最近、SNSを見ていたら、新しい言葉を発見したという外国人(たぶん欧米人)を発見した。
「I was doing some research and came across the term “Gaijin Smash”. I think we should all Google it before travelling!」
(いろいろ調べていたら、”ガイジン・スマッシュ”という言葉を見つけた。日本へ旅行に行く前に、ググって確認するべきだと思う!)
「Gaijin Smash」という言葉は普通の辞書には載っていないだろうが、英語のスラングを紹介している「Urban Dictionary」には項目がある。
外国人が日本の文化やマナーをわざと、または知らずに破り、日本人の注意を無視することや、日本語がわからないフリをして、見逃してもらおうとすることを「ガイジン・スマッシュ」という。
これは日本で働いていた外国人が作った言葉らしい。
この投稿に対して、外国人がこんなコメントをしていた。
・以前、体を洗う前に温泉に入ってしまい、「ガイジン・スマッシュ」をやっちまった。
・レストランでビールだけを注文したら、近くにいた日本人の客から、「ここは食事をするところだから、次に来る時は料理を注文した方がいい」って言われた。
・わざとガイジン・スマッシュをする連中はサイテーだ。
同じ「ガイジン・スマッシュ」でも、その国の文化やマナーを意図的に破るのと、知らずにうっかり破ってしまったものでは種類がまったく違う。
靴を履いたまま建物の中へ入り、日本人に注意されて、「ソーリー!」と急いで入り口へ向かう外国人ならいいが、それを無視して歩き続けるガイジンはサイテーだ。
ただ、日本人の価値観と外国の人価値観、文化と文化がぶつかると、そう簡単に判断できないこともある。
イスラム教のモスク(礼拝所)
昨年、日本に住んでいるバングラデシュ人の男性と知り合った。
後日、彼から、日本の歴史や文化を感じられる場所へ案内してほしいとお願いされたから、車で彼を由緒あるお寺へ連れて行くことにした。
すると当日、友が友を呼び、6人のバングラデシュ人が集っていて、事前にそんなことを知らされていなかったもんで、まずはそれに驚かされた。
日本人の常識なら、「友だちを連れてきていいですか?」とメールで確認すると思うのだけど。まぁ、バングラデシュ人は一般的に、「The more the merrier(たくさんいた方が楽しい!)」という感覚が強いことは知っていた。
ちなみに、彼らは全員イスラム教徒だ。
お寺では、彼らにとっては普通の大きさの声が、日本の基準ではかなりデカいので、「ここは宗教施設だから、もう少し小さな声で話すように」と注意すると、「ソーリー」と言ってみんなそれを守る。
これは想定内。
やや衝撃的だったのは、位牌には死者の魂が宿っていると説明したのにもかかわらず、彼らがその前でクスクスと笑って話をしていたこと。
6人もいて、こういう態度を失礼だと感じる人は誰もいない様子。
「ここで笑うべきではない」と注意すると、彼らが意外そうな顔を浮かべたことが意外だった。
イスラム教では死者の魂が木などの物質に宿るという発想が無いから、日本人とは位牌に対する見方や感じ方がまったく違うのかもしれない。
お寺へ行った後、「みんなで話をしよう」という空気になったから、有名ファストフード店に寄ることにした。
イスラム教では、教義によって豚肉やアルコールなどを口にしては許されない。
なので彼らにメニューの中で、原材料について知り合いことがあったら、遠慮なく言ってほしいと話したが、誰も何も言わない。
「何この空気?」 と思ったら、「自分は何もいらない」と全員が言う。
そうか、まだお昼ご飯がおなかの中に残っているのか、という問題じゃなくて、この場面では飲み物ぐらい頼むべきだろ!
7人のうち、6人が何も注文していないのに、おそらく1時間以上も席に座って話をすることに、彼らは何の違和感も感じていない。
これも「ガイジン・スマッシュ」だろう。
彼らの言い分はこうだ。
・欲しくないものを注文するのはおかしい。
・今は空いているから、私たちが座っても問題はない。
・1人でも注文したら、店にとっては利益になって損はない。
・ここには「1人1品以上、必ず注文してください」とどこにも書いていない。
こういう場合、バングラデシュの店なら、それでまったく問題ないらしい。
しかし、ここは日本。
「そういうことなら、店を利用することはできないから、今日は話をするのはやめよう」と伝えると、6人が驚いた顔をして「え? なんでですか?」と聞いてくる。
こっちは、なんで分からないのかが分からない。
結局、この時は彼らに「席代」という新しい概念を覚えてもらい、その店で話をすることにした。
「体を洗わないで湯船に入るな」とか「声が大きいと迷惑になる」という分かりやすいケースならいい。
外国人が説明を聞いても、自分たちの価値観と違って受け入れられず、それがマナー違反になると納得できない場合の対応はむずかしい。
> イスラム教では死者の魂が木などの物質に宿るという発想が無いから、日本人とは位牌に対する見方や感じ方がまったく違うのかもしれない。
うーん、どうなんでしょうか。
それもあるだろうけど、基本的に彼らは「イスラム教以外の他民族の宗教は本当の宗教ではないから、それほど注意・敬意を払う必要はない」と考えているor感じているような気がします。でもねぇ、そういった感覚こそが、世界のあちこちで宗教に起因する争いが起きている原因の一つなのでは。
> ・欲しくないものを注文するのはおかしい。
> ・今は空いているから、私たちが座っても問題はない。
> ・1人でも注文したら、店にとっては利益になって損はない。
> ・ここには「1人1品以上、必ず注文してください」とどこにも書いていない。
>
> こういう場合、バングラデシュの店なら、それでまったく問題ないらしい。
ははは、それはその通りです。しかも日本以外の世界の大部分で、彼らの言い分の方が正しいと扱われると思いますよ。少なくとも注文しない客が店内で居座ることを禁止したいのであれば、そのことを(英語でよいから)掲示して、誰からも読めるようにしておくべきでしょう。
めんどくさいですが「国際化」とは、そういうことでもあると思います。
まぁでも、日本以外の外国(特に欧米・中国)だったら、問答無用で店の外へ叩き出される可能性も高いですけどね。その人たちはブログ主さんに引率されていてラッキーでした。
イスラム教徒にも過激派からかなり柔軟な人たちがいて、なかなか一言では言えませんね。
バングラデシュ人の件では、彼らの主張には合理的な面もあるので全否定することもできず、むずかしいです。