今回は、日本に住んでいた経験があって、いまはジョージア州に住んでいるアメリカ人女性の話を紹介しようと思う。
ただ、アメリカはとんでもなく広く、カリフォルニア州だけで日本とだいたい同じ大きさだ。だから、ここでの話は彼女の個人的な経験や意見になる。
ーーおひさぶりです。
だね。
ーー6月に入って、日本では梅雨の時期になりました。
こかから日本人はGとの本格的な戦闘に入ります。
でも、知人のドイツ人は母国でGを見たことがなく、日本に来て初めて見たと言ってました。ドイツにGがいないことはないですけど。
ジョージア州にも雨季があって、Gが出没しますか?
「雨季」って言えるか微妙だけど、6月あたりはわりと雨がふる。
もちろん、ここでもGは出やがるし、日本みたいに店でスプレーや毒のエサなんかも売ってる。
でも、「Gが登場する時期」というのは特になくて、やつらは年中いる感じね。
ーーなるほど。
アメリカ人も「害虫対策グッズ」で武装すると。
ドイツに比べたら、ジョージアの気候は日本に近そうですね。
でも、雨季はイヤなことばかりじゃなくて、ホタルが出たりアジサイが咲いたりするから、それを楽しみにする人もいます。
そっか。
こっちでもアジサイとホタルを見ることができる。私はジョージア州で初めてホタルを見た。
ーー「ホタル」って英語で何だっけ?
「ファイア・フライ(firefly)」でもいいし、「ライトニング・バグ(lightning bug)」でもオッケー。
ーーなるほど。
(蛍の旧字体は「螢」で、2つの火と虫が含まれている。発想はきっと同じだ。)
ーーさっき、ネットで「蛍鑑賞ツアー」を開催する告知があって、参加者を募集しているのを見ました。
アメリカでもそんなツアーがあります?
いや、聞いたことない。
私の場合は家の庭にホタルが出るから、見たくなったらそれを見る。
興味のある人が個人的に、公園とかに行ってホタルを見に行くんじゃないかな。
日本人に比べると、アメリカ人は全体的に虫に興味が無いか、嫌いな人が多いと思う。
ーー世界的に見ればアメリカ人は標準に近くて、日本人が虫を好きすぎると思う。
それで以前、中学校で英語を教えていたアメリカ人女性がドン引きしたんです。
教室でカブトムシを飼っていて、生徒たちはそれを嬉しそうに見ていたけど、「私にとってそれはGと同じ。ホントに気持ち悪かったし、子どもたちの笑顔が信じられなかった…」と言ってました。
まぁ、そういう人もいるかもねー。
日本の各メディアの報道によると、いまアメリカでは、221年ぶりにセミが爆発的に発生しているらしい。
セミの鳴き声が大音量で聞こえてくるから、「最悪だ!」とか「この世の終わり」と嘆く人もいれば、「ハルマゲドン(世界の終わり)」と「セミ」をくっつけて「セミゲドン」と呼ぶ人もいて、耳栓が飛ぶように売れている。
その一方、この機会をビジネス・チャンスと考え、セミの目の色をしたセミビールやセミの形のケーキを販売する店も登場した。
ネットでは、本物のセミを使った料理のレシピも公開されている。
テレ朝ニュース(2024/06/01)
米でセミの大発生始まる 221年ぶり
ギガジンの記事(2024年04月24日)
大量発生したセミがうるさすぎて住民が「この音は何?」と保安官事務所に通報する事態に
ーーことしの夏、アメリカでは1兆匹のセミが登場するという話もあって、いまは大変な状況になっているようですね。
あなたも何かセミ対策をしていますか?
え? アメリカでセミが大量発生してるの??
それは知らなかった。私はセミの声なんて、まだ一度も聞いてないのだけど。
ーーあれ? そうなんです?
日本の報道を見ると、その反応は拍子抜けというか、かなり意外な感じがします。
アメリカではGよりもセミ対策が重要で、あなたも鳴き声に悩まされ、すでに木を2〜3本切り倒したのかと思いました。
それ、セミ対策じゃなくて、病気の治療が必要よね。
アメリカは広いから、私が知らないだけで、そういう地域もあるんでしょ。
ーーってことですね。
日本では「アメリカではいま、ラーメンが大流行です!」みたいな報道が多いけど、そういう情報もけっこう盛られているかも。
それにしても、日本にはセミがめちゃくちゃたくさんいるよね。
私がアメリカでセミの鳴き声を聞いたのは、たぶん一回だけ。
公園を散歩していたら、一匹のセミの声が聞こえてきて、すごく珍しかったから記憶に残っている。
それが日本では、夏になると聞こえない日はなかった。
しかも、いつも大合奏している。
ーーそれが日本の夏の風物詩ですからね。
逆にアメリカで「沈黙の夏」を経験してみたいです。
【格差社会】米国の買い物がベトナム・ポーランドより“安い”件
> 日本の各メディアの報道によると、いまアメリカでは、221年ぶりにセミが爆発的に発生しているらしい。
アメリカ東部には、13年毎に大発生する「13年ゼミ」と、17年毎に大発生する「17年ゼミ」という2種類のセミが生息していて、今年は、13×17=221年ぶりに両方のセミの大発生が重複する年なのだそうです。
ただし、このような「素数ゼミ」が生息しているのは、北アメリカ大陸の東部だけとのこと。カリフォルニアに住んでいるアメリカ人は知らないかもしれませんね。
アメリカは広いですからね〜。
「アメリカ人が知らないアメリカ」はよくありますし、日本人がメディアで知るアメリカは、アメリカのほんの一部ということも多いでしょうね。