ちょっと前にスリランカ人とインド人と一緒に、「浜名湖ガーデンパーク」へ行ってきた。
春はバラ、夏はひまわり、秋はコスモス、冬は枯れ葉と、ここでは四季の自然を無料で楽しむことができる。
「だからここはコスパ最高なんだ」と日本語を学んでいるインド人に話すと、予想通り「コスパって何ですか?」とツッコまれた。
イギリス人に「コスト‐パフォーマンス(cost performance)」と省略しないで言っても通じなかったし、この和製英語はかなり分かりづらい。
外国人には「なぜ?」の和製英語:コスパ・ハイタッチ・ハイテンション
とにかくそんな「浜名湖ガーデンパーク」を散歩していると、ブースで販売されていた花の苗に一人のスリランカ人女性がくいつく。
花の育て方が分からないと言う彼女に、店員は水をあげるタイミングや量、花を置く場所などを細かく説明してくれて、ボクがそれを何となく英語に訳すと、「たぶんイケる」と思ったスリランカ人はその花を購入を決定。
苗を手に持ってお金を渡す彼女に、店員がこんな言葉をかける。
「しっかり手入れをすれば、きっとキレイな花が咲きますよ。ファイト!」
笑顔で「アリガトウ」と言った後、スリランカ人はすぐに「いまあの人が言ったのは、ひょっとして英語の『ファイト』ですか?」と聞いてくる。
そこはスルーでよかったのだけど…。
相手を励ますとき、「がんばれ」の意味で日本人はよく「ファイト」と言うのだと説明すると、「Fight=ガンバレ」が理解できないスリランカ人はさらに分からなくなる。
ファイトは「戦い、争い、けんか」の意味で花の手入れとまったく関係ないから、外国人が「は?」となるのはアタリマエ。
すると横からインド人が、まえに自分もそう言われて目が点になったとこんな話をする。
「もうすぐ日本語の試験を受けると話すと、日本人の友だちから『そうなんだ。ファイト!』と言われて、後半の意味が分からなかった。英語なら『グッドラック(がんばれ)!』と言う場面で、日本人はよく『ファイト!』を使う。それは日本語だと理解して、いまは自分も日本人にそう言うことがある」
「なるほど」と言ったスリランカ人が納得したかどうかは知らない。
日本の中学校で英語を教えていた知人のイギリス人も、試験のときに生徒が「ファイト!」と言うのを聞いて一瞬フリーズした。
「あいつをぶちのめせ!」みたいな攻撃的なイメージがあるのに、子供たちは笑顔でこの言葉を使う。
「え?イギリスでは”ファイト”って言わないんですか!?」と中学生が驚くのを見ると、「なんでそう言うと思ったかな?」と逆に聞きたくなる。
「ガンバレ」の英語は状況によって、「good luck」「go for it」「you can do it」「hang in there」といろいろある。
でもそのイギリス人が言うには、日本語だとその一言で相手が正しく解釈してくれるから、けっこう便利で使い勝手が良い。
「ファイッ!」は格闘技の試合にはふさわしい。
でも、このスリランカ人はかわいい花を見たいだけで、誰かと殴り合うつもりはないから、状況としてはかなり場違いだ。
外国人にとっては花の育て方より、きっと和製英語のほうが分かりにくい。
それにデタラメすぎて腹も立つ。
日本と外国(イギリス&アメリカ)の台風の話。語源や名前など。
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