【反日のツケ】議員の“親日行為”に、韓国で批判噴出

韓国の政治家が国民の支持をゲットするのは、そんなに難しいことじゃない。

韓国最大の全国紙・朝鮮日報が３年前に社説（2017/12/29）で指摘したことはいまでも超有効。

日本を批判するのは韓国の政治家にとっては非常に魅力的に映る。なぜなら誰もが簡単にできるし大衆からの支持も得やすいからだ

日本を敵視する文大統領、国益は計算しているのか

「日本を敵視する文大統領」というのは、2015年の日韓慰安婦合意を破棄しようとしていた文大統領のこと。
このとき朝鮮日報は文大統領を、反日の考えをもはや隠そうともしない、まるで日本を完全に敵対視しているかのようだ、と批判したけれど結果をみれば上々だ。
それで国民の高い支持を得ていたのだから、やっぱり文大統領は韓国人の価値観や効果的なアピール方法を知ってらっしゃる。

でも、反日と韓日友好が両立するはずない。
反日を隠そうともしない文大統領のおかげで日本では嫌韓ムードが高まり、両国関係も「戦後最悪」と言われるほど悪化した。

韓日関係のこれ以上の悪化はマズいと思ったのか、最近の文政権は国内の「親日」を敵視して、これをたたくことに夢中になっている。

朝鮮半島が日本に統治されていた時代、日本に協力的だったり利益をあたえるような言動をした韓国人はいま「親日（派）」と呼ばれている。
これは韓民族への背信行為だから、親日は現代の韓国にとっては憎むべき敵。

この言葉には「裏切り者」や「売国奴」といったすごくネガティブなイメージがあるから、これを政治的な目的で利用する政治家も多い。

「親日派」は実態だけではなく、レッテル張りとして政敵や他陣営などへの攻撃として、国内世論を自陣営に有利に誘導させるために頻繁に使われる

親日派

これは対象が変わっただけで、国民の反日感情を刺激して支持を得ようとする発想は以前と同じ。
日本や親日をたたくことなら簡単にできるし、大衆からの支持も得やすい。だから韓国の政治家にとっては非常に魅力的に映るということだ。

でも文政権や与党は「策士策に溺れる」というか「過ぎたるはなお及ばざるが如し」（やり過ぎはいけない。ほどほどがちょうどいい）で、あまりに熱心に親日派をたたいていたため、それがブーメランとなって今度は自分がダメージを負うことが増えてきた。

朝鮮日報の記事（2020/08/20）

野党「文在寅政権、親日派追い込もうとして自分の足元に火」

韓国独立のために功績を残した「独立有功者」の中に親日がいないかどうか、文政権が2019年に調査を始めた。
親日をあぶり出して国民にアピールするねらいだったけど、なんせ1万5000人もいる調査対象者の過去の言動を確認する作業だから、「内部では反対が少なくなかった」と記事にある。

調査機関（報勲処）は2019年7月までに調査結果を発表すると言っていたけど、それが先送りになり、１年以上たったいまでもまだ発表されていない。

そんなことをしているうちに、文大統領が演説で抗日の英雄と称賛した崔振東（チェ・ジンドン）将軍にも「親日」の疑惑があったことから、政権与党にとっては気まずい雰囲気もでてきた。
自分たちがこれまで攻撃してきた親日を、文大統領がほめたたえていたというのはかなり都合が悪い。
チェ・ジンドン将軍を「親日認定」したら文大統領に恥をかかせることになるから、報勲処も迷うところだろう。

だから、「現政権の親日追い込みがきちんとした基準もなく行われるという傍証だ」と野党議員から的確に批判されてしまう。
親日かどうかの基準はあいまいだから、政権の都合や思惑に左右されやすい、という指摘はこれまでもあった。
でも親日をたたくのは簡単で支持も得やすいから、韓国の政治家にはとっても魅力的。
でも文大統領は今回、自分の仕掛けたワナに自分が引っかかってしまった。

「ブーメラン事例」は他にもある。
朝鮮日報の記事では、反日を叫んでいた与党「共に民主党」の議員５人が、自分たちのユーチューブ番組の宣伝で「ガッチャマン」のアニメキャラクターを使っていたことが発覚したことを挙げている。
これには国民も怒りあきれて、「日ごろから『ノー・ジャパン』を叫んでいる議員たちが日本のアニメの宣伝をするのか」という批判が出ているとか。

反日を“売り”にしていた国会議員がこんな「親日行為」をしたら、ぶっ叩かれるのは韓国の必然。

さらに、『ノー・ジャパン』を訴えていた与党の議員がレクサスを所有していたのがバレて、国民に怒られたという事例もある。
日本にいる人から見たら低レベルでマンガの話のように見えるけど、韓国社会でこの「親日行為」は国民への裏切りで許されるものではない。全国紙で非難されるレベルなのだ。

だからこんな行為もたたかれる。

共に民主党の尹美香（ユン・ミヒャン）議員がかつて率いていた「韓国挺身隊問題対策協議会（挺対協）」も慰安婦被害者の憩いの場となる建物で行ったワークショップの打ち上げ写真に日本の菓子の袋が写り込んでいて批判された。

野党「文在寅政権、親日派追い込もうとして自分の足元に火」

反日愛国を叫んで国民の支持を得ようとする人間なら、日本の車に乗ってはいけないしお菓子も食べてはいけない。
百歩譲ってどうしても食べたい日本のお菓子があって、それを口に入れてしまったとしても、国民にバレないよう配慮するべきだった。
慰安婦被害者の憩いの場での、こんな親日行為を見逃すほど国民は甘くない。

「日本たたき」は簡単にできて国民の支持も得やすいから、韓国の政治家にとっては非常に魅力的。
だから政権与党の議員はそれを多用してきたけど、ここにきてツケが回ってきたようだ。