PETAといえば戦後のインドネシアで、 1943年に日本軍がインドネシアで結成した軍事組織のこと。って話はこの記事を読んでほしい。
日本とインドネシア③PETA(義勇軍)と独立戦争で共に戦った日本人
いま有名なPETAは「動物の倫理的扱いを求める人々の会」(People for the Ethical Treatment of Animals)だ。
「動物は食べ物、衣類、実験、娯楽、いかなる虐待のためにも存在しているわけではない」
こんなスローガンをもつPETAは、ポール・マッカートニーやブリジット・バルドーをはじめとする650万人の会員と支持者を持つ世界最大規模の動物愛護団体。
そんな彼らが東京五輪のメイン会場近くでデモを行って大声でこう叫んだ。
ロイター通信の記事(7/21)
同団体は五輪会場に卵を提供している国内の鶏卵メーカーが、鶏を虐待しているとして卵を食べないよう関係者に訴えた。
「卵を食べないで!」動物愛護団体が五輪関係者に訴え
日本の大手鶏卵メーカーが「鶏を狭いケージに押し込めて虐待している」とPETAは非難し、メンバーは自身でそれを再現する。
でも名指しされたメーカーはこれを否定し、指摘されるような虐待はないと反論。
事実に基づかないパフォーマンスだったとしたら、これはとんでもない風評被害だ。
こうした動物愛護団体の提唱する“正義”は日本では一般的に受けが悪く、ネットの反応はいつもこんな感じで批判が8~9割ほど。
・肉うめええええええええ
・鶏卵を含まない食品を探す方がたいへん
・卵かけご飯めっちゃ美味いなぁぁぁwww
・知るかよ…
・こんなこと言い出したらもうなんも食えねぇ
・植物が可哀想だから食うなよ
・はい、食べます。1ミリも言ってることが理解できません。
動物愛護の考え方は基本的には日本人も賛成だ。
でもPETAの主張にはその国の実情を無視した、一方的で独善的なものがあるから反発を招く。
2008年には日本プロフェッショナル野球組織(NPB)に、野球場でホットドッグやたこ焼きの販売をやめてヴェジタリアンフードの販売を求めた。
こういう非現実的な要求をするから、「知るかよ…」「1ミリも言ってることが理解できません」と言われてしまう。
PETAのほとんど(かすべて)のメンバーは動物愛護の完全菜食主義者、いわゆるヴィーガンのはずだ。
その主義・主張はいいとして、自分たちの価値観を絶対視し他人に押し付けるやり方には世界の各地でヒンシュクを買っている。
たとえばことし7月、オーストラリアでスーパーマーケットに子羊の本物の死骸をカートで持込んで、流血をイメージする服を着た女性が肉売り場の前で「肉を食べるな!」と拡声器で客に訴えた。
ぬいぐるみのように見えるけど、あれはリアル。
動画に寄せられた反応を見る限り、彼らの行動はまったく支持を得られていない、まさに「ドン引き」。
This doesn’t make people want to go vegan…
(これでヴィーガンになりたいと思う人はいない)
If I was a worker there, I’d just ask her if she wants a hamburger’
(もし私がスーパーの従業員だったら、ハンバーガーがほしいか彼女に聞いてみるね)
OMG, just open your own vegan supermarket instead of invading others, Karen
(オーマイガー。他人の店に入るんじゃなくて、自分でヴィーガンのスーパーを始めればいいんだよ、カレン)
*この場合の「カレン」は個人名ではなく、自分の価値観を押し付ける自己中な白人女性を意味するスラング。
こういう過激なカレンがもうすぐ日本にも登場する悪寒がする。
動物を愛護してその権利を守るのは良し。
でも自分を正義の化身と思い込んで「何でもアリ」となった過激なヴィーガンは、日本でも海外でも嫌われる。
これが人類共通の価値観だ。
「ホットドッグやたこ焼きをやめて、ヴェジタリアンフードを売れ」なんてのはマンガの世界の話で、もう笑うしかない。
結局、一番好きなのは自分自身では?
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「動物のことを一番に考えて!」ですか。私はやはりまず人間のことを一番に考えたいですね。
このオーストラリア人は、自分のデモンストレーションのために子羊をわざわざ殺したんですかね?
だとしたら、この「カレン」よりも、殺された子羊のことを考えてやりたいです。つまり反対。
だけど、どうして彼らは彼らだけで集まって国を作って暮らそうとか、考えないのでしょうかね?
ボーローグ 「西欧の環境ロビイストの中には耳を傾けるべき地道な努力家もいるが、多くはエリートで空腹の苦しみを味わったことがなく、ワシントンやブリュッセルにある居心地の良いオフィスからロビー活動を行っている。もし彼らがたった1ヶ月でも途上国の悲惨さの中で生活すれば、彼らはトラクター、肥料そして灌漑水路が必要だと叫ぶであろうし、故国の上流社会のエリートがこれらを否定しようとしていることに激怒するであろう。」
しょせん、国際社会はカネと力が全て。