【舐めプ厳禁】ミッドウェー海戦で、日本軍が大敗北したワケ

 

1928年(昭和3年)のきょう6月4日、日本の関東軍が満州(中国東北部)で張作霖を列車ごと爆殺する事件が発生。(張作霖爆殺事件
これが原因の一つになって31年に満州事変が始まり、日本は満州を勢力下に置いたものの、中国との対立は残ったままで37年の日中戦争へつながった。
日中戦争が予想外に長期化し、日本は石油などの物資を入手しようと東南アジアへの南進を考えたけど、アメリカがそれを認めるワケない。
アメリカとも対立して41年12月7日、真珠湾攻撃を行なって太平洋戦争へ突入する。

その後、米軍相手に連戦連勝した日本軍は「圧倒的じゃないか、我が軍は!」のギレン・ザビ状態におちいる。
でも、そんなステキな夢はわずか半年で終了。
1942年のきょう6月4日に始まった ミッドウェー海戦 で痛すぎる大敗北をくらって日本はそのあと劣勢に回り、二度の原爆投下で降伏した。
つまりミッドウェー海戦は、日本が転落するきっかけとなった重大なターニングポイントになったってことだ。
では、なんで日本はこの「絶対に負けられない戦い」で敗北してしまったのか?

 

真珠湾攻撃のあと日本海軍の主力が太平洋のどこかで、大規模な作戦を行うことは分かっていた。
問題はいつ、どこでそれが展開されるか?
そこで米軍のすぐれた暗号解読の能力が武器になって、日本軍の極秘情報は筒抜け状態になる。
運命の開戦が行われる1週間ほど前、米軍はもうこんな状態だったのだ。

太平洋艦隊ニミッツ司令長官は、ミッドウェー作戦の計画に関して日本側の作戦参加艦長、部隊長とほぼ同程度の知識を得ていたという。

「失敗の本質 (ダイヤモンド社) 戸部 良一、寺本 義也その他」

米軍も作戦会議に参加していたようなものでは?

 

ただ日本軍も、米軍が作戦の情報を入手している気配は感じていた。
でも真珠湾からこれまで、すべての戦闘で勝ってきたという自信もあって、気がたるんでいて日本は作戦の機密保持にそれほど注意を払っていなかった。
もし相手にこちらの手の内がバレていても、それで敵をおびき出せて叩くことができる、日本軍なら勝利できるというトンデモナイ思い違いをする軍人もいた。
これが超重要な一戦になることは日本もよく分かっていたはずなのに、それまで無双できちゃったせいか、どこか米軍を舐めていた。

 

日本の目的、部隊編成、攻撃実施の期日などを、米軍側がかなり正確に知っていた状態で6月4日、ミッドウェー海戦が始まる。
その結果、日本軍は(艦これでおなじみの)加賀、赤城、蒼龍、飛龍の空母4隻を失い、全体的に回復不可能なほどの大打撃を受けて敗北。
連合艦隊司令長官の山本五十六は当初、戦争を開始したら日本は1年なら優勢を保つことはできるが、それ以上長引けば、アメリカの国力に圧倒されると考えていて、日本の勝利は短期決戦しかないとみていた。日本軍の快進撃によってアメリカ側の戦意を喪失させ、日本が有利な状態で和ぼく交渉を行う。
ミッドウェー海戦での惨敗はそんな構想を吹き飛ばして、日本は長期戦を前提に作戦の全体図を書き換えることに迫られた。
逆に、アメリカ側はこの勝利を映画や新聞、ラジオなどマスコミを総動員して大々的に報じ、国威や戦意が上がり、自信がついて“やる気”もわいてきた。
日本にとってはホント最悪の結果。
なんで日本軍は運命の決戦で、「舐めプ」に近いことをしてしまったのか。

この世紀の一戦で日本軍が負けた原因は、ほかにも山盛りあるので詳しいことはここをクリックしてくれ。

ミッドウェー海戦・勝敗の要因

 

 

 

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1 個のコメント

  • 「舐めプ」って何ですか? 「舐めプレイ」の略? なんかヒワイな響きのする単語ですね。

    > 連合艦隊司令長官の山本五十六は当初、戦争を開始したら日本は1年なら優勢を保つことはできるが、それ以上長引けば、アメリカの国力に圧倒されると考えていて、
    結果的には真珠湾攻撃からわずか半年のミッドウェイ海戦で大敗したのですから、上記のような山本五十六連合艦隊司令長官の見方でさえも、米国を見くびって過小評価していたということですね。
    この人、米国ハーバードへの留学経験もあり、米国の戦力・武器調達力・工業生産力が当時の日本国を遥かに上回っていたことはよく知っていたはずなんですけどね。にも関わらず、米国へ真珠湾攻撃で(正式宣戦布告もなしに)不意打ち先制攻撃を仕掛けた作戦の実行責任者でした。

    なんという無能さ。この人の判断ミスにより、その後どれほど多くの日本人犠牲者が出たことか。
    本当に日本国の危機を憂いているなら、なぜ、自分がどのように非難されようとも国家の暴走を押し留めなかったのか。無能かつ卑怯な旧・日本軍幹部の典型例だと私は思います。

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。