ネットを徘徊(はいかい)していると、あるメディアで、初めて旅行で日本を訪れたポーランド人のインタビュー記事を見つけた。
彼らが日本で感動したのは、路上にゴミが落ちてなくて街が超きれいだったこと。
そんなポーランド人たちは来日する前にネットで日本の情報を集めていて、「ぜひここに泊まりたい!」という場所を発見したという。
それはカプセルホテルで、彼らは日本に上陸してすぐにその夢を実現した。
客室は思ったより広く、清潔でテレビもあって満足できたし、プレミアムクラスの部屋だと、西洋人でも中腰で立てるくらいの高さがあり、ドリンクサービスもあって満足度はかなり高かった模様。
そんな感想を読んでいて、知人のポーランド人の話を思い出した。
ことしの3月、彼の彼女がポーランドから旅行で日本へやってきた。
静岡に住んでいる彼はその前日に東京へ行き、プチ観光を楽しんだ後、夜はカプセルホテルに泊まることにした。
そこを選んだ理由は財布にやさしい料金と、部屋の写真を見て「ハチの巣かよ」と思ってしまうような、強烈なビジュアルに魅かれたかららしい。
ちなみに、あるアメリカ人はカプセルホテルを見て「まるで迎撃ミサイルのようだった」と表現した。このへんはお国柄の違いか。
とにかく彼は初めてカプセルホテルに泊まり、そこには日本人の“らしさ”が詰まっていると感じたという。
彼にとって、日本人が素晴らしいと思う点は、細かいところにまで配慮し、サービスが行き届いているところだ。
初めて来日した際、どこでも丁寧な案内があったから、成田空港から静岡までスムーズに移動することができた。
外国人の行動を予想して“先手”を打っているから、困った時に困らなく済む。
彼は日本に半年以上住んでいて、それなりに事情は知っているから、カプセルホテルの寝具の清潔さは想像通りでとくに何も感じなかったが、カプセル内で温度調節ができたり、USBポートがあったりしたことは想定外で、「さすが日本人だな」とあらためて感心した。
ホテルで不足しているものがあったら買うつもりでいて、最低限の荷物しか持っていかなかったけど、荷物を預けるロッカーはあったし、歯磨き粉、せっけん、シャンプー、タオルなど必要なものがすべてそろっていたから、彼は何も買わなくてもよかった。スリッパまで用意されていて快適さはマシマシ。
軽食の自動販売機や電子レンジがあって、いつでも食事ができたし、洗濯機や乾燥機も設置されていてまさに至れり尽くせりだ。
ポーランドやヨーロッパで格安ホテルに泊まる場合、盗難などの危険性やベッドバグ(トコジラミ)など衛生面でのリスクを覚悟しないといけない。
でも、日本の社会は基本的に何でも質が高いから、“最低ランク”の宿でも快適に過ごすことができる。
あえてマイナスポイントを挙げるとしたら、深夜にほかの客のいびき攻撃に悩まされ、早朝にはアラームの奇襲を受けたことだけ。
料金は安くても、さまざまなところに日本人らしい気配りがされていたから、清潔&快適に過ごすことができた。
彼にとってカプセルホテルでの一夜は、ヨーロッパにはない日本らしいユニークな体験となったようだ。
カプセルホテルに宿泊した外国人の話なのですから、最初の写真も普通のホテルの部屋ではなく、「ハチの巣」あるいは「迎撃ミサイル」みたいな外観を有するカプセルホテルの写真にすべきだったのでは?
そうしたかったんですが、手元にそんな写真が無く…。