きょねん10月に水際対策が緩和されてから、日本を訪れる外国人旅行者は激増。
やっぱりみんな日本へ来たかったのだ。
その数は前年の同じ月に比べて、22・5倍(約50万人)というからすさまじい。
観光・飲食・小売業にとっては両手を挙げて「ヒャッホーイ!」の状態なんだが、コロナ禍の前に訪日外国人の3分の1を占めていた中国人は、今回は中国政府の「ゼロコロナ政策」の影響で4%しかいなかったから、インバウンドに期待していた人の中には、それがそのまま失望に変わった人も多い。
でも中国政府が「ゼロコロナ政策」を解除し、国民の移動が自由になって海外旅行にも行けるようになると、今度は国内でコロナ患者が爆増。
それで日本政府が水際対策を厳しくして、中国からの入国者にはPCR検査や陰性証明の提出を義務づけるようになって、訪日中国人の勢いにブレーキがかかってしまった。
ホントにうまくいかない。
そんな中国人の代わりに、日本へ大挙してやってきているのが韓国人観光客だ。
中央日報の記事(2022.12.13)
「ノージャパンはどこへ」… 日本旅行急増、日本産ビールの売り上げも増加=韓国
日本製品は買わないし日本にも行かない! という「NOジャパン」が消えて、いま韓国では「日本旅行の需要が爆発的に増加している」ということで、「GOジャパン」状態だ。
きょねん10月に日本を訪れた外国人観光客の4人に1人が韓国人だったから、これは間違いない。
京都や東京の観光地で、韓国語を聞いたというSNS投稿も最近はよく見る。
韓国国内でも日本の服やビールは大人気で、売上をのばしているという。
「YOUは何しに日本旅行へ?」
これについて知り合いの中国人や韓国人に聞くと、日本人のおもてなしのサービス精神が素晴らしいから、TDLやUSJなどのテーマパークが最&高に楽しいから、温泉旅館に泊まって日本ならではの体験をしたいから、といった理由が上がる。
それで「そうかそうか、苦しゅうない」とホルホルしているところでへ、「それに日本旅行は安いですから」という言葉を聞いて、冷や水を浴びた気分になる。
きょねん上海からやってきて、いまは日本で夫と生活している中国人女性に日本の印象を聞いたら、「物価が安くてビックリした!」と言うのを聞いてこっちが驚いた。
地下鉄や電車などの公共交通機関の運賃は日本のほうが高い。
でも、生活で必要なモノや外食はだいたい上海のほうが高いから、日本での生活には余裕を感じて「来てよかった」と笑顔で言う。
15年ほど前、ボクが上海へ旅行したときは、日本に比べれば何でも安くてお得感満載だったのに、いまでは上海人が日本でそれを感じている。
日本の大企業を辞めて母国へ戻って、韓国の大企業へ入社した知人の韓国人(20代・男性)は、初年度の給料は約550万円で大幅にアップしたと喜んでいた。
旅行についても、移動・ホテル・飲食・遊びにかかる費用を考えれば、済州島より日本へ行ったほうが安いから、いま日本へ行きたがる人はたくさんいると言うから、ボクの中では嬉しさより衝撃が上回る。
中国人も韓国人も日本旅行に来る理由として、ショッピングをよくあげる。
このところの円安の影響があるとしても、これは根本的には、日本に比べて中韓の国力が高まって、国民がリッチになったからだ。
国としての経済力は10年ほど前に中国に抜かれ、いま日本は世界3位になっている。
一人当たりのGDPを見てみると、2012年には日本は韓国の約2倍もあったのに、23年には韓国に追い抜かれるという残念なお知らせがある。
日本経済新聞の記事(2022年12月14日)
デジタル化で後じんを拝し労働生産性が伸び悩むことに加え、円安・ドル高でドル換算の金額が目減りするためだ。
1人当たりGDP、日台・日韓で逆転へ 日経センター予測
ちなみに10年ほど前、日本の1人当たりのGDPは台湾の2.3倍だったのに、これも近く逆転される予定だ。
中国や韓国の経済発展は昇竜拳のように伸びている一方、日本はこの2~30年わりと停滞していたから、国としてはまだまだリッチでも、国民はそうでもない。
日本が貧しくなっているというより、中韓の伸びがスゴイのだ。
だから、お得なショッピングをするために日本へやって来る。
ヨーロッパ経済では優等生のドイツ人に聞くと、国内で働いて金をかせいで、休みの日には物価の安いスペインへ旅行に行って羽を伸ばして、心身をリラックスさせたら、またドイツへ戻って仕事をがんばるというライフ・スタイルはずっと前から変わっていない。
これまではどちらかというと、日本はドイツの立場だったのに、いまでは中国・韓国がそのポジションを占めるようになってる気配。
「外国人に日本旅行は大人気!」というのは基本的にはうれしいのだけど、こういう理由では「ヒャッホーイ!」と手放しで喜ぶことはできない。
”日本終了”の不幸フラグにならないように、むしろ危機感を感じたほうがいい。
「デジタル化」でいうなら、最近のフィリピン社会の変化もスゴイ。
日本の『ボルテスV』をリメイクした作品がこれで、そのクオリティーの高さにビビった。
カンボジア人ガイド「日本人と韓国人の違いは、見た目で分かる」
数日前、ある日本人から日本の大卒社員の平均初任給が22.5万円程度だと言われてショックを受けました。韓国の大企業(例えば삼성、LGなど)は月給では430万ウォン(約45万円)です。
昨年(2022)の場合、韓日プロ野球(KBO、NPB)で活躍する選手の中で最高年俸は田中将大の9億円でしたが、2位は驚くべきことに韓国の金広鉉で約8.6億円でした。
コロナ以前の正常なシーズンの場合、日韓プロ野球の市場規模はおよそ1:3でした。しかし、韓国の場合、プロ野球団の親企業がスポンサーする部分が40~50%に達するため、実際の規模の差は1:5程度になると思います。それにもかかわらず、最高選手の年俸にあまり差がないということは、それだけ韓国社会の年俸水準が高くなったということです。
大手企業の平均年俸ではすでに韓国が日本を追い越していますし、プロ野球も速いスピードで日本に近づいています。それでもう韓国プロ野球選手の中で日本プロ野球に進出しようとする選手はいません。
もちろん、このような現象が韓国や台湾などの国々が日本を完全に追い越しているということは言いません。日本の底力や根本的な国力はまだ世界3~4位圏だと思います。
しかし、あまりにも「停滞」しているという感じを与えるには十分です。
日本にいると気づきませんが、間違いなく日本は停滞していましたね。
底力はあると思うので、これから頑張ってほしいところですが、具体的にどうすればいいのかは分かりません。