ベトナムの伝統アオザイ+日本のかわいい文化=世界的ヒット

 

きょうの話はベトナム人から見た日本ですよ。

東南アジアの親日国、ベトナムからきた人は日本についてどんな印象を持ったのか?
*まあ東南アジアに“反日国”なんてないのだけど。

今回は女性の視点からそれを見ていこう。

でもその前に、まずはベトナムについて簡単に知っておきませう。

面積:32万9,241平方キロメートル
人口:約9,467万人(2018年)
首都:ハノイ
民族:キン族(越人)約86%,他に53の少数民族
言語:ベトナム語
宗教:仏教,カトリック,カオダイ教他

以上の数字は外務省ホームページ ベトナム社会主義共和国(Socialist Republic of Viet Nam)基礎データ から。

 

 

ベトナムも以前は日本と同じように漢字を使っていた。
だから国名は「越南」、ハノイ市は「河内市」と漢字で表記することもできる。

さいきん日本で知り合った北部出身の女性も、漢字という日越の共通点に親しみを感じたと言う。
ベトナム語には中国語に由来する言葉(漢越語)がある。
「国語」をあらわすChữ Quốc(クオック・グー)や「文化」をあらわすvăn hóa(ヴァン ホア)なんかは元は日本語と同じだから発音も似ている。

 

さて、そのベトナム人女性から見た日本とベトナムの違いは「かわいい文化の有無」。
日本の街にはいろんなところに「かわいい」があるけど、ベトナムではほぼ皆無。

たとえば道路工事で使うこんな道具はベトナムではありえないと言う。

 

その女性の考えでは、ベトナムは社会主義の国だから、もともと人を楽しませようとするサービスの意識が低い。
「家康くん」のようなゆるキャラを作るという発想なんて出てこない。

日本はこの逆で「やりすぎ」という批判があるほど、おもてなしの精神は世界から評価されている。
お土産や小物はかわいくて好きだけど、それを何度も包む過剰包装は嫌という欧米人はけっこう多い。

でもかわいいはグローバルな正義で、これに関心のない人はいたけど、カワイイ文化を嫌う外国人には会ったことがない。
このベトナム人もそれがベトナムと日本の大きな違いと指摘する。

 

ベトナムといえば「アオザイ」と呼ばれるこんな伝統衣装が有名。

アオザイとは「長い服」という意味で、チャイナドレスの影響を受けてベトナム人によって考案された。

 

ベトナムではこれが高校生の制服になっているから、ベトナムを旅行中、これを着て自転車に乗っている女子高生を何回も見かけた。

本当かどうか知らないけど、これが目的で、カメラを持って高校の前で待機している日本人が何人もいるという話を聞いたことがある。特に雨の日に多いらしい。
どうかまとめて捕まりますように。

ベトナムでは最近、『サイゴン・クチュール』という映画が国の内外でヒットして、世界で「アオザイ旋風」を巻き起こしたという。

この映画を生み出した女性監督グエン・ケイ氏は映画ライターの水上賢治氏とのインタビューで、作品のヒントは日本の「かわいい」だったと話す。

「とにかく若い世代、とりわけ女性にみてもらえる魅力的な物語にしようと思いました。そして、アオザイの魅力をもっとアピールしたかったので、ファッションにはこだわりました。カラフルでキャッチ―で目でみるだけで楽しく、そして『kawaii』映画になったと思っています」

アオザイ旋風を起こしたベトナム発のファッション映画。日本のカワイイ文化がヒントに!

 

グエン監督はNHKの情報番組「東京カワイイ★TV」の「kawaii project」に参加していた経験があって、今回の映画製作ではそのときに学んだことを生かすことができた。
「かわいい」をコンセプトにした作品はベトナムではほとんどなかったから、観客の目にこれがすごく新鮮に映る。
アメリカ、イギリス、日本で映像の仕事をしてきたグエン監督は世界中の若者の感覚についてこう話す。

「香港だろうと中国だろうと、ベトナムだろうと、アメリカだろうと、ヨーロッパだろうと、みんな『かわいいもの』は好きなんですね。それは変わらないんです。

 

まったくその通りで、日本の「かわいい文化」はいま世界の注目を浴びている。
ベトナムの伝統と日本人のセンスが融合されて、『サイゴン・クチュール』という新しい映画が生まれた。
新宿K’s cinemaで公開中ということだから、時間とベトナムに関心のある人はぜひどうぞ。

 



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ABOUTこの記事をかいた人

今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。