旧約・新約聖書の舞台になったイスラエルには、気の遠くなるほど長い歴史がある。
だからその近くの海にはいまも古代のお宝が眠っていて、最近、そのひとつが現代によみがえった。
イスラエルの考古学者チームが月の女神ルナの描かれた、約1900年前の古代ローマt帝国のコインを見つけて公開した。
その時代のローマでは、12の星座を描いたコインが使われていて、このコインには女神ルナの下にカニ座が見える。
コインの裏のデザインはローマ皇帝アントニヌス・ピウス(138~161年)で、当時のローマは平和な「パクス・ロマーナ」の時期にあった。
これに日本のネット民の感想は?
・ルナは詐欺
・そういえば転生前に落としたな
・12星座描いた12枚ってなんかロマンあるな
・あー俺が落としたやつだわ。拾ってくれたやつに1割あげる
・磨いてみたユーチューバがアップを始めた
”カニ感”が強くて、星座というより古代ローマのカニチップ
皇帝アントニヌス・ピウス時代のカニコインもいいのだけど(いや女神ルナ)、でも世界史的、一般常識的には、4世紀のコンスタンティヌス1世のときに生まれた「ソリドゥス金貨」のほうを知っておくべき。
この人物は初めてキリスト教徒になったローマ皇帝で、日本なら用明天皇と重なる。
ソリドゥス金貨が発行されると、これがローマ帝国全域で広く流通し、商業が活発化して帝国の繁栄を支える柱となった。
金貨の重量と純度は歴代皇帝によって遵守されたため信頼性が高く、それゆえ数世紀にわたって各地で流通した。
その後、ローマ帝国とそれに続く東ローマ帝国内で、安定して使われ続けたソリドゥス金貨は、現在の国際社会の「ドル」のように、地中海世界(ローマ帝国)の経済の中心となった。
かつてフランスで使われた通貨のソル、イタリアのソルド(soldo)などはこの超有能な金貨に由来するのだ。
たしかアニメかゲームで「ソル」という通貨があったような?
現在の世界でドル記号を「$」と表記するのは、ソリドゥス金貨の頭文字「S」が元ネタになっているという説がアリ。
「世界大百科事典 第2版」では「現在のドル記号$はソリドゥスに由来する。」と断定している。
ただ、これはハッキリとは分かってなくて、アメリカが建国される前に北米エリアで使われていたスペインの通貨ペソ(メキシコドル)が由来になったという説も有力だ。
ペソを表す「PとS」が重ねて表記されるようになり、「$」になったと。
ドル記号「$」の由来にならなかったとしても、ローマ帝国や世界史におけるソリドゥス金貨の重要性は変わらない。
その200年ほど前につくられたカニチップ、いや女神ルナのコインもすごい。
1900年前というと日本は弥生時代で、人びとは森でどんぐりを拾ってたころじゃないですか。
ちなみに世界最古の鋳造貨幣(コイン)を発明したのはリュディアだった。
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