【世界の処刑法】“ファラリスの雄牛”は、想像を超えすぎ

 

今回は「処刑法」というダークな話題だもんで、まずは少しブラックなネタをひとつ。

どっかの中学校の国語のテストで、こんな問題が出された。

「漢数字の「一」を含む四文字熟語を書きなさい。」

この答えには、一期一会、一石二鳥、一刀両断、一心不乱などがある。
でも、ある中学生はどれも思いつかなかったらしく、「一家心中」と回答した。
そしたら、先生から「×」をもらったという話を最近ネットで見た。

さて、人間の想像力が試されるコトには、ほかにも処刑法がある。
人類は命を奪う方法について、できるだけ苦痛を感じさせない方法と、逆にそれをできるだけ大きく、そして長引かせる方法について知恵を絞ってきた。
前者には、相手の意識を失わせた後に逝かせる薬殺刑や、一瞬で致命傷を与える銃殺刑などがある。
歴史的には、苦痛を最小限に抑える死刑法として、フランス人は大きな刃物で首を切断するギロチンを開発した。

同時に、人類は激しい苦痛を与え、簡単には死なせない残酷な処刑法も考案した。
たとえば、イギリスには、絞首刑やさまざまな切断を組み合わせた「首吊り・内臓抉り・四つ裂きの刑」というオソロシイ死刑があったし、中国では、罪人を柱に固定し、鋭利な刃物で体の肉を少しずつそぎ取って死に至らせる「凌遅刑(りょうちけい)」が存在した。

【イヤすぎる】イギリスと中国で行われた、最も残酷な処刑

 

「首吊り・内臓抉り・四つ裂きの刑」をくらう罪人

 

最近は、大きな刃物を腰に当て、ゆっくり身体にめり込ませて切断する中国の「腰斬(ようざん)」という処刑法を知り、衝撃を受けてすぐに記事を書いた。

【残酷すぎ】清の雍正帝が廃止した中国の処刑法・腰斬

そして昨日、たまたまネットで、「ファラリスの雄牛」という衝撃的な処刑法を知ってしまった。
これは金属の真鍮(ちゅう)でできた雄の牛の像で、英語版ウィキベテアには「Brazen bull」と紹介されている。
また、変わった音(断末魔)が聞こえることから、「吼(ほ)える雄牛」と言われることもある。
今回は、「世界の処刑法シリーズ」にまた一つ記事を加えることにしよう。

 

中国的残酷処刑法、腰斬

 

「ファラリスの雄牛」は、古代ギリシャで考案されたという拷問や処刑のための道具。
これは真鍮や青銅で作られた雄の牛で、人が入れるように中はカラッポになっている。

*この記事では、主に英語版ウィキベテアの説明を参考にする。(Brazen bull

アテネのペリロスがある時、シチリア島にいた支配者ファラリスに新しい処刑法を提案した。
それは実際の雄牛の形と大きさを模したもので、扉が付いていて、そこから人を中に入れることができる。
その雄牛の内部には、牛の口につながる真鍮の管があった。
(楽器のトランペットやトロンボーンを想像してほしい。)

死刑囚がこの牛の内部に入れられると、扉が閉められ、あわれな死刑囚は狭くて真っ暗な空間に閉じ込める。
そして、雄牛を下から火であぶる。
すると、闇の中で最大級の恐怖を感じていた死刑囚は、今度は高温(400℃以上とも)と激しい苦痛を感じ、そのまま焼き殺される。

一般的に焼死では、煙を吸い込んで意識が無くなるから、体が焼ける苦痛を感じることは意外と少ないらしい。
でも、この雄牛には「管」が付いている。
これで中にいる人間は呼吸ができてしまうから、その分、苦しみに耐える時間も延びてしまう。
仕組みとしてはトロンボーンのようなものだから、死刑囚の断末魔の絶叫は雄牛の口から、音響となって外部に聞こえてくる。
開発者のペリロスはファラリスにこう言ったという。

「His screams will come to you through the pipes as the tenderest, most pathetic, most melodious of bellowings.」
(彼の叫び声はパイプを通して、最も優しく哀れで、そして牛のうなり声のようにあなたの耳に届くでしょう。)

こんな「エンタメ要素」がこの処刑法の残虐性をマシマシにしている。

 

自分で作った雄牛に入れられるペリロス

 

ペリロスは、このすばらしい発明の報酬を期待していた。
でも、ファラリスはペリロスをその雄牛に閉じ込め、下から火をつけて、ペリロスの悲鳴の音を聞き、この新しい処刑法の完成度を確認した。
しかし、人を呪わば穴二つ。
ファラリスもまた、この雄牛に入れられて殺されたという。

そんなことから、この真鍮製の雄牛は「ファラリスの雄牛」や「吼(ほ)える雄牛」と呼ばれている。
キリスト教が禁止されていたローマで、信者がこれで処刑されたという話も伝わる。

 

 

 

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今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。