばかりだ。
韓国企業がオリジナル・ゲームとして『鬼殺の剣』をリリースすると、すぐにタイトル、キャラ、ストーリーなどで『鬼滅の刃』にソックリだということで、比較画像も出回って韓国で大炎上する。
「『鬼滅の刃』と類似していると判断されたようだ」と盗作を否定していた企業側も、国内であふれる洪水のような批判に押し流されてサービスを終了。
戦後の韓国は車、テレビ、テレビ番組、お菓子、アニメキャラなど、日本のいろんな物を”コピー”してきたと指摘する評論家の呉善花氏はその背景をこう考えた。
こうしたコピーをする習性は朝鮮王朝から中国の文化を忠実に模倣してきたという韓国人に染み付いている伝統であり、それが近年になって対象が日本になったということではないか、と推論している。
日本で指摘される「パクリ疑惑」について、韓国の人たちはどう思っているのかというと、これは世代によって認識が大きく異なっているようだ。
知人の韓国人女性は日本が大好きで、ワーキングホリデーでやって来て東京の中野区に住んで、百貨店のコロッケ店でアルバイトをしながら生活をしていた。
日本人のお客さんから「あなた韓国人なの!?」と驚かれるほど、完ぺきに近い日本語を話す彼女は日本のことをよく知っている。
そんな韓国人と話をしていたときに、日本へ旅行に来る韓国人はどんなお土産を買うのか聞いてみたら、こんな答えが返ってきた。
「人気があるのはお菓子ですね。安いし、いろんな人に配ることができますし。韓国にも似たようなお菓子があって親しみやすいから、”日本版”を買って帰る人は多いですね。」
韓国のお菓子の”日本版”?
いや、それは日本のお菓子を韓国企業がオマージュかベンチマーキングしたか、それかインスパイアされて作ったお菓子で「元祖」は日本のはず。
なのに”日本版”、だと?
この表現に引っかかって、韓国よりも先に日本のお菓子が作られたのではないかと聞いたら、彼女はこんなことを言う。
「どうですかね。日韓のお菓子がいつできたかなんて知りませんよ。そんなことより最近~」
これ以上、この話はしたくないしもう聞かないでほしい、ということらしいんで、日韓のお菓子バトルはそれで終了。
「韓国企業が日本のお菓子をパクった」という意識はこの韓国人も薄々を持っていたはず。
その後、今度はソウルへ行って、韓国人の日本語ガイドを雇ったときのこと。
2022年のいまなら60代になるそのおっさんと話をしていて、「パクリ疑惑」に話が及ぶと、
「ええ、戦後の韓国はよく日本のマネをしてましたね。テレビ番組の制作者は電波の届くプサンに行って、日本のテレビ番組を見て、それとソックリの番組をつくって韓国で放送していました。」
と言って笑う。
さっきの韓国人女性とは違ってもはや隠そうともしないし、こんなコトを堂々と言う。
「戦後の日本は韓国にとっては手の届かない先進国で、日本のモノはすべてクオリティーが高いと韓国人は考えていました。それに、早く楽して金もうけをしたいという気持ちもありましたから、日本のマネをよくやっていましたよ。でもね、日本は韓国に何をしたんですか?韓国の発展が遅れたことには、日本に植民地支配された影響があるんです。だから少しぐらい、大目に見てもいいじゃないですか」
と言ってやっぱり笑う。
こういう開き直りや罪悪感の薄さはあるていど年齢を重ねた人の反応で、やっぱり知的財産権の意識が軽いように思う。
では、現在の韓国の若者はどうかというと、衝撃の事実を知ってショックを受ける人もいる。
前々から韓国でよく聴いていて、親しみのある曲の多くが実は日本の曲を”盗作”、あるいは”影響を受けた”ものだと指摘する動画やサイトが出てきて、初めて事実を知ってショックを受ける人もいる。
朝鮮日報(2022/07/03)
ここ数年、いや数カ月間でも「誇りあるK-POPが世界を占領している」という世界観の中で暮らしてきた20代以下の若い世代が特に大きな衝撃を受けているようだ。
【寄稿】反日スローガンを叫んでいるうちに「超格差」を失った5年間
*以下、「」は上の寄稿からの引用。
サッカー韓国代表を応援するとき、韓国のサポーター(赤い悪魔)が『マジンガーZ』の主題歌を歌うと、同じ会場の反対側にいた日本のサポーターが、なんで韓国が日本の歌を歌うのか不思議そうな顔をしたという。
韓国の国民的ロボットアニメの「テコンV」は、「マジンガーZ」をモデルにつくられたことを知らない韓国人が多かったのだろう。
“韓国にある日本起源のモノ”は歌だけではなく、スナック菓子もそうだとここでも指摘されている。
韓国が日本文化を公式に開放する1998年までは、日本にあるモノやコトを国内で””再現することはよく行われていた。
朝鮮日報の寄稿はそのこととよりも、「日本に対する二重規範的な態度」を問題視してこう書く。
「韓国では皆、あらゆる分野で日本のまねをしていたが、誰もその事実を公に認めない国だった。むしろ反共主義と同じくらい激しく厳しい反日主義が社会全体に渦巻いていた。」
日本由来のものは山のようにあったのに、韓国人はそのことを隠して反日を叫んでいた。
だから、子どものころからよく知っているアニメやお菓子が、実は日本を”まね”したものだったことを知って驚く韓国人もいる。
タレントのユンソナさんが「ドラえもんは韓国のものだと思ってました!」と語ったことには、日本人が衝撃を受けた。
かつて日本に支配されたこと、戦後も日本を「習作」してきたというのは、「誇らしいことではないが無理に否定することもできない韓国の歴史だ」と主張する上の寄稿は、「真の「創作」はそのような過去を認めた時に初めて可能になる」と提言する。
”韓国のお菓子の日本版”と言い換えて目をそらしたり、「たしかにマネしたけど、日本はもっとヒドイことをしたじゃないか!」と開き直ることもなく、事実を知って衝撃を受けたとしても、それも韓国の歴史のひとつと認めて、そのうえで韓国オリジナルの作品を創作をしていこうというのが最近の韓国人の考え方のようだ。
実際、BTSや韓流ドラマの世界的なヒット、サムソンのような世界的企業など、日本を超えるようなモノを韓国は生み出している。
最近の韓国人は日本の事情をよく知っているから、日本の何かをパクって金もうけをしようとする人や企業がいても、すぐにバレる。そして徹底的にたたかれる。
つい先日もこんな出来事があった。
中央日報(2022.06.21)
歌手ユ・ヒヨル「盗作」認めると…坂本龍一「法的措置が必要なレベルではない」
自分が「パクリ」を認めたら、当の日本人からは「温情」をかけられてそれを全国紙で報道される。
これは、韓国社会ではかなりハイステージにある拷問。
「またパクった」と日本人に言われるのは韓国人としてはかなり屈辱的で、国辱のレベルだから、国内のこうした浄化作用は期待できる。
そんなこんなで、日本人が「パクリ疑惑」を口にするのももうすぐ過去のコトになりそう。
> 話を強制終了する気マンマンだったから、武士の情けで、日韓のお菓子バトルはそれでおしまいにしてやった。
> でもね、日本は韓国に何をしたんですか?韓国の発展が遅れたことには、日本に植民地支配された影響があるんです。だから少しぐらい、大目に見てもいいじゃないですか」 と言ってやっぱり笑う。
ははは、私だったらどちらも叩き潰してやりますけどね。