ドイツに住んでる日本人が、これは困るけど案外悪くないかも? と思ったのは、ドイツでは再配達をしてくれないこと。
日本で普通のサービスはドイツではもはや神。
アパートで届け先に人がいない場合、ドイツの配達員は隣の部屋や上下の階に住んでいる人、または近所のカフェや商店に荷物をあずけて、自分はさっさと次の配達先へ向かってしまう。
*割増料金を払えば再配達をしてくれる会社もある。
だから荷物を取りに行くと、自然とお礼や簡単な会話をするから、結果的にご近所付き合いに発展する。これはこれで悪くないと、先ほどの日本人は思った。
ただ日本に住んでいた知人のドイツ人は、再配達という夢のサービスを絶賛する。
異国でこんな経験をして初めて、母国では当たり前のサービスが実はスペシャルだったことに気づく日本人はよくいる。
でも、フランスはもっとひどいらしい。
元アナウンサーでいまはパリに住んでいる中村江里子さんが、フランス生活での苦労として宅配便が届かないことをあげた。だから、大切な荷物は絶対に送ってはいけない。
郵便物が届かないこともあるらしい。
日本に比べれば、少なくとも以上のことについては、ドイツやフランスでの生活はかなり不便だ。
でも、アメリカの配達事情に比べればまだマシだった。
ドイツでは基本的に再配達なんてしてくれないし、近くの人に荷物をあずけてしまう。
そんな話をアメリカ人にしたら、「それは良いサービスじゃないですか」と感心されてしまった。
なにゆえ?
ジョージア州に住んでるそのアメリカ人の知る限り、受け取り人が不在の場合、アメリカの配達員は”そこ”に荷物を置いて去ってしまう。
「ちゃんと運んでおきましたよ」と証拠として、荷物の写真を撮って相手に送るだけ。
家のドアの前に”置きっぱ”の状態で放置されるから、当然、それを盗むヤツも出てくる。
日本ではそんな外道を「置き配泥棒」なんて言うが、アメリカでは「ポーチパイレーツ」と言う。
「porch」は屋根付きの玄関で、「pirates」は海賊のこと。
「porch pirate」についてネット辞書では、「A criminal who steals a delivered package from a porch.」(宅配便の荷物を玄関から盗む犯罪者)と書いてある。
他人の財産を奪う人間は「パイレーツ」で、創作物をパクって著作権を侵害したモノをよく海賊版という。
「海賊版」という日本語は英語の「pirated edition」をそのまま訳した言葉。
アメリカでは管理人に荷物をあずけることができるから、アパートならまだいい。
運送会社の仕事は荷物を配達することで、相手に確実に届けることじゃない。
運んだら終わりというスタイルで、証拠の写真を撮って送ったら、後は海賊の被害にあっても責任はとらない。
だからその写真を見たら超特急で家へ帰ったり、ご近所に荷物をあずかってもらうなど、自己責任で対応するしかない。
もちろん最初から、届け先を信頼できる人の家に指定することはできる。
ちなみに時間指定は無理らしい。
それか街中に並んでいるロッカーを利用して、配達人はそこに荷物を入れてロックし、受け取り人がそれを開けて荷物をゲットするやり方もある。
このアメリカ人は日本に住んでいたから、配達業のサービスで日米を比べると、日本はうらやましいにもほどがあると言う。
全体的に見ると、日本社会は細かいところまでケアしてくれるけど、欧米は大ざっぱで自己責任の範囲が広い。
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