プロテインを飲んで体を鍛えあげまくると、マッチョでムキムキのボディに仕上がる。
日本語には外来語がとても多い。
この一文だけでも、「ボディ」は英語、「マッチョ」はスペイン語、そして「ムキムキ」はドイツ語に由来していて、日本語は多様性にあふれているのだ。
日本人はアイデアも豊富だから、外国人の目には斬新に映るモノも多い。
最近、日本に住んでいるベトナム人2人と話をしていたとき、ベトナムの首都ハノイには、筋肉美を売りにする「マッチョカフェ」があることを知った。そこでは男性スタッフが上半身裸でエプロンをつけていて、お客さんに飲み物を運ぶだけでなく、自慢の筋肉を触らせてくれたり、記念撮影に応じてくれたりする。
彼らは、「マッチョと触れ合えます♪」という新しいコンセプトのこのカフェは、ベトナムで生まれたのではなく、日本発祥か、日本の影響を受けてつくられたと考えていた。2人のイメージだと、日本人はそういう奇抜で斬新な発想をよくするからだ。
現在、日本にいる外国人を国籍ごとに見ると、約80万人の中国人が最も多く、次にベトナム人(約52万人)、韓国籍(約41万人)と続く。
もともと、ベトナム人は日本が好きで興味を持っている。
そんな背景があって、日本にいるベトナム人がSNSで、珍しい現象や流行の店などをよく紹介するから、ベトナムでは日本の情報が洪水状態になっているらしい。
日本にはメイドカフェ、猫カフェ、フクロウカフェ、コスプレカフェ、忍者カフェ、は虫類カフェなどなど、飲食とユニークな体験を楽しむことのできるコンセプトカフェがたくさんある。
2人の話によると、ベトナム人の考え方は基本的に正攻法で常道を進み、型にはまっている。
飲食店なら、食べ物や飲み物の味や量、それと店内の雰囲気でほかと差別化をはかるのが普通で、「それ+ユニークな体験」という発想はなかなか出てこないらしい。
日本人はアイデア豊富だから、ひと目見てすぐに行きたくなるカフェや、説明してもらわないと理解できない意味不明なカフェが次々と出てくる。
日本人に対するベトナム人のイメージには、真面目に働く、とても礼儀正しい、時間を守って行動するといった固いものが多い。
でも、正反対の一面もあって、ギャップがすごい。
街のさまざまな場所にカワイイ何かがあるし、すごく面白いアニメをつくる。それに、コンセプトカフェのようなユニークな発想をする。
まえに由緒ある有名なお寺へ行ったら、ハローキティとコラボ企画をしていて、キティちゃんのお守りやいろんなグッズが売られていたから、本当に驚いた。
ベトナム人の自分の観点からすると、仏教寺院とハローキティはまったく違う世界にあって、この2つが結びつくことはない。
お寺に「カワイイ要素」なんていらない。
日本人の性格は基本的に真面目だけど、社会には、カワイイものやユニークなものであふれているらしい。
そう話す2人から見ると、「筋肉カフェ」はベトナム人ではなく、日本人の発想からうまれたと考えた方が自然。だから、日本から伝わったものだと考えた。
そう言われると、「オネエが筋肉マッチョの店へ潜入」というアイデアも、とっても日本人的な気がする。

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