日本を訪れる外国人の数は2018年に史上最高の3000万人を突破して、2019年には3,188万人と過去最高を記録した。
外国人が旅行で消費してくれた額も4兆8,113億円とこれまた過去最高。
いま海外で日本旅行の人気はきわめて高し。
世界経済フォーラム(WEF)が発表した「2019年版 旅行・観光競争力ランキング」によると日本は世界で4位だ。
日本の何が評価されたかはこの記事をどうぞ。
日本でアニメというと単にアニメーションを省略したものだけど、世界でアニメと言えばそれは日本や日本風のアニメーションを指す。
日本以外の例えばディズニーなどのアニメが「アニメーション」と言われている。
日本のアニメはそれほど絵やストーリーが独特なのだ。
くわしいことはこの記事をどうぞ。
さて、外国人が飛行機や船で東洋の島国へ来る理由はなにか?
本場の日本料理を味わうことが目的の人もいるし、神社やお城などの日本独特の歴史や文化を見てまわる人もいる。
でもそれは前からあった傾向でいまやふつう。
最近では日本のアニメで見たシーンの実物を見てまわる「聖地巡礼」が日本旅行の大きな目的になる場合もあるのだ。
さっき書いたけど2018年の訪日外国人の数は3119万人で、日本を旅行中にアニメなどのポップカルチャーを楽しんだという人は約13%いる。
日本のアニメが外国人に大きな影響を持っていることがわかる。
まえに日本を旅行中の20代の台湾人女性2人を、京都から浜松まで車に乗せてきたことがあった。
あとからその台湾人のSNSを見たら、「濱松是小丸子的家鄉XD」と書いてある。
「小丸子」はちびまる子ちゃんのことだから、「浜松はちびまる子の故郷です」といった意味だ。
*「XD」は目と口で笑顔を表している。台湾人はSNSでよくこれを使う。
丸子ちゃんの故郷は浜松じゃなくて清水だから、これはかん違いなのだけど、ちびまる子ちゃんの舞台となったところに行くというのはかなり気分が上がるらしい。
そんな外国人はもうミディアムでもレアでもない。
日テレニュース24(1/22)
外国人に大人気!各地でアニメの聖地巡礼
この放送ではアニメ「ラブライブ!」のファンの間では聖地になっている東京の神田明神を取り上げて、ここに集う外国人にインタビューしてその熱い思いを紹介している。
ボクは「ラブライブ!」を見たことがないからよく知らないけど、9人の女子高校がアイドルグループを作って学校を救う物語らしい。その中のメンバーの1人が神田明神でアルバイトをしていたり、ここがよく登場することでラブライバーの聖地となっているとか。
放送では神田明神の御朱印をもらうオーストリア人が登場する。
その人が持っている御朱印帳のデザインはもちろん「ラブライブ!」。
土産物ではキャラクターがデザインされた「ラブライブ!カステラ饅頭」が外国人に人気で、販売されると同時にアメリカ人や台湾人が買い求めている。
中身があんこではなくて、チョコレートというのは外国人に配慮したものなのか?
中にはキャラクターのステッカーが1枚入っている。
全員が集まったステッカーはないから、すべてのキャラクターが欲しかったら、最低でも9個(8100円)買わないといけない。
「ステッカーは9種類あって、全部集めると幸せになれるんだ」と笑顔を浮かべるフランス人は洗脳されてないか不安。
でも、ファンっていうのはそういうものか。
スナック菓子やCD販売でもそうだけど、日本にはこんな商売が多いから外国人がどう思うか気になるところ。
やり方が嫌いでも日本を嫌いにならないでほしい。
「ラブライブ!」ではアイドルになるための特訓で、女子高生が神田明神に行く石段(明神男坂)をダッシュで昇るシーンがある。
上のテレビ番組ではチェコ人がそこの場に立って「すばらしい」と感激しているし、アニメと実際の風景が全く同じということでフランス人が感動する。
アニメと同じように、その階段を駆け上る外国人もいた。
【再入荷のお知らせ】
ラブライブ!×神田明神 かすてらまんじゅう
が本日再入荷致しました
中にはチョコレートクリームがたっぷり
μ’sのステッカーもランダムで1枚入ってます
神田明神参拝のお土産にいかがですか#神田明神 #ラブライブ pic.twitter.com/6KGFSFS6lS— 神田明神物販所情報 (@CrocoMD) November 3, 2018
ラブライブ!と同じく女子高生がキャラクターのアニメ「たまゆら」は広島県竹原市を舞台にしている。
ここは古い日本の街並みが残る観光地で、こんな建物や風景を見ることができるのだ。
「たまゆら」を抜きにしてもここには行ってみたいけど、浜松からは遠すぎる。
くわしいことは公式ホームページへGO。
聖地巡礼のおすすめコースを見るとアニメとリアルが本当にそっくり。
明神男坂で「すばらしい」と感激したチェコ人の気持ちがよくわかる。
テレビ番組では、英語の聖地巡礼マップを手にしてここを歩く中国観光客がいた。
さて、外国人の「聖地巡礼」に日本人の反応は?
・江ノ電の踏切のところ
相変わらず写真撮ってるよな
・江の島近辺は訪れれば一気に数十のアニメの聖地を巡礼したことになるマニ車のような場所
・四ッ谷にある須賀神社も未だに巡礼してる外国人がいるわ
・聖地巡礼、何が面白いかと思ったが意外と面白い
・こういう外人のほうが最近のアニメに詳しいのが悔しい。いや、悔しくないけど。
アニメで見たシーンを訪れる「聖地巡礼」は日本料理ほどじゃないけど、日本人にも外国人にも人気がある。
つまり、こういう価値観は世界に通じるということだ。
ボクはアニメの聖地巡礼をしたことがないけど、「ゆるキャン△」で浜松の街並みを見たときはやっぱり「おっ!」とうれしくなった。
まえにドイツ人を湖西市にある関所の史料館へ連れて行ったとき、こんな浮世絵を見て「アニメのミス・ホクサイでこんな絵がありました!」とよろこんでいた。
大井川は江戸時代、橋をかけることができなかったから、こうして旅行者をかついで運んでいた。
ボクには、そういえばそんなアニメもあったような?という程度だったけど、欧米で「ミス・ホクサイ」はわりと有名らしい。
2015年5月9日公開。アヌシー国際アニメーション映画祭の長編アニメーション部門で審査員賞を受賞するなど、複数の賞を受賞。
アニメで見た浮世絵とほぼ同じだったことで、ドイツ人が感激して「ミス・ホクサイ」の魅力を語っていたけど、いまはすべて忘れてしまった。
でも意外だったのは、彼が葛飾北斎をアニメのキャラクターと思っていたこと。
江戸時代に実在した人物と知ったときに「え!」と驚く彼に驚いた。
そんなドイツ人を後日、上の大井川へ連れて行った。
ここには「世界一長い木造の橋」(蓬莱橋)があるから、それが目当てだったけど、このときあの浮世絵を思い出す。
ここがあの絵の舞台となった川だと教えると、「えっ、ここがあの‥」とドイツ人はまた感動する。
聖地巡礼までしなくても、こういう気持ちは台湾人にもドイツ人にも世界中の人にある。
「ノージャパン運動」があっても、日本に来て聖地巡礼をしていた韓国人もいた。
日本のアニメはいま世界でどんどん広がっていって、いろんな可能性も生まれている。
でも業界の待遇はかなり厳しいので、みなさんもぜひお金を出してアニメを見てください。
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ハリウッド映画アニメーションの最新作(例えば、最新版ライオン・キング)を見ていて思うことは、彼らのアニメーションは、動かす絵をいかに現実へ近づけられるかという「リアルさ」の追求路線にあるということです。SFアクション映画などに多用されるCGでも、既に現実とほとんど区別できない領域にまで達しています。つまり2次元絵画からスタートして3次元モデルへ、パラパラ漫画から実映像のようになめらかな時間・空間表現へと、(コンピューターを利用しながら)方向的に究極のリアルさを追求しているのが米国アニメーションであると思います。
これに対し、日本のアニメは、たまには3D-CGを使うこともありますけど、主たる基本路線はあくまで2次元の「絵」を使っていて、その絵としての美しさを追求した作品が多いです。動きのあるシーンでは必ずしも実写を模倣した動作ばかりでなく、停止したり、スローモーションだったり、誇張した表現をしたりと、マンガ的な表現が多用されています。これはある意味、浮世絵や歌舞伎の伝統が、マンガ・劇画を経由しつつ、現在のアニメまで脈々と受け継がれているゆえのことでは。
そこまで最近の海外アニメは見ていませんでした。
なるほど。そこまでリアルを追及しているのですね。
アニメ「SHIROBAKO」で2次元の絵を描くアニメーターと3次元CGかくで絵を描くクリエーターとの確執がありました。
日本では二次元の絵に職人魂を持っている人が多い気がします。