愛知県で最近、自分宛ての郵便局が届いたのに、受け取ることができなかったという事案が発生。
この原因は、「特定事項伝達型の本人限定受取郵便」と「カタカナ」の2つにある。
特定ナンチャラ郵便では、キャッシュカードやクレジットカードなどが送付された際、日本郵便が本人確認をして手渡すシステムになっている。
それが今回の場合、郵便物の宛名がカタカナで書かれていて、配達人が本人確認をすることができなかった。
マイナンバーカードや運転免許証、パスポートといった身分を証明するものには、カタカナで名前が表記されていないから。
結局、日本郵便が定めるルールで本人確認ができなかったため、受け取りができなかった。
まぁ、これはカタカナで送付した側の責任で、配達人の判断は正しい。
漢字を無視して「カタカナOK」にすると、犯罪を誘発しかねないから、クレカの送付などでは厳しい規則があるのは仕方ない。
…と思うのだけど、この件を知った総務省が日本郵便に対して改善を要請したというから、このルール遵守には行き過ぎた面もあるらしい。
戦前・戦中に日本の統治を受けていた台湾では、現在でも日本語由来の言葉が山盛りある。その1つが「アタマコンクリ」だ。
規則や決まりを絶対視して融通の利かない人を、頭がコンクリートのように固いということで「頭コンクリ」と言われる。
日本に住んでいる外国人に話を聞くと、「ルールはルール」と拒否されて、困った経験をした人がよくいる。
このまえ日本の大学に通っているスリランカ人留学生から、こんな話を聞いた。
彼が日本へ来た後、口座を作るために留学生仲間と大学の近くにある銀行へ行き、「口座を開きたいんだが?」と行員に伝えると、「では、ここに身分証明書と同じ名前を記入してください」と用紙を渡される。
彼がパスポートか在留カードを見ながら、ローマ字でフルネームを書き込むと、すぐに困ってしまった。
一緒にいたベトナム人やミャンマー人は問題なかったが、彼の名前は長すぎて、記入欄に収めることができなかったのだ。
スリランカの首都名は「スリジャヤワルダナプラコッテ」と、とても長い。
かの国では昔、身分の高い人ほど長い名前を持つ風潮があり、いまでもその影響が残っているという。
ネットを見ると、こんな名前を持つスリランカ人がいた。
「パンディタラトナ ムディヤンセーラーゲ ニメーシカ マドウワンテイ パンディタラトナ」
もはや魔法を生み出す呪文のレベル。
彼の名前もこれほどではないが、日本人の想定を超える長さで、銀行の用紙に記入することは不可能だった。
それで窓口へ行き、「どうしたらいいですか?」と聞くと、行員も困ってしまい、「お待ちください」と言って上の人と相談する。
結果、「当行ではお受けできません」といったことを言われ、却下される。
彼はミドルネームを省略することを提案したが、銀行側は「身分証明書と完全に同じ名前を書かないといけない」というルールを変えることはできないと主張する。そして、用紙の内容を変更することもできないと言う。
彼は口座を開くことはできなかった。
翌日、大学内にある留学生生活支援センターで職員に相談すると、長い名前の外国人でもOKの銀行を紹介しくれて一件落着となった。
彼はスリランカ人だから、「日本人はアタマコンクリですよっ」とは言わなかったが、銀行のルールを守ろうとすると、口座を開設できない現実には納得がいかなかった様子。
令和の日本で、「フルネームで記入してください → 長すぎて無理」という銀行はさすがにおかしいのでは?
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反論できる?「日本人が、外国人の日本料理をインチキと言うな!」
銀行口座は国境を越えてマネーロンダリングや犯罪に利用されるリスクが有りますからね。
気の毒ですが、ミドルネーム省略で身分証と相違があれば本人確認の意を成さなくなります。当該銀行できちんと対応出来ないなら、拒否も致し方無いでしょう。
ちなみに先進国なら、どこも外国人の新規口座開設はハードルが高くなっている筈ですよ。
「頭コンクリ」と言われても、随時例外を許し続けていたら抜け穴を突く方が得となって社会全体での遵法意識が育ちません。
弱者は法遵守社会の方が、権利を護られます。
そんなの、話になりませんね。正式な名前が長すぎて、それを書類に記入することができないって、日本語だけの話じゃないでしょうが。
他国に住むなら、他国の習慣に合せて、より短縮化した正式名と、それを証明する書類を用意するのはその本人が負担すべきことでしょう?
そもそも本国スリランカではどうしてるんですか? どんな場面でもその「本名」を使っているんですか? ばかばかしい。
別の銀行だと口座を作ることができたので、名前の長さについてはそれぞれで対応が違うようです。
不正のないように本名を使おうとしたら、受け入れられないというのはいまの時代に合っていない気がします。
別の銀行では対応できたので、その銀行でもできるでしょう。
ただ、ルールを変えるのが面倒くさいのでしょうが。
もしかしたら、システムの問題かもしれない、システムに文字数制限があるのはよくある話、その改修に金がかかるのも当たり前のはなし。すべては初期の設計の仕様のはなし。
むしろその「対応できた」別の銀行の方が、法令で定められた基準に違反している可能性が高いように思います。昨今、銀行口座の開設にあたり本人証明を厳格にしている理由は、最初のコメントの方が書いている通り、マネーロンダリングなど犯罪に利用する(あるいは本人も知らないうちに利用される)ことを防止するためです。「外国人に対して親切に融通を利かせて」本人証明が不十分な名前をもって銀行口座開設を許可するなんて、金融機関として非常識。
現状、日本含め西側先進諸国でいかに金融犯罪や本人証明偽装犯罪が多発しているか、考えたことがありますか? それに加担する行為になるかもしれないのですよ。
そもそも日本人だって、戸籍上の本名は漢字表記の人が大部分でしょうけど、外国で銀行口座を開設しようと思ったら漢字の名前だけじゃできません。あるいは、パスポート上の名前だって、日本国外に出れば当然アルファベットによる「ローマ字表記」が本名として扱われています。
それどころか、日本国内においてさえ、銀行口座への振込・送金にあたっては口座番号のほかに「カタカナ英数字」がその宛先口座の所有者を表す名前として扱われています。そこに漢字の本名は登場しません。
世の中で、本人証明が必要な何かのシステムを利用したいのであれば、そのシステムが許容する方法で本人証明をするより他に手はありません。
個人が自分のアイデンティティを確保できること、必要に応じてその持ち主本人であることを証明できること、その2点が、今後のデジタル社会を生きていく上で現代人が持つべき必須の能力であるのかもしれません。