友人の韓国人が日本語を学ぼうと思ったきっかけは、日本のアニメを見たから。
21世紀のいまならそんな理由は珍しくないけど、この韓国人の場合はちょっと違う。
あるときアニメを見ていてたら、「かぞく」という単語が聞こえた。
「韓国語の가족(カジョク)とそっくりだなあ」と思って調べてみたら、「家族」という同じ言葉であることが判明。
さらに調べてみると、日本語と韓国語には共通の言葉がたくさんある。
それで日本語に興味を持って、本格的に学び始めたという。
家族のほかにも、注意、請願、交通、博士、倫理、想像、文明、芸術といった韓国語はもともとは日本語だ。
日韓では同じ言葉がたくさんあるけど、日本から朝鮮半島へ伝わったものが多い。
日本人が英語を訳して日本語にしたものを、明治時代に韓国人(朝鮮人)も使うようになったのだ。
くわしいことはこの記事をどうぞ。
家族という言葉を「発見」した韓国人の話では、「アウト・オブ・眼中」や「中二病」といった新しい日本語(といってもやや古い)も韓国人は使っている。
逆に韓国語由来の日本語もあると思うのだけど、いま頭に浮かぶのはキムチやサンチュといった食べ物ぐらい。探せば他にもあるはずだけど、よく知らない。
でもこうなると、「かん違い」も出てくる。
別の韓国人の知り合いは、「くだらない」という日本語の語源を「百済ない」と思っていた。
百済(くだら)は飛鳥時代のころ朝鮮半島にあった国で、その韓国人は大学でこう習ったという。
「日本人は百済の先進的な文化を学んでいた。だから「百済にないものは価値がない」と考えて、「くだらない」という言葉ができた」
授業で都市伝説を教える大学があるらしい。
そんなくだらない話を知っていた韓国人は大事なことを知らない。
百済の「鬼舞辻無惨(きぶつじ むざん)」が、いや違った、鬼室福信(きしつ ふくしん)が日本に救援を求めてきて、日本がそれに応じたという歴史があるのだけど、その韓国人はまったく知らなかった。
「ソウナンですか!」とおどろく。
鬼室福信ら遺臣は、百済復興の旗印として擁するため豊璋の帰国と、倭国の軍事支援を求める。斉明天皇・中大兄皇子は快くこれを了承し、積極的に百済復興を支援することとし、
このあとの白村江の戦い(663年)で日本は大敗した。
現代の韓国人の姓は「李・朴・金」といった漢字一字だけど、この時代はそうでもない。
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言葉をめぐる誤解は他にもある。
大阪では毎年「四天王寺ワッソ」というイベントが行われているのだけど、この「ワッソ」が韓国語と思われていた時期があった。
「ワッソ」はいまの韓国語で「来た」という意味だから、そんなかん違いが生まれたらしい。
でも韓国語を学んでいる日本人のブログで、「知ってましたか?「ワッショイ」は韓国語の「ワッショイ」から来たんです!」と書いてあるのを見たことがある。
いまでも誤海という大海をさまよっている人は多いかもしれない。
くわしいことはこの記事をどうぞ。
「わっしょい」の語源は韓国語(ワッソ)?やっかいな「韓国起源」
こうした言葉をふくめて、韓国と似たものが日本にもあると「それは朝鮮半島から伝わった」という誤解が生まれる。
いわゆる「韓国起源説」だ。
その対象は侍、刀、剣道、空手、歌舞伎、折り紙といったものから下のようなものまで、本当にあらゆるジャンルをカバーしている。
寿司や沢庵といった日本料理、「わっしょい」等の様々な日本語の語源、東洲斎写楽や天皇などの著名人物、熊本城や日本庭園や勾玉といった有形文化財、ソメイヨシノや秋田犬のような動植物、旭日旗のような日本の国旗に至るまで、分野や有形無形を問わず、日本の象徴とである様々なものに対して主張されている。
こんな「韓国起源説」が生まれる原因はなにか?
韓国の日本大使館に勤めていた日本人が著書でこう書いている。
韓国は、もともと日本に対して「後進国」という認識を持っていたのはないかと見られるきらいがあります。
韓国人に言わせると「朝鮮半島から日本に文化が伝えられた」わけです「つきあいきれない韓国人 渡辺晶平 (中公新書ラクレ)」
こういう“文化的優越感”が誤解を生んだ理由のひとつになっている。
「百済ない」もきっとこれだ。
ちなみに現代の韓国人はこう思っているけど、古代の日本人は新羅を「従属国」と考えていたのだ。
韓国の人には悪いけど、古代日本人は「新羅より上」と考えてたんだ
でも日本側が反論することで議論が生まれて、韓国起源説はいま下火になっている。
桜(ソメイヨシノ)が韓国由来なんて説はDNAレベルで否定されたし、旭日旗が韓国起源なんていまでは何の話かわからない。
それにきょねん、朝鮮日報にこんなコラム(2018年08月24日)があった。
「グラ」の語源は日本語か、韓国語か 韓国語の世界はいっそう豊かになる
日韓は昔から交流があったから、韓国社会には「根拠もなく定説となってしまった語源やエセ語源もよく話題になる」、「 語源に関するデマも多い」と指摘。
例えば上の事例にあった「侍」は、「サウラビ(戦う男)」という韓国語から生まれた」という説が韓国にはあるけど、このコラムでは間違いだとはっきり否定している。
語源に関するデマは多いから、韓国人も誤海をさまよっているらしい。
それで日本人にはよくわからない話になる。
「エヌリ(掛け値・値引き)」や「ヤコ(鼻っ柱)」のように韓国語なのに一見、日本語のように聞こえるので誤解されている単語もある。
話やうそを意味する「グラ」も日本語だと誤解されている韓国語だ。
日本でグラといえば「ぐりとぐら」では?
誤解やデマもあるけど、その語源を探っていくことで「韓国語の世界はいっそう豊かになる」という。
これをしてくれたら韓国起源説もなくなっていくから、日韓では珍しいウィンウィンだ。
おまけ
ソウルの様子
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韓国起源説は、日本だけではなく中国・欧米の文化も韓国が起源だと言い張りますね。
p.s 韓国・文在寅大統領が親北で最悪北朝鮮主導で南北統一されるかもしれません。南北首脳会談を評価してる人達の意見を聞きたい程です。
韓国起源説の限界を韓国の人たちも感じ始めていると思います。
もともと無理筋でしたから。
なお、ここに載せられるようにコメントを編集させてもらいました。
ポリティカル・コレクトネスの厳しい時代ですから。