支配者にとって都合の悪い意見があったら、力で排除すればいい。
…と思っていた時期が中国にもありました。
それが高校世界史でならう「焚書坑儒」(ふんしょこうじゅ)だ。
2200年ほど前、秦の始皇帝が自分の統治にとってジャマな書物を焼き払い(焚書)、始皇帝を批判したという理由で首都(咸陽)にいた460人あまりの学者を生き埋めにした(坑儒)。
この思想弾圧事件を焚書坑儒という。
現代でも発展途上で独裁的な指導者のいる国では、政権への反対意見を力で封じ込めてしまうことがある。
先進国ならこんな言論弾圧はない。
ゼロとは言わないが、少なくとも政権にとって都合の悪い情報をあからさまに消すことはない。
さて話は隣人だ。
日本政府が福島原発の汚染水を、国際基準を満たした処理水にかえて、2年後から海に放出すると発表した。
処理するとはいえ、もちろんこの水には放射性物質が含まれている。
だからそれを海に流すとなると、人が被ばくすることになる。
でも日本人にとってそれは毎日のこと。
たとえば放射性物質は雨水にも含まれているから、これによる被ばくは避けようがない。
胃がん検診で行われるX線検査の被ばく線量は1回で0.6mSv(ミリシーベルト)、X線CTスキャンを受けると1回で7~20mSv被ばくする。
飛行機に乗って海外旅行に出かけても被ばくするのだから、人類はみんな日常的に放射線を浴びているようなものだ。
「放射性物質のトリチウムは身の回りにたくさんある」ということを、(それは事実なんだが)、復興庁がこんな”ゆるキャラ”で説明しようとしたら、批判を受けて削除した。
さすがにこれはやり過ぎた。
画像は復興庁の資料から
でも、飲み水や体内にトリチウムがあることはたしか。
福島原発から放出される処理水は「絶対安全」とは言えないけれど、経済産業省のALPS(アルプス)処理水 とは?を見れば、気にしても意味がないことは分かる。
雨水や水道水を不安に思っても無意味。
自分の健康を考えるのなら処理水よりも、ふだんの食べ物や運動に気を配ったほうがずっといい。
画像は経済産業省の資料から。
ヒトが日常的に被ばくする放射線量と比べるなら、「安全」と言っていい福島原発の処理水について、韓国の政治家やメディアが「放射能汚染水」と猛反発したのは記憶に新しい。
次期大統領に有力視されているイ・ジェミョン知事は「1380万の京畿道民はもちろん、大韓民国国民の命と安全を脅かすもの」と国民に訴えたし、文大統領は日本を国際海洋法裁判所へ提訴することを示唆した。
大統領府の報道官も、「日本が得たものは利己心だけで、国際社会と未来世代に残すものは終わりのない問題になるだろう」、「日本政府は正当な責任を負うべきだ」と猛批判。
それと同じころ、聯合ニュースがこんな記事を出す。(2021.04.15)
汚染水の海洋放出 「科学的に問題ない」=韓国政府報告書
韓国の科学者が分析した結果、日本が処理水を排出をしても、韓国の国民や環境への影響は特にないと分かり、韓国政府がそれを確認していたでござる。
大韓民国国民の命と安全を脅かす、日本を提訴する、日本が得たものは利己心だけ、とか言っちゃった韓国の要人さんはこの矛盾をどうするつもりなのか?
自分への支持率アップのために科学を無視して、無責任に国民の反日感情をあおるようなことを言うからこうなる。
まぁ韓国の政治家の日常なんだが。
この事態に韓国政府がとった対応は「焚書坑儒」だった。
FNNプライムオンライン(5/21)
福島第一原発の処理水海洋放出を巡り、「問題ない」とした韓国側の過去の資料が次々に削除・撤回されています。
不都合な科学的資料は「なかったこと」にする韓国 文大統領はワクチン求めアメリカへ【世界イッキ見】
東日本大震災のあと、福島原発から海に流れ出た放射性物質について韓国政府は2013年、「海流は東に流れていて韓国は安全」という分析を発表した。がこれが突然削除された。
また韓国の科学者が昨年に発表した「処理水放出は問題ない」との論文(きっと先ほどのもの)も撤回された。
資料が謎の失踪をとげる事態に韓国の科学者からは、「科学的事実を言えば、『土着倭寇』つまり親日派と言われるため、発言できない」という不安の声が上がっているという。
日本には「透明な情報公開」を強く求めるのに、韓国政府は不都合な過去を次々と消していく。
この闇はこそまさに現代版「焚書坑儒」に他ならない。
「大韓民国国民の命と安全を脅かすもの」はこれでしょ。
こちらの記事もどうぞ。
ドイツの“少女像”まで利用するユン氏に、韓国国民「恥知らず!」
> また韓国の科学者が昨年に発表した「処理水放出は問題ない」との論文(きっと先ほどのもの)も撤回された。
それだけじゃないですね。他のブログ記事から転載ですが:
> 4月26日、韓国原子力学会は、『福島処理水が韓国にこれといった問題を及ぼさない』と発表しました。本ブログでもその翌日に紹介しました。ですが、その学会発表と繋がっている報告書を書いた韓国原子力研究院の研究員(博士)が、『警告』処分となりました。(「シンシアリーのブログ」より)
つまり、論文が撤回されただけでなく、その論文を発表した研究者が、国から罰を受けたということです。
21世紀の焚書坑儒の国かぁ。何をやってんだか。
>
よく読みました。
5月28日、ある韓国のインターネットスポーツ新聞には次のような記事が載せられました。
「”本当に良かった”野球韓国代表、放射能流出した福島球場へ行かない」
多くの韓国メディアが日本には依然として放射能が流出しており、日本はそれを隠してオリンピックを開催すると考えています。韓国民はその記事を批判なしに受け入れています。
国際的な常識を持っている韓国人は、このような事態を嘆きつつも、多数の声に埋もれてしまいます。
気の毒です。
> 多くの韓国メディアが日本には依然として放射能が流出しており、日本はそれを隠してオリンピックを開催すると考えています。
それ、ウソでしょ。いちおうの取材と思考ができるメディア人であれば、日本の処置が適切に行われていることを、日本含めて海外の報道や政府機関・国際機関の発表から知っているはずだ。
でもそれをそのまま報道すると国民から非難されるのが怖くて、わざと嘘の報道をしているのですよね。
韓国メディアは、本当は「日本が・・・すると考えて」なんかいない。心から事実と信じて報道しているのでなく、政府と国民へ迎合するためのデマ情報を流しているだけです。そのことは、大手メディア以外の掲示板など見れば明らかだ。
気の毒ではなく、残念ながら自業自得です。なぜかと言うと、彼らは、自分自身がそのやり方を好んで選択しているのだから。