「歴史を忘れた民族に未来はない」
隣国の人たちがよくそう言うから、日本人が滅亡しないように、今回は日本とインドネシアの友好のかけ橋になった人たちを中心に書いていこう。
いまその日本人は、天皇皇后両陛下が訪問された墓地に眠っている。
NHK(2023年6月20日)
天皇皇后両陛下 インドネシア「残留日本兵」らの墓地を訪問
太平洋戦争中、オランダの植民地だったインドネシアにやってきた日本軍は、オランダ軍と戦って駆逐して3年ほど統治した。
そして2度の原爆投下をくらって、1945年8月15日にギブアップ。
インドネシアにいた日本兵の中には現地にとどまって、現地の人たちと一緒に、再びやってきたオランダを相手に独立を守るために戦った「残留日本兵」もいた。
この独立戦争に参加した残留日本兵は1000人ほどいて、その半数が死亡したとみられる。
インドネシアに残った理由はそれぞれで、日本がアジア諸国を欧米の支配から解放するという理想に基づいた者もいたし、日本で戦犯として裁かれることを恐れて帰国を拒否した者もいる。
どんな理由であれ、国のために戦って亡くなった人間はどこの国でもヒーローだ。
インドネシア独立のために命をかけた元日本兵は、首都ジャカルタ郊外にある「カリバタ英雄墓地」に埋葬された。
天皇皇后両陛下がそこを訪ねられ、黙とうをささげて花を供えられた。
これに残留日本兵の息子のインドネシア人は感激してこう話す。
「両陛下の訪問は日系2世として、誇りと喜びを感じます」
「天皇陛下が残留日本兵のことを覚えていてくれて、とても感謝しています」
1987年に来日したインドネシアのアラムシャ第三副首相は元日本兵をこう称えた。
(インドネシア独立戦争・日本人)
「経験豊かでしかも勇猛果敢な日本軍将兵の参加が、独立戦争を、我々に有利な方向に導いたか計り知れない」
とはいえ、当時の日本軍がインドネシアの人たちに、苦しい思いをさせたことも忘れてはいけない。
日本軍がインドネシアまでやってきた理由に、戦争で必要となる石油などの資源を手に入れることがあった。
そうした労働に多くのインドネシア人が駆り出されて、亡くなった人もいる。
インドネシアの歴史教科書にはそんな「ロウムシャ(労務者)」の記述があるし、たいていのインドネシア国民もこの言葉を知っている。
ジョグジャカルタの王室で、天皇陛下との晩さん会を主催するハメンクブウォノ10世は「未来に目を向けることが最も重要だ」と強調した。
人は生まれる前のことに責任を持つ必要はないし、インドネシアも日本にそんなことを求めていない。
インドネシアのために戦って英雄として葬られた日本人もいれば、日本のためにインドネシア人を働かせたこともあった。
大切なことは良いことも悪いことも含めて、歴史の事実を知って前に進んでいくことだ。
それを忘れた民族に未来はないらしいから。
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