バウムクーヘンの“起源”、リトアニアのお菓子シャコティス

 

本日3月4日は「バームクーヘンの日」。
きのうは中国文化に由来する「ひな祭り」できょうはドイツのお菓子の日とか、日本は本当に国際色ゆたかな国だ。

日本でバームクーヘンが作られたことについてはこの記事を見てもらうして、今回はその起源とも言われる「Šakotis」について書いていこう。

3月4日はバームクーヘンの日!ドイツ人ユーハイムと日本の関係

 

さて、Šakotis(シャコティス)はどこの言葉が分かりますか?
これは東ヨーロッパの国・リトアニアの言葉。
日本発祥のカニカマを世界でいちばんたくさん作る国だ。

日本発祥の「カニカマ」海外へ。世界一の生産・消費国はどこ?

 

 

リトアニア基本情報

・面積は65,300km²でほぼ宮崎県(653.4km²)と同じ。
・人口は281万人で、青森市(288万人)のチョイ下。
・首都は「ビリニュス」で、これを知ってる日本人はきっと5%以下。

日本との関係でいえば、杉原千畝が6000人のユダヤ人を救った「命のビザ」を書いたのはリトアニアだ。
まあ現地で杉原は無名だけど。

 

 

ドイツ語のバウム(木)とクーヘン(ケーキ)を組み合わせたバウムクーヘンとは「木のお菓子」という意味で、このデザインは木の断面をあらわす。
年輪を重ねるところから、ドイツでは誕生日の祝いで食べられることもあるという。
でも、日本人のほうがバウムクーヘンをよく食べるというウワサだ。

このお菓子の起源になったとも言われるのが、このリトアニアのお菓子「シャコティス」。

 

無数の木の枝を表現している。

 

これはリトアニアの代表的なお菓子だけど、「センカチュ」(sękacz)というポーランドを代表するお菓子でもある。
というのはこのふたつは昔は同じ国だったから。
くわしく知りたい人はここをクリックだ。

ポーランド・リトアニア共和国

英語版ウィキペディアには「a Polish-Lithuanian traditional spit cake」と、ポーランドとリトアニアの伝統的なお菓子と書いてある。

 

日本で応仁の乱が起きた14世紀、ポーランド王国とリトアニア大公国がくっついて(クレヴォの合同)、リトアニア出身とされる王がポーランドの女王と結婚した。
その披露宴で振る舞われたのがシャコティスで、そのあとポーランド・リトアニアで有名になったという。

いまではリトアニア国民に広く愛されるお菓子で、2006年に「カフェ・ヨーロッパ」というイベントが開かれたときには、リトアニアを代表する菓子としてシャコティスが出品された。

知人のリトアニア人にメールで聞いてみたら、「Actually it is pretty hard to make」とこのお菓子を作るのはメチャクチャ大変という。
そしてリトアニアでシャコティスは、クリスマスのときや古風な結婚式でよく食べられるらしい。

「Mostly, in Lithuania, if I’m correct, this baumkuchen is popular on Christmas holiday, or other occasions like wedding (if it’s old style wedding), etc. But in markets you can see lots of them mostly on Christmas period.」

 

花をそえたシャコティス

 

くわしいことはこれを見てくれ、とリトアニア人が送ってきた動画を見てくれ。

 

作り方がトルコのケバブに似ている。

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。