まずは下の写真を見てほしい。
登場人物はみんなイスラーム教徒の女性だ。
ヒジャブで髪を隠すインドネシア人女性
目だけは見せるニカーブを着ているイエメン女性
目も隠すブルカ
ブルカ着用する女性はアフガニスタンに多い。
イスラーム教には、女性は体の美しい部分を隠さないといけないという考え方があるから、信者はそれを守る必要がある。
詳しいことはこの記事を。
イエメンの子どもたち
このブルカをめぐって、今ヨーロッパで大きな議論が起きている。
「公共の場所で、イスラーム教徒の女性がブルカを着ることを許可するべきか? それとも法律で禁止するべきか?」
フランスは「治安維持と共生」を理由にブルカの着用を禁止した。
ニューズウィークの記事(2014年7月10日)
ブルカで顔を覆い隠す行為は治安維持や人々の共生を難しくする恐れがあるというフランス政府の主張を認め、着用禁止は思想・良心・信教の自由を侵害していないとの判断を示した。
ブルカ禁止を支持する意外な判決
「ポカリスエット」のアラビア語
体の美しい部分を見せてはいけないから、イスラーム教徒の女性は海水浴の際、手足の先と顔だけが出ている「ブルキニ」という特別な水着を着つける。
フランスでは、基本的な自由を侵害する違法行為に当たるとし、このブルキニの着用も禁止した。
ここ数年、イスラーム過激派によるテロが何回も起きていて、フランス国民が不安になっていることが背景にあるようだ。
ニューズウィーク誌の記事(2016年9月14日)
フランスは現在でもイスラム国によるテロの標的になっており、イスラムを想起させるブルキニは人々に恐怖と不安を与えるというのが、首長たちが抱く禁止の動機である。
【ブルキニ問題】「ライシテの国」フランスは特殊だと切り捨てられるか?
欧米では、過激派によるテロ行為のため、イスラーム教徒を憎悪したり偏見の目で見たりする風潮があり、それを「イスラムフォビア(イスラム恐怖症)」という。
いまのところ、日本では「イスラムフォビア」はほとんど見られないが、今後どうなるかは分からない。
日本に住むムスリムが増えて、摩擦が発生するとこの問題が浮上するかもしれない。
日本にやって来るイスラーム教徒の数が増加していることを受け、社会全体で、イスラーム教徒を受け入れる用意が整いつつある。
それで2017年には、東京駅にイスラーム教徒のための「お祈りスペース」ができた。
個人的には、インドネシア人やバングラデシュ人などのイスラーム教徒とつき合いがあるから、イスラムに対するフォビア(偏見や憎悪)」はない。
でも、彼らとの接点がなく、イスラーム教やムスリムについて分からないと、漠然とした不安を感じる日本人は多いと思う。
これから日本でムスリムの人口が増えていくと、浜松市のように、「イスラーム教徒の子どもが食べられるような給食を出してほしい」といった要望が出てくることもあるだろう。
これを実現するには、かなりの税金が必要になるから難しいが、簡単に拒否することも難しい。
今のヨーロッパは未来の日本なのかもしれない。
ブルカ・ブルキニ・イスラムフォビアといった問題は、これからの日本でもきっと起こる。
イスラーム教徒の人たちとうまく共生できるように、ヨーロッパでの動きは自分たちのこととして、注視していった方がいい。
おまけ
イエメンのレストラン
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