まえに、語学学校で日本語を学んでいるベトナム人からこんな質問をされた。
「桜は日本の花ですか?クラスメートの韓国人から、『桜は韓国から日本に伝わった』って聞いたんですよ。桜は日本の花だと思っていましたから、ビックリしました」
マジかよ。
日本でベトナム人に「韓国起源説」かよ。
韓国起源説についてくわしく知りたい人は、下をクリックしてください。
韓国起源説の主な対象は、日本文化と中国文化をはじめ、メソポタミア文明・インカ文明・西洋文明・生態系まで多岐にわたり、有形・無形の文化だけではなく高名な歴史上の人物等のあらゆる分野が対象となっている。
韓国起源説でとくに有名なのが桜。
毎年春になると、韓国メディアが「ソメイヨシノの韓国起源説」を言い出す。
着物、箸、茶道など日本文化には中国由来のものが多い。
日本人がそれを独自に変化させて、日本の文化にしている。
でも、韓国が「起源説」を主張しているせいか、日本人でもルーツの分からない日本文化もある。
たとえばこれは、このブログの昨日の検索キーワードだ。
鯉のぼりを「韓国起源?」と疑っている人がいる。
ちがいますよ。
ルーツは中国ですよ。
中国人・台湾人・香港人ですら分からなくなるほど、日本化されているけれど。
くわしいことはこの記事をどうぞ。
先日、韓国の平昌五輪が終了した。
その平昌五輪では、イギリスを破って銅メダルに輝いたカーリング女子「そだねージャパン」が注目された。
でも、注目されたのは銅メダルだけではない。
競技中のハーフタイムにお菓子などを食べる「もぐもぐタイム」も話題を集めていた。
チームのメンバーが「もぐもぐタイム」で食べた韓国のイチゴがおいしくてビックリしたという。
朝日新聞の記事(2018年2月25日)から。
「もぐもぐタイムで一番私が好きなのは、イチゴ。韓国のイチゴはびっくりするぐらいおいしくてお気に入りでした」。
「韓国のイチゴ、お気に入りでした」銅のLS北見が会見
こんな感じで、この記事はほのぼのした感じで終わっているのだけれど、これを聞いてガッカリした日本人がいる。
なぜなら、この韓国イチゴの「起源」は日本のイチゴかもしれないから。
日本でイチゴの出荷量と販売額が全国1位の県をご存じですか?
それは栃木県。
栃木は日本一のイチゴどころなのですよ。
デイリー新潮の記事(2018年2月27日)には、栃木県農政部の担当者のこんな言葉がのっている。
「残念です! 彼女たちが食べたのは本当に韓国のイチゴだったのでしょうか」
じつは、韓国のイチゴには問題がある。
韓国イチゴには、日本から流出した「日本イチゴ」を起源とするものがとてもたくさんあるから。
去年2017年に、農水省が発表した衝撃的な数字がある。
日本のイチゴが韓国に流出したせいで、日本がこうむった損害は5年間で最大220億円になるという。
くわしいことは「sankeibiz」の記事(2017/06/22)をご覧ください。
農水省によると、韓国のイチゴ栽培面積の9割以上が日本の品種を基に開発した品種。
この記事によると、韓国イチゴのほとんどは、日本イチゴの品種がもとになっている。
カー娘の言う「韓国のイチゴはびっくりするぐらいおいしくてお気に入りでした」のイチゴは、日本から流出したイチゴから生まれた可能性がとても高い。
それで、栃木県農政部の担当者がこうガッカリしたわけだ。
韓国から近い九州産のイチゴかな、などと思っていました。でも、鈴木夕湖選手から『韓国のイチゴ』と明言されてしまって……残念です」
このニュースにはネットでこんな反応がある。
・そりゃびっくりするだろう
種持って行って勝手に生産してんだから
・農協「……お、おぅ。」
・遠回しに嫌み言ってるんだろ
・独島いちごです
・DNAは日本のと一緒だから
・それ日本のイチゴですよ
・この子達は農協の後押しも受けてる
・もし分かってて問題提起した発言だったら神
では、なんで日本のイチゴが韓国に流出してしまったのか?
穴から水が流れ出るような自然現象ではない。
これは、そういう考えを持った人間のしわざだ。
2013年6月10日に、フジテレビの「ニュースジャパン」がこの問題を報じていた。
ある日、西田さんという日本のイチゴ農家を韓国人の男性が訪ねてきた。
その韓国人は西田さんに「イチゴの苗をゆずってほしい」と頼み込む。
西田さんは最初は全く取り合わなかった。だが…
「絶対渡せないと言ったけどなんとかしてくれと拝むようにして、あまりに熱心なもので…」
「あまりに熱心なもので・・・」、この後は分かりますね。
これが「国産イチゴのブランドが韓国に流出 5年間で損失約220億円」につながる。
一方、西田さんからイチゴの苗をゆずってもらった韓国人は「日本よりおいしいよ」と笑顔で話す。
「日本人の考えでやったものだから、私もうかつでした」と西田さんが気づいたときにはもう手遅れだ。
でも、今さらなげいても仕方がない。
「 過ちは繰返しませぬから」という精神で、これからは二度とこういう事態が起こらないように、農水省がしっかりと対策をとってほしい。
そのためには、たくさんの国民にこの「イチゴ流出事件」を知ってもらったほうがいい。
カー娘の言葉で注目が集まったのは結果的にはよかったかもしれない。
斎藤健農林水産大臣の言葉がこんなふうに広く伝えられている。
朝日新聞の記事(2018/03/02)から。
「日本から流出した品種をもとに韓国で交配されたものが主だ」と指摘。日本の優良品種が無断栽培されるのを防ぐために、海外での品種登録などを広げる必要性を訴えた。
韓国イチゴに農水相「日本品種が流出」カーリングで注目
それと、一般の日本人にもすることがある。
桜にしろ日本文化にしろ、日本人も積極的に声を上げたほうがいい。
そうでないと、先ほどのベトナム人のように、何も知らない外国人は「この日本文化は韓国が起源だったのか!」と本気で信じこんでしまうから。
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