失敗したっていいじゃないか、にんげんだもの。
そんなやさしい言葉が絶対に当てはまらない人物がいる。
第二次世界大戦中、ヒトラー率いるナチスは、ユダヤ人や障害者など600万人の人たちを虐殺した。
ヒトラーは永遠に許されることのない悪魔。
最近、イタリア人がドイツで、右腕を斜め上に伸ばす「ナチス式敬礼」をして警察に逮捕された。
ドイツでは、ヒトラーを称える「ナチス式敬礼」をすることは法律で禁止されているのだ。
しかし、ヒトラーはアウトバーンを建設して失業者を減らしたし、その高速道路は戦後、ドイツの発展に貢献した。
もし、その政策を否定するのなら、アウトバーンを破壊するべきだった。ナチス式敬礼を禁止したように。
それに、ナチスが国家レベルの「禁煙キャンペーン」を成功させたことも評価されていいのでは?
知人のドイツ人に、そんな意地悪な質問をすると、
「う〜ん。そうかもしれないけど、やっぱりドイツ人としては、“ヒトラーやナチスが良いことをした”とは言えないな。彼らはホンの少しでも、肯定されてはいけない存在なんだ。」
と彼は全面否定する。
ドイツ人にとってヒトラーは「完全な悪」でないといけないらしい。
韓国人にとっては、伊藤博文がそんな存在かもしれないと、中央日報の記事を見て思った。(2024.03.07)
韓国与党議員が伊藤博文発言を謝罪…「適切でない比喩、申し訳ない」
日本では、伊藤博文は初代総理大臣を務めた人物で、明治維新で国を導いた偉人の一人として尊敬されているが、韓国ではまったく違う。
1905年に初代韓国統監に就任したことから、伊藤博文は「朝鮮侵略の元凶」として、極悪人や犯罪者のような扱いをされている。
そんな伊藤について、韓国の与党議員が学生たちに向かってこんなエピソードを話した。
幕末、長州藩にいた5人の青年が英国留学を思い立ち、藩に奨学金の支援を求めたが、法的にできないと断られた。
責任者の財政局長は、“金庫を開けたまま”出て行くと、青年たちはそこにあった金塊を持ち出し、留学資金として使った。
財政局長はこの青年たちを支援したかったから、法のスリ抜ける形でお金を渡したのだ。
その後、5人は英国で必死に勉強し、日本の発展に貢献した。
この議員は、伊藤博文は韓国に「痛ましい事態をもたらした人物」だが、「(日本は)我々よりも先に人材を育てた先例」だとこのエピソードを紹介した。そして、学生たちに、祖国のためにどんな役割をするのか考えてほしいと話す。
その直後、この発言が問題視され、
「『侵略元凶』の伊藤博文をあたかも称賛するように例に挙げるべきだったのか」
「日本極右主義者の歴史認識を代弁するとは、成議員はいったいどの国の国会議員なのか」
などと大炎上する。
金庫の金塊を留学資金に使い、日本のために働いたという話なのに、伊藤博文を「東アジアを戦争の惨禍に導いた歴史的な罪人」と非難する議員もいた。
トンデモナイ飛躍だ。
でも、韓国では、国民感情に合っていれば、前後の文脈を無視してもほとんど問題視されない。
議員は当初、この発言をダブーとするのは「それ自体が劣等意識」の表れだと批判を一蹴したが、同じ与党からも「国民の目線に合う言動をするよう要請する」と注意されると、最終的には謝罪した。
一方、日本の見方はいつも通りまったく違う。
不適切な表現や内容は排除される「ヤフコメ」で、たくさんの支持を得たコメントがこちら。
・歴史上の人物には一面では評価できない部分も多く、韓国でもこの機会に博文に対して感情的でない議論をして、韓国一層の発展への一助にしてほしい。
・伊藤博文は そのままでは欧米列強に飲み込まれる運命だった日本を近代国家にし、朝鮮にまで広めようとした。
・伊藤博文を悪者にしておかないと、安重根を英雄とする韓国社会が壊れてしまうのでしょう。
・反日の同調圧力がいまだに韓国社会を覆っている。多様な価値観は生まれがたい。
・伊藤博文は《併合反対》のトップの位置にいた人物。
上の記事の英国に行ったという話は「長州五傑」のことだと思うけど、くわしいことは分からない。
右上の青年が伊藤博文
朝鮮王朝末期の1894年、ガマンの限界を超えた農民たちが政府に反旗を翻し、甲午農民戦争(東学党の乱)がぼっ発する。
当時、朝鮮にいた西洋人たちは政府の圧政を知っていたし、政府にまともな政治を行う能力はないとわかっていたから、「反乱軍」を支持する人もいた。
外国人のなかにも、東学党に賛成する声があった。政治はこれ以上酷くなりようがない状態で、搾取に対し武装抗議するよう、時は熟していると考えられたからである。
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こんな混乱状態だったから、欧米列強は、日本が韓国をコントロールすることを認めた。
伊藤博文は韓国に好意的で、統監時代には、民族衣装の韓服を着て記念写真を撮ったこともある。
真ん中の人物が伊藤で、前列に妻がいる。
伊藤博文は、韓国を保護国にして、日本が主導して国内改革を進めていけば十分だと考え、併合して国を消滅させることに反対していたと言われる。
実際、1907年にいまのソウルで、「日本は韓国を合併するの必要なし。韓国は自治を要す」と演説している。
また、韓国で働く日本人教師に向かって、「余暇を用いて朝鮮語を学ぶこと」を強調した。
韓国でこんな歴史を知っている人がいたとしても、それを口にしたら、ソク十字砲火を受けるからとても言えないだろうけど。
伊藤は大韓帝国の政府要人と会った時、自分がここに来たのは「韓国ヲ世界ノ文明国」にするためだと話した。
もちろん、朝鮮半島が安定することは、日本の安全保障にとって大きな利益があったことは間違いない。
伊藤博文とヒトラーはまったく次元の違う人物だから、一緒に並べることはできない。
韓国でも伊藤について、良い面を認められる空気が出てくるといいのだけど、今回、まだそれは遠い未来だということがわかった。
韓国とは関係ない部分でも、彼を評価すればソクぶっ叩かれ、謝罪に追い込まれるのだから。
「東アジアを戦争の惨禍に導いた歴史的な罪人」というめちゃくちゃな伊藤博文像がクローズアップされるけど、韓国の文化を尊重し、「日本は韓国を合併する必要なし」と言った事実は無かったことになっているのが韓国の現状。
これじゃ、韓服を着た伊藤博文も浮かばれない。
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伊藤博文は韓国でほぼヒトラー並みの悪魔として認識されています。
教科書でそう教えています。私もそのような教科書で勉強した者ですが、現在は私が勉強していた時よりもはるかに教科書の反日的色彩が強いです。伊藤博文が朝鮮併合の元凶ではないことを私が知ったのも最近のことです。韓国での歴史、特に韓日間の歴史について「真実」を知るためには自分で探して勉強しなければなりません。それだけ現在韓国で日本に対する歴史叙述は歪曲されたり捏造された状態です。伊藤博文についての真実を今韓国で話しても、国民は納得しません。歪曲、捏造された歴史教育を受けたからです。
いま韓国を旅行する日本人に、韓服を着て記念写真を撮ることが人気です。
その「元祖」は伊藤博文でした。
伊藤博文が韓国文化を尊重したことを、韓国の人たちにも知ってほしいです。
> ドイツ人にとってヒトラーは「完全な悪」でないといけないらしい。
> 韓国人にとっては、伊藤博文がそんな存在かもしれないと、
ドイツ人にとってのヒトラーと、韓国人にとっての伊藤博文とでは、話が全然異なります。
ヒトラーはあくまでドイツ人であり、ドイツ人にとっては「自国民の中から自分たちが選挙で選んでしまった狂人的独裁者」とでも言うべき存在なのでしょう(たぶん)。
ですが、韓国人にとって伊藤博文は外国人であり、占領・併合された自国へやってきた「外国からの侵略者・支配者」です。韓国政府がやっているように、これを「民族の敵」とみなして愛国意識を煽るのは、多くの国においてよく使われる手です。それこそ、ヒトラーが使った政治手法と同じだ。
ドイツ人にとってのヒトラーに対する複雑な感じ方・考え方は、韓国人や我々日本人には決して深いところまでは理解できないだろうと思います。
完全悪だから、少しでも擁護したら叩かれる、という意味です。
「完全悪」などという(本当にそんなものがこの世に存在するかどうかも分からない)単純化した概念で、ヒトラーと伊藤博文を同一カテゴリーに分類できる、あるいは分類してよいものですかね?
数学の集合論じゃあるまいし。単純化のし過ぎじゃありませんか?
ドイツ国内で「ヒトラーにも良いところはあった」、韓国内で「伊藤博文にも良いところはあった」と言っても、社会的に受け入れられないでしょう。
受け入れられた事例は聞いたことがありません。
その意味で完全悪です。
韓国人の読者さんも「伊藤博文は韓国でほぼヒトラー並みの悪魔として認識されています」と言っています。