もはやテロの「コロナばらまき男」。守るべき人権はなに?

 

上の写真は愛知県の蒲郡市にある竹島。
島根県のあって日韓でもめてる竹島じゃなくて、ここはいつでも誰でも行ける観光スポットで、潮干狩りでも有名なところ。

この小さな都市に巨大なバカが現れて、いま大騒ぎになっている。
新型コロナウイルスに感染していることが判明して、自宅待機を指示された50代の男がコッソリとコンビニに買い物へ出かけたことがわかった。
という程度ならいいのだけど、陽性反応があったこの男は「コロナウイルスをうつしてやる」と家族に言って、蒲郡市内の2つの飲食店に行って飲食を楽しみやがった。

店のオーナーの話ではこの客は「コロナ菌をお前らにうつしてやる」と言ったから、不安になって警察を呼んだという。
いまのところこの男が捕まったという話は聞かないけど、海外ならきっと逮捕案件だ。
日本がやさしくてよかったな。
蒲郡市としては「自宅待機の状態が守られず、市民に感染の危険があったということは大変遺憾」というのがやっとかもしれないけど、「遺憾」じゃいかんだろ。

世の中には善人と普通の人とクレイジーがいるのだから、こうなると自宅待機の間はGPSで行動を確認することも必要では。

ネットを見ると、これにはさすがに擁護ゼロだ。

・ウイルスをばらまく?
兵器と変わらないですね テロリストとして処分してください
・自爆テロだな
・その場に居合わせた人が感染したらどうなるんだろ。傷害罪には問えなきゃこの国はもうおかしい
・国民の敵だろこいつは
・公表すべきは店名じゃなく、このバカの実名だろ

 

イタリアでは故意にHIVウイルスを感染させた男に禁錮24年の判決がでている。
くわしいことはこの記事を。

実在した“エイズばらまき男”/都市伝説のエイズ・メアリー

 

事件発覚後、飲食店を消毒して濃厚接触者をすべて特定して自宅待機を要請してから、蒲郡市が市民に安心してもらうよう会見をひらいた。
「コロナ対策はしっかりやりましたよ。もう大丈夫ですよ」ということを伝えたかったのだけど、男が訪れた店名を公表しなかったことなどから、市民の間では逆に不安が広がりまくり。
ネットでは店の特定が進められている。
無関係なのに巻き込まれて、風評被害をうける店もあるはずだ。

いろんな事情があったとしても、限定公開は疑心暗鬼を生んで不安や怒りにかわる。
蒲郡市には「店名を公表すべき」「市が持っている情報は全て開示すべき」といった抗議が殺到して、なかには「なぜ男が酒を飲みに行くのを許したんだ」「どうして男性を縛っておかなかったのか」「せめて監視の人間を男の自宅に置いておくべきだった」といったかなり無茶な要求もあったという。
店の名前を知らない広報の職員はいまごろストレスマックスだ。

 

冒頭の竹島は島全体がご神体で、中には神社がある。
浜松から1時間ちょっとで行ける距離だから外国人をよくここに連れて行くけど、日本の文化や神道の考え方も理解できるからたいていの人はよろこぶ。

「コロナばらまき男」が破壊したものは本当に大きい。
それにこれは、守るべき人権は何なのかを考えないといけない出来事だ。
非常事態に性善説でもって対応すると、結果として多くの人が犠牲になる。
GPSは無理だとしても、外出したら刑事罰に問うことは可能にして、それを当事者に確認させることぐらいはしてもいい。
市民に恐怖をばらまいたこの男は何の責任もとっていない。

 

 

 

こちらの記事もいかがですか?

【思わぬ文明開化】東京で“はだし禁止令”が出された理由

明治5年、鉄道の登場! 列車に驚き、「ひれ伏す」日

日本人「外国人は汚れている!」② イギリス王子にお祓い・神風連の乱

「アジアの光」日本② アジアの歴史教科書から見た日露戦争

 

 

 

5 件のコメント

  • 感染症に罹患していることを知りながら故意により感染拡大の危険性を伴う行為を行った場合ですが、過去の判例を少し調べてみると昭和27年の最高裁判決で、傷害罪を適用し有罪とした例がありました。
    この判例では、淋病に罹患していることを知りながら性交性を行い相手に感染させたとして、「傷害罪が他人の身体の生理的機能を毀損するものである以上、その手段を問わない」という最高裁の解釈のもと有罪とした様です。
    今回の例では新たな感染者が出た際に、件の男性が感染経路と特定された場合、傷害罪が適用される可能性があります。
    また、感染の危険性に対する不安から生じる精神的苦痛、飲食店に対する風評被害から生じる損害等について、民事訴訟を行えば損害賠償判決を下せる可能性もあります。
    地元住民の泣き寝入りや今後の類似案件発生を防ぐためにも、法整備を進めるとともに、既存の法令等でも男性に責任を取らせるよう、司法の毅然とした対応を願いたいです。

  • 先程投稿したコメントに誤字がありましたので申し訳ございませんが修正した物を再投稿させていただきます。
    以下本文

    感染症に罹患していることを知りながら故意により感染拡大の危険性を伴う行為を行った場合ですが、過去の判例を少し調べてみると昭和27年の最高裁判決で、傷害罪を適用し有罪とした例がありました。
    この判例では、淋病に罹患していることを知りながら性交渉を行い相手に感染させたとして、「傷害罪が他人の身体の生理的機能を毀損するものである以上、その手段を問わない」という最高裁の解釈のもと有罪とした様です。
    今回の例では新たな感染者が出た際に、件の男性が感染経路と特定された場合、傷害罪が適用される可能性があります。
    また、感染の危険性に対する不安から生じる精神的苦痛、飲食店に対する風評被害から生じる損害等について、民事訴訟を行えば損害賠償判決を下せる可能性もあります。
    地元住民の泣き寝入りや今後の類似案件発生を防ぐためにも、法整備を進めるとともに、既存の法令等でも男性に責任を取らせるよう、司法の毅然とした対応を願いたいです。

  • あっはっはー、ブログ主さんが「コロナウィルスばらまき男を処罰せよ!」と主張されるとは、意外でしたね。
    欧米、特にヨーロッパに行くと、「マスクをしている東洋人は、コロナウィルス感染者に違いない!」という理由で、非難されたり、罵られたり、時には暴行を受けたりすることも当然なのですが。それを「そんな話は聞いたことがない」と否定したのは、ブログ主さんではなかったのですか?
    海外へ出かける(必要のある)日本人はまだ多いと思いますが、マスクをするかどうかは、その国の街の状況をよく見てからにした方がいいと思いますよ。「郷に入っては郷に従え」これが基本です。

  • 昭和27年の最高裁判決の件はこのコメントからわたしも初めて知りました。
    まあこれは犯罪行為ですよね。
    今後のためにもこの男に適用してほしいです。

  • いまもそんな話は聞いたことがありません。
    感染予防でマスクをする人と陽性反応がでて意図的にばらまく人間とはまったく別だと思いますよ。

  • コメントを残す

    ABOUTこの記事をかいた人

    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。