「ペテンの語源は、明治時代に伝わった中国語」説

 

「Windowsセキュリティシステムが破損しています!」
「システムはウイルスに感染しています!」

そんなウソ表示(警告)をして、画面上のどこかをクリックさせたり電話をかけさせようとする。
詐欺を成功させるポイントは不安をあおるような警告音を鳴らしたり、「5分以内に電話をしてください」といった表示をして相手の平常心を奪うこと。
それで電話をすると3万円ほどの、「個人情報が流出するリスクを考えたら、ギリ払ってもいいかも」と思ってしまうような額を提示されるから、ついついだまされる人が続出している。「破損!」や「感染!」は基本スルーでOK。

今月、そんな「サポート詐欺」が摘発された。
こんな「サポート詐欺」で、容疑者が逮捕されるのは日本ではこれが初めてだ。
こういうことをするペテン師は普通は海外にいるけど、今回の犯人グループは国内にいたから「日本初」になったらしい。オメデトウ。

 

さてここからは上の文章にあった、ウソ、詐欺、だます、ペテンのバッドワードの中の「ペテン」に注目したい。
中米のグアテマラ共和国にある地名については「ペテン」をクリックしてもらうとして、この「ペテン」の語源は一体なんのか?
そのことで最近、SNSで中国語を学んでいる日本人が「ペテンって言葉の由来は中国語でした。初耳!」と投稿してるのを見て「へ~」と思った。

辞書をみると、

「 (中国語からか) いつわりだますこと。また、その手段。いんちき。いかさま。詐欺(さぎ)。」(精選版 日本国語大辞典)

と断定してはないけれど、中国語を語源として挙げている。
これは100年以上前から使われている言葉で、明治時代の『西洋道中膝栗毛』には「まさか異人があんな偽造(ペテン)をしやアしめへと思って」という一文がある。

これは日本が開国したときに広まった新しい用語かも? と思ったらどうやらビンゴだ。
『語源由来辞典』によると、ペテンとは詐欺を意味する中国語「bengzi」がなまった言葉で、

「日本では明治初期から用例が見られ、「ペテン」に「偽造」の漢字を当てた例も見られる」

とある。
詐欺を意味する中国語の「繃子(ペンツ)」が日本語のペテンになったらしい。

上の投稿を見た中国人や台湾人がこんなコメントを書き込む。

・總覺得是「騙子」的音譯
(機械翻訳:(ペテンは)いつも「嘘つき」の音訳のような気がします)

・中国人ですが、この中国語単語全然知りませんでした。
北ぽいですね。

*「繃子」は中国語の方言や俗語で、あまり知られていないらしい。

「サポート詐欺」のように、それまでなかったような新しいタイプの「ダマシ」を明治の日本人はこの外来語で表現したのだろう。
手口や言葉が変わるだけで、人をだましてカネをもうけるヤツラはいつの時代にもいるってことだ。

 

 

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2 件のコメント

  • > 詐欺を意味する中国語の「繃子(ペンツ)」が日本語のペテンになったらしい。

    だけどどうして、「ペンツ」→「ペテン」になるのですかね? 発音が全然似ていないじゃないですか。
    中国語で発音すると似ているのかな?

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。