成功するために常に考え、いつも全力でがんばっているのに、なかなか結果が出ない。
そうなったとき、人は運気(か何か)を変えるために「改名」をすることがある。
あるアンケートで、改名で成功したお笑い芸人をたずねたところ、
「くりぃむしちゅー(海砂利水魚)」
「さまぁ~ず(バカルディ)」
「スギちゃん(杉山えいじ)」
といった人たちがランキングの上位にいた。
この考え方は人間以外にも通じる。
名前の変更で「勝ち組」になった国といえば、中国の清がある。
清の歴史は1616年に中国東北部で、ヌルハチによって後金が建てられたことでスタートし、1636年の5月 15日に国名が「清」と改められた。
改名の理由について、中国東北部を旅行した時に現地ガイドから“五行説”の話を聞いた。
この世に存在するものは、火・水・木・金・土の5つの要素から成り立っていて、それぞれが互いに影響を与え合い、万物が変化するという考え方が五行説だ。
たとえば、木が燃えることで火が生まれ(木生火)、燃え終わると灰が生まれ、土にかえる(火生土)。
この説を持ち出し、ガイドはこんな話をした。
「後金にとって、明は宿敵のライバルだったんです。でも、どうしても打ち勝つことができませんした。五行説によると、炎は金属を溶かすから、金は火に弱いのです。明の属性は“火”で、後金は文字通り“金”ですから、金では火に勝てません。水なら火を消すことができるから、サンズイのある“清”を国名にしたんです」
これはわりと有名な説で、英語版ウィキペディアでも紹介されている。
「明」という文字は火、「清」は水と関連していて、水が火を征服するように、明に対する清の勝利を示しているという。
the character 明; Míng is associated with fire within the Chinese zodiacal system, while 清 is associated with water, illustrating the triumph of the Qing as the conquest of fire by water.
*国名の変更についてはほかにも説があるので、詳しいことは「清」で確認確認。
1636年に国名が「清」へ変更された後、李自成の乱が起こり、北京が攻略されて明は滅亡する。
清軍はすぐに万里の長城を越えて南下し、李自成を瞬殺すると、1644年に北京を首都として中国の支配をスタートした。
清は 18世紀末には中国史上最大の帝国となり、世界史でも4番目に広い国となった。
20世紀はじめには人口は4億を超え、清は当時の世界で最も多くの国民を抱える国となる。
しかし、1895年に日本に敗北し(日清戦争)、国内で反乱の機運が高まると、1911年にぼっ発した辛亥革命によって滅ぼされた。
水は火を制することはできたが、「日」には勝てなかった。
> 水(清)は火(明)を制することはできたが、「日」には勝てなかった。
これはなかなかの名言ですね。記憶の助けにもなる。
日本に五行説は通じません!