仕掛けて負けたベトナム戦争、いまアメリカ人が思うこと

 

ウィキベテアさんが言うにはきょう8月11日は、ベトナム戦争がおこなわれていた1972年に、最後のアメリカ軍の地上部隊が南ベトナムから撤退した日。

アメリカがこの戦争に本格的に参加する原因になったのが、1964年に起きたトンキン湾事件だ。
8月2日と4日に、米軍の駆逐艦が北ベトナム軍から魚雷攻撃を受けたとアメリカが発表し、自らベトナム戦争の泥沼へ進んでいった。
しかし、2日の攻撃はたしかに北ベトナム軍によるものだったが、4日のものはアメリカによるねつ造だったことが後に発覚。
アメリカは真珠湾攻撃をよく「だまし討ち」と非難する。
では、事件をでっち上げて、北ベトナムのせいにして戦争に乗り出したことはどう考えているのか。

8月というと日本では原子爆弾が投下された日や、終戦記念日があったりして、あの戦争について改めて振り返り、犠牲になった人たちの冥福やこれからの平和を祈ったりする。
全体的には「反省モード」の重い雰囲気だろう。
では、アメリカではベトナム戦争についていまどう思っているのか、ベトナム系アメリカ人に聞いてみた。
人によって見方が違うのは当然として、その人から見ると、いまのアメリカ人が「ベトナム戦争」と聞いて思い浮かべるのは退役軍人の苦しみだ。
あの戦争ではPTSDを受けるほど心に深い傷を負った元軍人は多いし、社会に復帰できなくなった人もいる。
ベトナムでは必死に戦っていたのに、本国に戻ってくると「あの戦争は間違っていた」という冷めた空気があって心を痛める人もいた。
帰国後、国からの支援が手薄で、貧乏な生活を余儀なくされた人もいる。
あの戦争はアメリカの完全な敗北で、とんでもなくたくさんの命や金を失っただけで、何も得ることはできなかった。
ベトナム戦争とは結局、絶望的に無意味で、アメリカ人が感じた喪失感や虚しさ、ダメージは本当に大きい。

という具合に、アメリカ人はベトナム戦争について、アメリカのことばかり考えていてベトナムのことはほぼスルーのようす。
ベトナム人の自分はあの戦争で、どれだけ多くの人が殺されて、街や自然を米軍に破壊されたか知っているのに、アメリカ人はそんなことは考えない。
ベトナムへの謝罪なんてまるで頭にない。
別にその人も謝罪なんて求めてないけれど、自分たちのことだけで頭がいっぱいの、アメリカ人の自己中心的な態度にはあきれるし腹立つこともあるという。

日本の太平洋戦争とアメリカのベトナム戦争には、「自分から仕掛けて負けた」という共通点がある。
でも、知人の話を聞く限り、アメリカ人は、自分たちが負った被害や傷に目を向けてため息をついて、日本のような「反省モード」はなさそう。
たしかにアメリカ人には、真珠湾攻撃を「だまし討ち」と非難するのに、トンキン湾事件はスルーような二重基準やごう慢なところがある気がする。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。