この前、オランダがインドネシアを支配した際、現地の人たちを奴隷として使っていたという闇歴史を書いたのですよ。
この記事を書いている時、英語版ウィキペディアにこんな恐ろしい文章を見つけてしまった。
Other punishments included the cutting of hands, ears, breasts and noses, forms of scaphism, being burned alive and the breaking wheel.
オランダ人が奴隷に対しておこなった罰には、手、耳、胸、鼻の切断のほか、スカフィズムや生きたまま焼くこと、さらにブレーキング・ホイールなどがあったという。
日本人的には、スカフィズムにブレーキング・ホイールと聞くと、「一体なにそれ?」と疑問に思うのでは?
これは日本の歴史にはなかった(少なくともボクの知るかぎり)、身の毛もよだつ拷問や処刑法だ。
今回は震えながら、後者を紹介しよう。
大量の物を運ぶ際に使う「車輪」は、人類史上、最も効果的な発明の一つと言われる。
しかし、ヨーロッパ人は人間に激しい苦痛を与えるために、「ブレーキング・ホイール(車裂きの刑)」としてこれを使った。
有罪判決を受け、この刑が確定した者がいると、その人物の手足を固定して動けない状態にし、処刑人が(おそらく鉄でできた)大きな車輪を上から落とし、その人の骨を折ったり、切断する。
これは公開処刑で、死刑囚の関節の下には鋭利な刃物があって、切断しやすくすることもあった。
ブレーキング・ホイール(車裂きの刑)にはこんなやり方もあった。
・死刑囚を大きな車輪に上を向いた状態で結びつけ、処刑人が手足を棒で砕き、虫の息になった状態で放置し、死に至らしめる。または、首や腹を切断する。
・見せしめとして、磔刑のように体を車輪に固定したまま地面に立てる。
・体を車輪に固定したうえで、炎の中に放り込んで殺害する。
この刑で最もラッキーなのは首や心臓に車輪を落とし、「一撃」で終わらせてくれること。
拷問器具としては、人を大きな車輪に縛り付けたうえで、体を切り刻んだり、棒などで殴って手足の骨を折るといった行為がおこなわれた。
上の絵では、でっかい車輪を落として手足を砕いていて、その後ろには、垂直に立てられた車輪が見える。
四肢が粉砕されたせいか、手足が不自然な状態で車輪につながれている。
「これが犯罪者の未来だ」と市民に分からせるためなんだろうけど、車裂きの刑は見た目が強烈すぎる。
処刑が終わった後も、遺体は車輪の上に置かれたままにされた。
古代のヨーロッパの信仰では、死体を動物や鳥に死体を食べられると、死から復活することはできなくなるとされていた。
つまり、魂も殺していたのだ。
車輪の側面に人をつなげ、下にある鋭い鉄の棒に刺したり、火で焼いて殺すこともあった。
体が車輪が外れたり、何らかのトラブルが起きた場合は、「神が介入した」と解釈され、処刑は中止された。
キャサリンという女性はキリスト教の信仰を捨てることを拒否したため、ブレーキング・ホイールで処刑されたという伝説があり、その後、この器具は「カタリナの車輪」として知られるようになった。
キャサリンと車輪
「車裂きの刑」とかいうイヤ(痛)すぎる拷問・処刑法は、19世紀になってやっと廃止された。
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