日本統治を受けた韓国と台湾のいま。少女像と神になった軍人

韓国の全国紙・中央日報に絶望的なコラムがありました。

広島県にあるホロコースト記念館ではアウシュビッツ強制収容所に関する資料や遺品などを展示していて、敷地内にはアンネ・フランクの銅像があるらしい。
そのことに触れて韓国の記者がこう書く。（2020.12.08）

記念館側は「ナチス・ドイツによるホロコースト（ユダヤ人迫害）を通して平和について学ぶことができる記念館」と紹介している。ベルリン少女像もこれと違わない。

【グローバルアイ】ベルリン少女像とアンネ・フランク

一体どこからどうツッコんでいいのやら。

まず少女像とアンネ・フランクの間には、「フィクションと真実」という越えられない絶対的な壁がある。
太平洋戦争のときに日本人・台湾人・朝鮮人の慰安婦がいたことは歴史の事実だとしても、中学生ほどの少女が日本軍に強制連行されて性奴隷になったというのは空想世界での話。
その根拠は何もないにもかかわらず、韓国では（日本でも一部）この像が神格化された結果、批判やツッコさえできない空気がある。

アンネ・フアンクというユダヤ人の少女がナチスに強制連行され、収容所で殺害されたことには一切の疑問の余地はない。
一方で、「慰安婦少女」についてはネットにフェイク根拠ならあるけど、日本・アメリカ・韓国政府が公式に認めた証拠はなにもない。

米政府は８年かけて850万ページもの資料を調べた結果、日本による「女性の組織的な奴隷化」を裏づけるものは何もなかったと発表した。
（ナチス戦争犯罪と日本帝国政府の記録の各省庁作業班（ＩＷＧ）米国議会あて最終報告）
慰安婦問題について日本の国際法違反も見つからなかった。

米政府が調査した結果、慰安婦問題で日本の戦争犯罪はゼロ

アンネ・フランクの人生を通じて、「ナチス・ドイツによるホロコースト（ユダヤ人迫害）を通して平和について学ぶことができる」というのは間違いない。
でもベルリン少女像は「これと違わない」どころか、むしろ真実を遠ざける。
まずは少女の実在を証明しないと。

この問題は日韓両政府が2015年に最終的な解決を確認し、日本はこのときの約束をすべて守ったけれど、韓国側はまだ履行していない。
ソウルの日本大使館前にある少女像を撤去すべきなのに、像も韓国政府もまったく動かない。

韓国側が約束を守らないから、両国関係も悪化する一方。
「なぜ人間は、おたがい仲良く、平和に暮らせないのだろう」というアンネの声に、ムン大統領は耳を傾けてほしい。

日本統治を受けたのは韓国以外に台湾がある。
その期間は韓国よりも長く、いまでも台湾社会にその影響は「おじさん」「おばさん」といった言葉をはじめいろいろなところで見られる。

同じ経験をしているのに、韓国と台湾では現在がまるで違う。
例えば台湾には旧日本軍の軍人（杉浦茂峰）を神として祀る廟「飛虎将軍廟」があって、そこでは『君が代』と『海行かば』が毎日流されているのだ。
韓国でこんなことは1000％あり得ない。

また別の廟では台湾総督だった児玉源太郎や、烏山頭ダムをつくった八田与一の像が神様のように置かれている。
ただ日本統治に感謝する台湾人はいるけど、当然みんながそうではない。

上が児玉源太郎で下が八田与一（違ってたらゴメン）

名前は分からんけど、これがその廟

画像は日本統治時代を好意的に紹介している台湾人Hsu Hsuさんのもの

日本統治の歴史を知りたかったらアンネ・フランクではなくて、少女像の横に杉浦茂峰や児玉源太郎の像をならべたほうがいい。
歴史の伝え方が違うことで、異世界レベルで違ういまがあることに、日本人・韓国人・台湾人が気づくきっかけになるから。
韓国メディアが歴史について書くとき、まったく関係ないドイツを持ち出して、過去を共有する台湾には絶対触れない理由も見えてくる。
「神格化」される対象が少女か日本軍人、どうして差がついたのか…慢心、環境の違い。というのは置いといて、とにかく韓国と台湾はいまが違いすぎ。

繰り返すけど、台湾にはいろんな考え方を持った人がいる。
それは韓国でも同じで、韓日の対立を招いたベルリンの少女像を設置した団体を非難する人もいる。

ついでも書くと、少女像の撤去は日本人だけではなくて在日韓国人の願いでもある。

朝日新聞の記事（2017年1月13日）

韓国民団の団長、少女像撤去訴え　「在日同胞が一番被害」

釜山の日本総領事館前に設置された少女像について、在日韓国人らで組織する在日本大韓民国民団中央本部のオ・ゴンテ団長が公式の場で撤去を求めた。
少女像ができることで韓国では反日、日本では嫌韓感情が高まっていくから、両国関係が険悪になることはもはや必然。
日本国内に目を向ければ、嫌韓の一番の被害者は国内にいる韓国人なのだ。