【人類初】江戸時代の華岡青洲、全身麻酔薬を使った手術に成功

 

12月3日は「奇術の日」。
奇術をする時、「ワン、ツー、スリー!」と言うことからこの記念日が爆誕したと。
だったら、「バンジージャンプを飛ぶ日」でも「ヤフオクで落札する日」でもナンデモアリだ。

12月3日は1805年(旧暦10月13日)に外科医の華岡青洲(はなおか せいしゅう)が世界で初めて、全身麻酔を使って乳ガンの手術を成功させた日でもある。
江戸時代の日本人が人類に先がけて、こんな魔法のような知識や技術を獲得したというのはスゴイ。
ちなみに1967年の12月3日に、南アフリカで世界初の心臓移植が行われた。

 

華岡 青洲

 

想像してごらん。
ハッキリした痛覚を残したまま、鋭い刃物で体を切られる状況を。
そんな地獄のような苦痛から、人々を救おうと考えた華岡は麻酔薬の開発を始める。
トリカブトや曼陀羅華(まんだらげ)の実など、麻酔効果のある薬草から麻酔薬を作って、まずはウサギやイヌなどに試してその効果を確認する。
「よっしゃ、動物には効いた!じゃあさっそく次は患者に…」とはいかず、その前に今度は人に使ってみないといけない。
その人体実験で母親が亡くなって妻は失明して、華岡は全身麻酔薬の「通仙散」を完成させたと言われる。

そして1805年12月3日、華岡はこの通仙散を使って、60歳の女性に乳ガンの摘出手術を行って成功させた。

これは1846年に、アメリカで初めて全身麻酔手術が行われるよりも40年以上前のことで、いまでは華岡は英語版ウィキペディアで紹介されるレベルの偉人となる。

This is regarded today by some as the first reliable documentation of an operation to be performed under general anesthesia. Nearly forty years would pass before Crawford Long used general anesthesia in Jefferson, Georgia.

Hanaoka Seishū

手術をおこなう華岡青洲

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。