以前、韓国旅行に行ったおばちゃんから、「韓国人のガイドに怒られた」という話を聞いた。
20代の女性ガイドが「韓国のことは何でも聞いてください」と笑顔で言う。
それでそのおばちゃんは、「今でも、韓国では犬食があるんですか?」と無邪気に聞いてみた。
すると韓国人ガイドの表情が一変する。
般若のようになって(本人談)、こう言った。
「そんなことはありません!昔は犬食がありましたけど、今の韓国ではもうなくなりました。そういうことは言わないでください」
「何でも聞いてください」とガイドが言ったから、犬食について聞くと他の客の前で叱られた。
「いつでも来てください」と言ったから、その人のアパートを訪ねて行ったら「なんで来たの?」と言われて部屋の中に入れてくれない。
そんなことがあって、「日本人の言うことは何が本当か分からない」とグチを言っていた香港人がいた。
このおばちゃんも同じ気分だろう。
「韓国人に犬肉の話をしたらダメなんですね」と振り返っていた。
韓国での犬食は韓国人にとっても悩みのタネで、「国としてのブランドイメージが悪くなる」と反対する人もいる。
友人の韓国人(20代男性)はまったく気にしていなくて、「それで生活している人もいますから」と理解をしめす。
20代の韓国人の女の子はこんなことを言っていた。
「犬を食べたことはあります。昔おじいちゃんに、そういう店に連れて行かれて食べました。けっこうおいしかったです。でも、今は絶対に食べません。犬食には反対です」
韓国では、オリンピックやサッカーW杯のような世界的なイベントがおこなわれるとき、いつも犬食が問題になる。
1988年にソウルオリンピックが開かれたときも、欧米から犬食が批判された。
でも、犬食は韓国の食文化の1つだ。
外国から批判されても、政府が国民に犬食を禁止することはできない。
それでソウルオリンピックのときには、外国人観光客の目に触れないように、犬肉のレストランを大通りから裏道に移動させることがあった。
2002年のサッカーW杯のときは、FIFAが韓国に犬食文化をなくすように伝えた。
でも韓国側は、これを拒否。
「犬食は韓国やアジアの国で昔からある文化だ」と主張する。
たび重なる「外圧」によって、犬肉を食べる人は年々減少している。
でも、それが好きな人もいるから、韓国全土にはまだたくさんの料理店がある。
実は違法なんだけど。
ボクは犬肉を食べようとは思わないけれど、韓国の犬食を批判するつもりもない。
どこの国の人が何を食べようと、それはその人たちの自由。
基本的に、外国人が自分の価値観にもとづいて、他国の食文化に口を出すべきではない。
クジラを食べることで日本も欧米から批判を受けるけれど、それは日本の食文化の1つ。
欧米人が禁止することではない。
動物愛護を叫ぶのはいい。
でも、イルカのショーを「動物虐待だ」と叫んで、ショーの最中に飛び込んでショーを中止にさせるのはやり過ぎ。
そのことはこの記事をどうぞ。
和歌山のイルカショーを邪魔したのは、動物愛護のヴィーガンだろ。
自分の考えを主張をすることはいいけど、関係ない人に迷惑をかけてはいけない。
欧米の動物愛護団体は時々そういうことをする。
でも、これは素直にすごいと思う。
AFPの記事(2018年2月6日)から。
動物愛護団体「動物の倫理的扱いを求める人々の会(PETA)」の女性活動家が極寒をものともせず、ほぼ半裸の服装で毛皮を着用しないでと人々に訴えた。
今、韓国で平昌五輪がおこなわれている。
五輪が開始される前から、欧米のメディアが韓国の犬食を問題視していた。
韓国は日本からの抗議には強い。
「韓国政府は日本政府の抗議を一蹴した」とよく韓国紙に書いてある。
でも欧米には弱い。
そこで五輪がおこなわれる平昌では、「犬肉料理はひかえてもらえませんかねえ」とレストラン側に訴えた。
AFPの記事(2018年2月8日)から。
地元当局は平昌郡にある犬肉レストラン12店舗に対し、五輪開催中の犬肉提供を自粛するよう要請し、見返りに助成金の支払いを提示。
「この期間だけ、犬肉はやめてくださいよ」と当局が要請したけれど、これに応じたのは12店のうち2店だけ。
他の10店は当局のお願いを一蹴して、犬肉の提供を続けていた。
AFPの記事によると、韓国では今でも年間100万頭の犬が食べられている。
これほど食べられているとは知らなかった。
これでは期間限定であっても、犬肉料理をなくすことはできないだろう。
日ごろは韓国に厳しい日本のネットユーザーも、韓国に理解をしめす人が多い。
・これについては韓国を支持する。
・そりゃ提供を続けるべきだよ。
・食文化だからな
文句言うな
・文化だしいんじゃね?
・食用としてきちんと管理・飼育していて、屠殺方法もきちんとしてれば良いと思うよ
・イルカ食うのと変わらんよ
先ほどのAFPはフランスの通信社。
イギリス人の友人がフェイスブックで、イギリスのデーリーメール紙の記事(2018/02/06)をシェアしていた。
欧米では韓国の犬食を、文化ではなくて「動物虐待」とみる人が多い。
The trade in dog meat South Korea doesn’t want Olympics tourists to see is exposed at market where they are slaughtered, chopped up and served in bubbling red broth for just $8 a bowl
ソウルオリンピックのときと同じだ。
今回も、韓国側は外国人観光客に犬が解体されている市場を見せたくないらしい。
The dogs are kept in freezing, dark cages until they are slaughtered, their fur burned off and their carcasses are put on display
韓国で食用の犬は解体されるまで、暗くて冷たいオリに入れられているという。
ボクは韓国の犬食を否定しないけど、それでもこの記事の写真を見ると考え直してしまう。
こういう記事が世界に発信されると、韓国は頭をかかえることになる。
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「飢え」が変えた食文化。日本と世界(ドイツ・カンボジア)の例
もちろん犬肉なんか食べてはいけません
それも1つの見方ですね。