外国人は「原爆投下」をどう思う？アフリカ・中南米編外国人は「原爆投下」をどう思う？アフリカ・中南米編

「歴史に残るG7サミットの機会に議長として各国首脳と共に「核兵器のない世界」をめざすためにここに集う」

広島で行われた主要７カ国首脳会議（G7サミット）で、各国首脳と原爆資料館を訪れた岸田首相は「集（つど）う」という雅語（洗練された上品な言葉）を使って芳名録にこう記した。

これはバイデン米大統領のメッセージだ。

「この資料館で語られる物語が、平和な未来を築くことへの私たち全員の義務を思い出させてくれますように。世界から核兵器を最終的に、そして、永久になくせる日に向けて、共に進んでいきましょう。信念を貫きましょう！」

文豪の言葉を引用したのはイギリスのスナク首相。

「シェイクスピアは、「悲しみを言葉に出せ」と説いている。しかし、原爆の閃光に照らされ、言葉は通じない。広島と長崎の人々の恐怖と苦しみは、どんな言葉を用いても言い表すことができない。しかし、私たちが、心と魂を込めて言えることは、繰り返さないということだ。」

＊原文は外務省が公開した「G7首脳による平和記念資料館訪問（記帳内容）」にある。

1945年に起きたあの悲劇について日本では、「安らかに眠って下さい　過ちは繰返しませぬから」という核廃絶へ向けたメッセージが広い認識になっている。
外国人はどう思うのか？
今回は中南米とアフリカの人たちの意見を中心に紹介しよう。

ガーナ人：Never again in the history of mankind.
人類の歴史で二度と繰り返してはいけないない。

メキシコ人：USA never care about humans.
アメリカは人間のことを気にしない。

メキシコ人：No bombing should be justified.
原爆投下を正当化すべきではない。

メキシコ人：In my country we taught that in order to finish the war US dropped the bomb, but they also taught us that the bombs were necessary to destroy the will of the enemy.
わたしの国では戦争を終わらせるために、アメリカは原子爆弾を落としたと教えられました。同時に、その爆弾は日本の戦意を破壊するために必要だったとも教わりました。

スーダン人：it is USA which we are talking about here ..the last country in the whole world which can give anyone any punishment . They themselves should be punished.
わたしたちがここで話しているのはアメリカについてです。どんな相手に、どんな罰でも与えられる全世界で最後の国です。彼ら自身が罰せられるべき。

（以下、日本語訳のみ）

ブラジル人：わたしは高校２年生で戦争についてよく議論をします。
爆弾は子供と兵士を区別することができません。
戦争は残忍で人類全員が敗者になったと思います。

メキシコ人：この出来事はメキシコの中学校でも教えられているのですが、「こんなことが起きた。アメリカが悪い。じゃあ先に進もう。」と簡単に紹介されることが多いです。

ブラジル人：ブラジルでは日本がアメリカの真珠湾基地を攻撃したから、その報復として日本へ核兵器が使用されたと言われています。

南アフリカ人：このことを授業で習った記憶はありますが、多くは忘れました。
多くの日本人が犠牲になり、アメリカを非難していたと思います。

ドイツ人：とても不幸なことだと思う。でも、アメリカがそれをした理由は理解できる。
まず連合軍はヨーロッパで勝利を収めた後、戦闘でとても疲労していたから、戦争をできるだけ早く終わらせたかった。
アメリカが核兵器を使用した理由はもうひとつある。
そのころロシアは北から地上侵攻を開始して、共産主義を広めようとしたから、それを止めるためにも戦争を早く終わらないといけなかった。

ナイジェリア人：それは歴史だ。もう時代は変わった。

フィリピン人：わたしはフィリピンに住んでいるのですが、第二次世界大戦中、フィリピンが日米の戦場となったことを思い出しました。

ニカラグア人：わたしの国では、第二次世界大戦の内容はそれほど詳しくて教えられていません。
学校教育の質が非常に悪いのです。
広島と長崎への原爆投下については本を読んで、自分で歴史を学んだので知っています。

モロッコ人：日本人の忍耐には敬意を示します。
これは帝国主義的な恥ずべき、そして恐ろしい行動です。

アフリカ人：アメリカは自分の力を世界に見せつけたかった。その必要はなかったのに。