知人のドイツ人は日本に住んでいた経験があるから、日本人の感覚や考え方もそれなりに知っている。
そんな彼は、日本人がドイツ観光をするなら、ノイシュバンシュタイン城・カトリックの大聖堂・ローテンブルクがおすすめだと言う。
今回はこのスピンオフというかオマケで、日本人がじつは知っているドイツ語を紹介しようと思う。
1890年代のノイシュヴァンシュタイン城
全身筋肉の塊みたいなマッチョなボディーを、ムキムキやバキバキと表現する。
この「ボディー」は英語で、「マッチョ」はスペイン語、「ムキ」はドイツ語に由来する日本語なのだ。
ノイシュヴァンシュタイン城の「シュタイン」も、「ムキ」のように、日本人が気づいていないけれど、わりと日本で使われているドイツ語の一つ。
天才物理学者のアインシュタイン、フランケンシュタイン、そしてアニメ『シュタインズゲート』を知っている人は多いはずだ。
ノイシュヴァンシュタインとは、「ノイ(新しい)・シュバン(白鳥)・シュタイン(石)」をくっつけた言葉で「新白鳥石」という意味になる。
漢字だけを見ると、新井白石に似ている。
シュタインとはドイツ語で「石(Stein)」のこと。
アインシュタインの名前は「1つの石」という意味で、英語なら「ワン・ストーン」だ。
科学者たちが登場するSFアニメ『シュタインズゲート』のタイトルは、この天才物理学者に由来していて、この場合のシュタインは「運命石」という意味らしい。
日本のファッションブランド『 stein(シュタイン)』も、アインシュタインやヴィトゲンシュタインなどの名前に由来する。
前半部分を省略して、「未完成」を意味しているとか。
1922年に来日したアインシュタインは、日本人についてこんな感想を持った。
「日本人は謙虚で質素、礼儀正しい、まったく魅力的です」
「他のどこにも存在しないくらい純真な魂たち。誰でもこの国を愛し、敬うだろう」
名前にシュタインがある“有名人”には、フランケンシュタインもいる。
ただ、誤解している人も多いのだけど、フランケンシュタインとは、もともとは怪物(人造人間)をつくり出した化学者の名前で、あの怪物を指す言葉ではない。
ヴィクター・フランケンシュタインが創造したあの怪物には名前が無く、作品中では単に「モンスター」と呼ばれていた。
それが後に、フランケンシュタインに由来して、怪物もそう呼ばれるようになった。
あの恐怖物語の元ネタになったフランケンシュタイン家は、ドイツのバイエルン地方にいた貴族の家系で、この場合のシュタインは「石でつくった城」を意味するという。
ということで今回は、日本人がじつは無意識で知っているドイツ語の「シュタイン」を紹介しますた。
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