「完コピ」という言葉は、この鳥のためにあったらしい。
オーストラリアのコトドリが人間の赤ちゃんの泣き声を、「すげえええ!」(AMAZING)というレベルで再現して大きな話題になった。
Bet you weren’t expecting this wake-up call! You’re not hearing things, our resident lyrebird Echo has the AMAZING ability to replicate a variety of calls – including a baby’s cry!
📽️ via keeper Sam #forthewild #tarongatv #animalantics pic.twitter.com/RyU4XpABos
— Taronga Zoo (@tarongazoo) August 30, 2021
尾羽が竪琴(たてごと)に似ていることから、日本で「コトドリ」と呼ばれるこの鳥はオーストラリアの国鳥で、硬貨にも描かれている。
コイツはとにかく音真似のスペシャリストで、カメラのシャッター音やチェーンソーの音も完コピしてしまう。
ここまでの精度はムリとしても、日本で昔から人や動物の声真似で有名な鳥がこの九官鳥(キュウカンチョウ)。
で、この鳥の名前の由来をご存知だろうか。
画像:Nafis Ameen
台所や殺人現場でよくある「包丁」とは、実は中国人の名前に由来していた。という記事をこのまえ書きましたよ。
これは本当にそういう中国人がいた(固有名詞ではない)けど、「九官鳥」の場合は誤解から名付けられたといわれているのだ。
この鳥は江戸時代に、中国人の「九官」さんが日本にもたらしたという。
人の声をマネすると説明する際、九官はこう話した。
「この鳥は吾(われ=九官)の名前をいう。」
これを聞いた日本人さんは、
「この鳥は自分(=鳥)の名前をいう。」
と誤解し、「そうか!この鳥の名前はキュウカンというのか!」と思ってしまい、日本では「九官鳥」として定着してしまった。
このエピソードは九官鳥の名前の由来を示すものとして、『本朝通鑑』や『飼籠鳥』に載っている。
だから、この鳥の本当の名前は日本では知られていないのだ。
ちなみに中国では秦吉了、鹩哥、八哥と呼ばれているとか。
こんな感じに、名前の由来が「誤解でした。てへぺろ」ということは海外でもある。
例えばシロサイだ。
現地アフリカの言葉で「wijde rhinoceros」と呼ばれていたのを、どこぞの外国人(イギリス人?)が英語で「白い」とカン違いして「white Rhinoceros」と呼んでそれが定着した。
日本ではその誤訳を正確に訳して「シロサイ」となったのだ。
直近では平昌五輪で、韓国人の「モルゲッソヨ(わかりません)」を聞いた日本人がカン違いして、それが像の名称として定着した事例が挙げられる。
ネットで話題!平昌五輪の”モルゲッソヨ”とカンガルーの共通点。
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