ゴボウは日本の食文化。
ゴボウを日常的、全国的に食べているのは世界で日本人だけだ。
欧米人にとっては「まるで木の枝」「根っこみたい」と言うこともあるほど、この食材は世界的にはレア。
そんな食文化の違いが思わぬ不幸を招くこともある。
太平洋戦争のとき、捕虜となっていたアメリカ人やオーストラリア人に食事としてゴボウを出したところ(日本人にとってはむしろ善意)、戦後彼らから「虐待を受けた!」という主張がでてきて、裁判で有罪判決をくらった日本人がいた。
懲役5年の刑を受けたという人もいれば、これが理由のひとつとなって処刑された日本人もいるのだ。
くわしいことはこの記事を。
さいきんも韓国とアメリカの食文化の違いから、とんでもない悲劇がおきた。
中央日報の記事(2020.03.13)
米国で韓国産エノキタケによる食中毒、韓国農林畜産食品部「サラダで食べる食文化の違いのため」
アメリカメディアの報道によると、韓国から輸入されたエノキタケを食べたことで32人が中毒症状を見せて、4人が亡くなった。
この商品名は「ENOKI MUSHROOMS」ということだから、日本産とかん違いする人がいないといいのだけど。
この原因を韓国政府は「食文化の違い」と指摘。
「韓国ではエノキタケを洗浄した後加熱料理するが、米国は火を通さずにサラダの形で食べるなど食文化が違って食中毒が発生したと推定される」と説明した。
今回の事態を引き起こしたとみられる「リステリア菌」は、70度以上で10分間加熱すれば死滅するという。 それで韓国側は、「エノキタケを煮て食べれば食中毒を予防することができる」と話したとか。
でもそうなると、これは命に係わる重大事だから、韓国側には「加熱処理する必要がある」という説明を消費者へ確実に伝える責任がでてくるのでは?
それに中毒症状を見せた人たちがサラダのように生で食べたのか分からないし、この説明では、責任は提供した側ではなくて消費する側にあったように聞こえてしまう。
まあ日本に対してはいつもこんなんだけど。
また韓国政府は国内の生食野菜類については、「リステリア菌など食中毒菌を検査して問題がある場合、衛生管理を強化して回収・廃棄するなど管理に徹底している」とアピールする。
でもアメリカの疾病予防管理センター(CDC)は韓国産エノキタケを食べないよう警告し、米国食品医薬局(FDA)はすべての韓国産エノキタケの回収を命じた。
この話には続きがある。
このあと韓国側が“よく調べてみたら”、国内のエノキタケから食中毒菌が検出されて状況がかわる。
中央日報の記事(2020.03.19)
当初「エノキタケをサラダですぐに食べる米国の食文化」を事故の原因として推定した韓国政府は韓国産エノキタケから食中毒菌が検出することで韓国産エノキタケの生産・流通過程での衛生管理を強化することにした。
エノキタケ輸出の韓国会社2社、食中毒菌検出
そうか。
これまで行っていた徹底した管理を、これからさらに強化するというワケだな。
じゃあ、これでもう安心だ。ってなるか!
これははじめからしておくべきことで、「食文化の違い」からどんどん離れていってる。
価値観や考え方の違いでは?
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エノキタケに限らずです。原則として、見知らぬキノコはたとえ加熱したって気楽に食べるべきではないし、ましてや生食なんて問題外です。(それも韓国産とは!)
キノコは専門家でもなかなか見分けがつかない難しい食べ物です。一筋縄ではいきませんよ。日本でも毎年のように、毒キノコを食用キノコと取り違えて亡くなる人がいます。この全世界に存在するキノコやカビ類のうち、ちゃんと分類されて名前がついているものは、全体の半分以下に過ぎないのだとか。真菌類(キノコ及びカビ類)は、その全体を植物に分類するのが正しいのかどうかさえ、未だよく分かっていない生物なんです。
キノコを食べる場合は、その「実績」について十分に調べてからにすることをお薦めします。
ちなみに私はなめ茸の瓶詰めが好物です。
ネットで見るとアメリカではキノコを生で食べる習慣があるようです。
日本人がサラダバーで生キノコがあったと驚いていました。
フグもそうですが、命の危険を冒しても食べたいものがあるでしょうかね。