もうなくなったと思うけど、ちょっと前までこんな鏡餅(かがみもち)があった家庭も多かったのでは。
これは神さま仏さまにお供えする正月飾りで、「年神さま」のより代である。
新年を迎える大事な日本の伝統文化だ。
ということがよく分からなかったせいか、あるアメリカ人は上の鏡餅を「A box of balls」と表現していた。
ボールの箱?
辞書で鏡餅は「round rice cake」と書いてある。
「A box of balls」が何のことかよく分からないけど、今回は英語のそんな日本語と英語の話。
きのう、冬の浜松はじつはロシア(のペテルブルグ)なみに寒いという記事を書いた。
このときに挿入しようとしたけど、わりと長くなってしまった話をこれから書こう。
気温は英語で「temperature」(テンプラチャー)という。
そして「~度」の度は「degree」(デグリー) 。
ではここでクエスチョン。
日本で使う摂氏は「celsius」(セルシウス)、ではアメリカで使う華氏は英語で何というでしょう?
答えは「Fahrenheit」(ファーレンハイト)
銀河英雄伝説のファンなら、「よろしい、本懐である」の言葉が頭に浮かぶはず。
ファーレンハイトというドイツの学者が1724年に提唱したことから、「華氏」(ファーレンハイト)と命名された。
ではつづいて質問。
「体感温度」を英語で何というでしょう?
答えは「ボディ・フィール・ テンプラチャー」。
というのは、前にイギリス人と話しているときに「体感温度」の英語を知らなくて、その場でボクがつくったインスタント英語。
「A box of balls」みたいなものか。
もちろこれはデタラメで、「それならwindchillですね」とイギリス人から教えてもらった。
辞書でwindchillの読み方を見ると「ウィンドチル」と書いてあるけど、ボクが耳で聞いた発音は「ウィンドチリ」だった。
空気が肌に触れると熱が奪われる。
失われた体表の熱を計算して得られる数値がwindchill(体感温度)になる。
これは主にカナダやアメリカで凍傷予防の目安として使われる。
本日のまとめ
気温は英語で「temperature」、「~度」は「degree」 。
摂氏は「celsius」で、華氏は「Fahrenheit」。
そして体感温度は「A box of balls」だ。
じゃなくて、windchillでしたね。
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そのアメリカ人が何をもって「A box of balls」と言ったのか分かりませんが、もしかすると、鏡餅を飾り付けた状態ではなく、鏡餅にする丸餅を箱に入れて販売している状態(たいていは一部がビニールを貼った透明になっている箱、そこから丸餅が入っているのが見える)のことを「ボール入りの箱」と言ったのかもしれません。
英語版Wikipediaによると、Windchillと一つの単語にするよりも、Wind chill factor あるいは Wind chill index のような言い方の方がポピュラーみたいですね。物理的な現象である気温(セルシウス温度)に比べて、風速・湿度の影響により「body temperatureがどの程度低く感じられるか」という感覚的な温度差のことを言うみたいです。
「box」が何か気になってはいました。
あの短い言葉には長い背景があったかもれません。
辞書では「Wind chill factor」といった言い方があってそちらが正式名称ではないかと思います。
わたしがイギリス人から聞いた音は「Windchill」で、ネットでみるとこの言い方も多いです。
間違いではなくて覚えやすいから、まあこの表記でいいかなと。