1か月前、イスラム組織ハマスがイスラエルを攻撃し、「2023年パレスチナ・イスラエル戦争」がぼっ発。
双方の死者はもう1万人を超えた。
といっても、犠牲者の数はイスラエル人より、ガザ地区にいるパレスチナ人の方が圧倒的に多い。
イスラエルは「人質の解放なしに停戦はありえない」と言うが、ハマスにそれに応じる気配はないから、ガザでの破壊と殺戮に終わりは見えない。
ハマスはガザ地区を支配しているだけで、彼らの意見がパレスチナの民意ではない。
パレスチナ自治政府は今回の奇襲攻撃には参加していないし、アッバス議長は「ハマスはパレスチナ人の代表ではない」と明言した。
(後にこの発言は削除されたけど。)
アッバス議長はハマスによるイスラエルへの攻撃を非難し、「ハマスは人質の即時解放をすべき」と表明するなど、ハマスとは距離を置いている。
日本や世界の多くの国は、パレスチナ問題の解決策として、イスラエルとパレスチナ国家の共存を考えている。
パレスチナ自治政府は、パレスチナ解放機構(PLO)に基づいて設立され、PLOとは深い協力関係を持っている。
パレスチナ人の代表機関として、国連で認められているのはPLOだけ。
イスラエルとしては、ハマスは抹殺するしかないとしても、パレスチナ人全体を代表するPLOなら交渉相手になり、2カ国共存の道が開けるのでは?
すこし前に、イスラエルが大大大嫌いで、ハマスを支持する親日的なエジプトの女子高生とネットで話をした。
彼女にパレスチナ問題の解決策として、イスラエルとPLOを主体とするパレスチナ国家が共存することについて、どう思うか意見を聞いてみた。
すると、返ってきたコメントはなかなか衝撃的な内容だった。
でも、世界中のイスラム教徒が同じ認識をしていると思う。
まず、彼女はPLOについて、「イスラエルに降伏した(surrendered to Israel)」組織であり、信用できないと切り捨てる。
イスラエルは自国民に、パレスチナの家族を家から追い出し、もし彼らが退去を拒否すれば殺す権利を与えた。
パレスチナ人が殺されたり、土地を奪われたりしても、PLOはイスラエルに何も言わない。
彼女は怒りに満ちてこう言う。
「Is that something that’s supposed to “coexist” with?
So yes, I don’t stand with such a coward organisation like PLO, they gave up on their land and lives and revenge.」
(これが本当に “共存 “なのですか?
だからそう、私はPLOのようなおく病な組織を支持しません。彼らは自分たちの土地と生活、そして復讐をあきらめたのです)
イスラエルはパレスチナ人の土地を奪い続け、それに抵抗すれば殺される。
パレスチナ人の怒りはすでに頂点に達していたから、今回ハマスが行ったイスラエル人の虐殺や誘拐は、本来なら数年前に起きていたと彼女は言う。
つまり、それほどハマスは“耐えて”いたと。
では、どうしたら、パレスチナ問題を解決することができるのか?
彼女は、この問題について自分を「客観的」と言う人たちは、実際には真実と正義を無視し、邪悪な者(イスラエル)の側に立つ人々だと考えていて、パレスチナ問題はそんな人たちの唱える「愛と平和」では解決できないと言う。
彼女からすると、これが唯一の解決策だ。
「Israel has to leave
Give the people their homes and country back」
(イスラエルは去らなければならない。
パレスチナの人々に家や国を返せ)
いやー、こんな主張をする女子高生は日本にはいないかな。
もちろん、上の内容は彼女の認識で、客観的な事実かどうかは分からない。
でも、世界中の多くのイスラム教徒も同じように、イスラエルを「絶対悪」と考えているはずだ。
だから、イスラエルとの共存を目指すPLOはあまり支持されない。
しかし、実際の状況は逆に進んでいる。
イスラエルはハマスを排除した後、ガザ地区を無期限で管理することを考えていると言われている。
いまの戦闘が終わっても、局面が変わるだけで、パレスチナ問題はきっと無期限で続いていく。
PLOの存在感の薄さが際立つ。
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