では前回に引きつづき、日本に住むアメリカ人とイギリス人とハイキングへ行った時に聞いた話を書いていこう。
山道でヘビと遭遇。
・日本語のむずかしさ
「ヘビがニョロニョロ動く」のニョロニョロを英語で何というのか?
アメリカ人もイギリス人も「そんな英単語は知らん!」と言い、ヘビの動きは「slither」で表現するという。
*slitherはズルズルと滑(すべ)る、ヘビなどがはって進むといった意味。
彼ら(だけでなく外国人)が日本語を学んでいて大変なのは、オノマトペ(擬態語・擬音語)がたくさんあること。
せっかく「ニョロニョロ」ということばを覚えても、ミミズの場合は「違う。クネクネだ」と日本人に指摘されたことがある。そんなもん誰が知るかとアメリカ人。
ニョロニョロ・クネクネ・ウニョウニョ・チョロチョロ・ズルズルといった動作についての擬態語の説明を外国人から求められたら、日本人だってきっと困るはず。
その大きさや重さ、状況などで決まる感覚的なことばだから、経験を積まないとなかなか理解できない。
・サインミュージック
日本の店では『蛍の光』を流して、営業時間の終了を客に告げることがよくある。
アメリカ人・イギリス人ともに日本で生活をはじめたころは、まったくその意味に気づかず違和感を感じた。
というのは、アメリカやイギリスで蛍の光(Auld Lang Syne)は新年に歌う「始まりの歌」だから。
アメリカ・イギリスの店なら、「本日はご来店いただきありがとうございます。当店はもうすぐ閉店しますので、お急ぎください」といったアナウンスが流れるのがフツーだから、言葉なしで音楽を聞かせて客に知らせるというやり方のはこの2人の感覚だと失礼。
・苗字
日本語を学んでいると、山下・山田・川島・水谷など、日本人には自然にちなんだ苗字が多いことに気づいた。
それに対して、英国や米国など英語圏では職業を苗字にすることが多い。
Smith(スミス)は鍛冶屋でGoldsmith(ゴールドスミス)は金細工職人、Cooper(クーパー)は桶(おけ)職人、 Miller(ミラー)は製粉業といった感じで仕事に由来する苗字が本当にたくさんある。
・英語と日本語
「なんでザリガニを英語で、Crayfish(泥の魚)と言うのか?」とボクが質問すると、「それは分からない。でもあればエビだ。なんで日本では『カニ』なのか?」とアメリカ人に言い返される。
さらに、ハリネズミを英語では「Hedgehog」と言うことを持ち出して、「hogとはブタのことなのに、なんで日本ではネズミなのか?」とたたみかられた。
そんなもん誰が知るかと。
「分からないだろ?でもそれで困ることはないのだから、細かいことは気にしないで前に進め」とのこと。
・マヨネーズ
近ごろのアメリカやイギリスでは、日本のマヨネーズが有名で「キューピー」と呼ばれている。
欧米のマヨネーズは全卵(黄身と白身)で、キューピーは黄身だけを使っているところが大きな違い。
日本のマヨネーズ・ピザを見て「気持ち悪い!」と思ったけど、マヨネーズが違うから、食べてみたら意外とイケてた。
ほかに日本のパン粉も「Panko」としてアメリカやイギリスで販売されている。
日本のパン粉は一つ一つの“かけら(つぶ?)”が大きくて、欧米のパン粉とは別ものと考えられている。
日本料理の人気が上がっていることが影響しているのかも。
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マヨネーズの話と言えば・・・。
昔、シンガポールで現地の中国系女性と中国人女性と私の3人で話していた時のことです。私が、「以前アメリカに住んでたことがあるんだけど、マヨネーズ(英語で『メイヨ』)が見つからなくてさ~」と切り出した後に。女の子たちが「メイヨ?」「メイヨ・・・」「メイヨ!」「メイヨ、メイヨ!!!」って、ワケの分らん会話をし始めたのです。
何言ってんの?って、よくよく話を聞いてみたら、「メイヨ」は中国語で「ありません」という意味だったとのことです。つまり「メイヨはメイヨ!」という話だったというオチ。
<参考>「あれ、チャウチャウちゃう?」「ちゃう、ちゃう!」