「盗作イチゴ騒動」にみる、韓国と日本との考え方の違い

 

普通のイギリス人から見たら、日本人も韓国人も同じような人たちで違いなんて分からない。

前回そんなことを書いた。

イギリス人の友人にそんな話を聞いて、イギリスでの日本の存在感のなさにガッカリしたのだけど、日本でもたぶん似たようなもんだ。

普通の日本人だって、イギリスとフランスの文化や国民性の違いなんて分からないだろう。
そんなことを知らなくても、特に困ることはない。

このことは前回の記事をどうぞ。

イギリス人と香港人から見た「日本人と韓国人の違い」とは?

 

でも日本人から見たら、韓国人の価値観や考え方はやっぱり日本人のものとは違う。

最近も韓国紙の記事を読んで、日本人と韓国人のメンタルの違いを感じた。
今回はそのことを書いていこうと思う。

ただ、これはボクの個人的な感想。
「こんなうらやましいメンタルは日本人にない」とボクは思うけれど、「いや、これなら日本人も変わらない」と思う人もいると思う。

こんな発想と行動が日本人にもあるかどうかは、これから読んで確認してほしい。

 

 

ヤフーに「韓国 イチゴ」と入力して検索すると、こんな画面が出てくる。

 

なんで「韓国イチゴ」には、「盗む」や「パクリ」といった言葉がつながるのか?

これは、韓国のイチゴのほとんどが日本のイチゴの品種からつくられたことによる。

平昌五輪のとき、カーリング日本女子の選手がこんな一言を言って注目を浴びた。

「韓国のイチゴはびっくりするぐらいおいしくてお気に入りでした」

でもこの言葉がきっかけで、韓国イチゴのほとんどは、日本から流出したイチゴによってつくられたことが日本中に知れわたる。
カー娘が「びっくりするぐらいおいしい」と言った韓国イチゴも、そのイチゴである可能性が高い。

 

「流出」と言ってもこの場合は人間による行為で、穴から水が流れ出るような自然なことではない。
農林水産省や日本の新聞は「流出」という無難な言葉を使っているけれど、週刊誌は韓国に遠慮した表現はしない。

例えばデイリー新潮の記事(2018/03/03)では、「盗まれた」と書いてある。

流出といえば穏やかだが、平たくいえば盗まれたのである。

「韓国の盗作イチゴ、日本の被害額は220億円… 農林水産相も指摘」

 

文春は「泥棒」「盗作イチゴ」という表現を使っている。

イチゴ種苗泥棒の真相を追った韓国現地取材の詳細は、3月8日(木)発売の「週刊文春」で報じている。

カーリング娘も食べちゃった“盗作イチゴ”流出元の韓国農家を直撃

 

週プレニュースの記事(2018年03月20日)のタイトルはこれ。

不当な韓国産イチゴで年間40億円以上の損失! 国産フルーツ品種の盗まれ放題な実態

 

さらに言えば、韓国の生産者は日本のイチゴ農家に栽培料を払っていない。

韓国の生産者は日本に対する栽培料の支払いを行わず、知的財産を侵害した上で日本に逆輸入させた。いずれも韓国の一部の生産者に許諾が与えられたものが、無断で増殖されたものである

日本製イチゴ新品種の無断栽培問題

 

日本のイチゴ農家の気分としては、「流出した」よりも「盗まれた」の方が正しいだろう。

農林水産省の発表では、日本のイチゴが韓国に流出したことで結果的に日本が受けた被害は、5年間で最大220億円になる。

デイリー新潮の記事「韓国の盗作イチゴ、日本の被害額は220億円… 農林水産相も指摘」というのはそのことを指す。

 

ここで考えてほしいのだけど、もしこれが逆の立場だったらどうか?

韓国のイチゴが日本に流出して、それをもとに日本人がイチゴをつくる。
そのことによって韓国側が220億円の被害を受けたとする。
韓国メディアは、「盗んだ」「泥棒」「盗作イチゴ」と日本を非難する。

それはウソではなくて、日本側は韓国にそう言われても仕方のないことをしたとする。

こんな場合、日本人だったらどうするか?

 

 

最近、中央日報にこんな記事(2018年03月28日)があった。

日本代表も惚れた、大韓民国「イチゴ独立」成功記

 

「日本代表も惚れた」というのは、カーリング日本女子の選手が「韓国のイチゴはびっくりするぐらいおいしくてお気に入りでした」と言ったことをいう。

記事には、韓国のイチゴについてこう書いてある。

品種別では雪香(ソルヒャン)が83.6%、梅香(メヒャン)が3.3%、竹香(チュクヒャン)が5%、サンタが1.5%などだ。外国品種は日本の章姫が4.8%、レッドパールが1.0%などだ。

 

「雪香(ソルヒャン)」は、日本のイチゴ「レッドパール」と「章姫」を交配させたつくったイチゴ。
「梅香(メヒャン)」も同じく、日本のイチゴ「栃の峰」と「章姫」を交配させてつくったイチゴ。

つまり雪香も梅香も、日本から流出したイチゴからできている。

 

日本のメディアが「不当な」「盗んだ」「盗作イチゴ」と非難したイチゴを、韓国紙は「大韓民国『イチゴ独立』成功記」と表現する。

こんなメンタルは、日本人にはないだろう。

この韓国紙の記事には、ネットもあきれ返っている。

・盗んだのばれてもこんな記事書くんだなw
・だから韓国は嫌われる。
・法的措置は取れないの?
・あー来ると思った。
・何が惚れただボケ
・よくもこんな記事を恥ずかしげもなく書けるもんだ
・残念だが安いんだったら韓国の買うわ
・厚顔無恥とはこのことだな
・日本から盗んで置いて、誇らしげに成功を自慢する
・盗んだことが明白なのに認めて謝るどころか開き直って自慢するという
・カー娘のおかげで韓国のイチゴ泥棒が日本中に広まったよw

 

日本の新聞だったら、韓国から流出したイチゴで「日本『イチゴ独立』成功記」なんて記事は書かないだろう。
少なくとも、開き直って誇らし気な記事を書くことはない。

ここまで大胆になれると、何かうらやましい。

 

 

「韓国らしいな」と思うのは、これだけではない。

日本から流出したイチゴで韓国イチゴをつくったことは「成功記」と書く。
その一方で、韓国の技術が中国に流出することには、すごく警戒している。

「大韓民国『イチゴ独立』成功記」という記事の前日には、同じ中央日報にこんな記事(2018年03月27日)があった。

韓国の技術の流出が中国の関連産業発展につながるケースが少なからず発生し、警戒心が高まっている。

特定の産業をリードする国内企業の技術の流出防止と共に、海外に進出した韓国企業の技術流出防止努力が求められる時だ。

中国に流出した韓国の国家核心技術は12件

 

いっそのこと中国紙は韓国から流出した技術をもとに、「中華人民共和国『~独立』成功記」という記事を書いてほしい。

そうしたら、韓国人と日本人が少しは分かり合えるような気がする。

 

 

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3 件のコメント

  • 韓国人の反応がイマイチわかりません。日本の苺と苺を掛け合わせて韓国苺としている実態や練乳などをつけなくては酸っぱ過ぎた時代から品種改良してきた日本の農家の努力を知らないだけの場合もあるのでは。ソメイヨシノの起源主張もマスメディアによる扇動の部分もありそうですから。あと浜松市で水道事業の海外企業への委託が決まったようですが市民の反応は如何でしょうか?

  • 私も韓国全体の反応はよく分かりません。
    韓国語で書かれた記事が読めませんので。
    でも、「日本に悪いことをした」という意識はないでしょう。

    メディアがあおっている部分はあると思います。
    その方が記事が読まれますし。

    水道事業のことは初めて知りました。
    そんなことがあったのですか。
    浜松市民はあまり知らないと思います。
    実際に始まって何かあったら、それなりの反応があるでしょうね。

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。