【日本より中国が嫌い】米国人も韓国紙も認める国民感情

 

知人のアメリカ人が日本の学校で英語を教えていて、いまは韓国に住んでいる。
首都ソウルの小学校で英語を教え始めて3年ほどになった彼女と、2年前にスカイプで話をしていたときに「韓国の反日事情」についてきいた。

アメリカ出身で日韓のどちらも好きというこの人物なら、きっと偏見や先入観にとらわれることなく、中立公平に社会やヒトを見て判断できるはず。
すると意外なことに、韓国に住んでいて「反日」を感じることはほぼなくて、韓国の人たちは日本よりも中国を嫌っていると言う。

その原因は韓国全土をおおった深刻な大気汚染だ。
そのアメリカ人が朝起きるとせき込む日もあったし、政府(自治体?)からスマホにはよく汚染警報や外出注意の呼びかけがきた。
このとき韓国人は「すべて中国のせい」と考えていた。
「今日は大気汚染がヒドイです。お気を付けください」と警報がこようが何だろうが、学校や会社には行かないといけない。だからこのときは、スマホでアラーム音が鳴るたびにみんなイライラしたと言う。
そしてその不満や怒りは政府や中国に向けられた。

そのころ(2019年3月)の朝鮮日報の紙面を見ると、これに関する記事が山のようにある。

 

 

中国側は「韓国の大気汚染は韓国に原因がある」と突っぱねるから、よけい反中感情が高まった。

これはそのころアメリカ人が見せてくれたソウルの空。

 

思ってたよりキレイ。
もっと地獄のような空かと。でも太陽が見える日は本当に少なかったらしい。

 

そんなアメリカ人の見方と同じことが、きのうの韓国の全国紙・中央日報のコラムに書いてあるのを発見したでござる。(2021年5月19日)

【コラム】「日本より中国が嫌い」「中国と関連すれば企業イメージに打撃」

 

ここ最近、韓国内で“中国嫌い”が急上昇している。
例えばことしに入って、中国風の食べ物や衣装などを使っているということで批判が殺到し、韓国のドラマ『朝鮮駆魔師』がたった2話で打ち切られた。
専門家や業界の人間が言うには、その場面は中国との国境近くだから、中国の食べ物が出てきてもおかしくないし、これまでなら謝罪するだけで済んだ。
でも今回は、国民の反中感情の爆発に抵抗できなかった。
この放送中止で韓国のテレビ局などが数億か数十億円の損害を出したという。

 

江原道(カンウォンド)でチャイナタウンが建設中だということが広く知られると、これにも抗議や怒りが殺到。
ことし3月には韓国大統領府の国民請願に「江原道チャイナタウン建設を撤回してほしい」という請願が寄せられると、それに賛同する人が1カ月間で67万人まで増えた。
韓国の企業や自治体が国民感情に対抗できるはずもなく、「事実関係の客観性の判断とは別に、国民請願に参加した国民の思いを考慮しないわけにはいかなかった」とチャイナタウン構想は夢で終わる。

事業を推進してきたチェ・ムンスン知事は「地域観光振興のために民間資本の主導で進められる」ことで、これが地域や韓国に有益であることを主張し理解を求めるも、「中国資本と文化侵略に屈服して一帯一路の前哨基地を建てようとしている」という国民の声に完全降伏。
チェ知事の話では、数年前までは中国人観光客の誘致活動をおこなうと「よくやった」と称賛を受けたのに、いまでは「雰囲気が正反対に変わった」とのこと。“売国・裏切り行為”に見なされるのだろう。

120万平方メートルほどの広大な土地にK-POPミュージアムや公演会場、中国風の伝統文化通りなどを作り、大々的に中国人観光客を呼びこむ予定で中国側の協力も取り付けて協同で事業を進めてきたのに、これまでの時間と金のすべてがムダになった。
中国風の建物や中国人誘致が気に入らないという国民感情ですべて吹っ飛び、江原道としては地域活性化の手段を失った。

いまある江原道と京畿道のチャイナタウンの建設計画も、韓国大統領府に「取り消してほしい」という請願が出されているから、きっと白紙になるでしょ。

 

コラムによると「反中感情は調査の結果でも立証されている」。
好感度調査の結果をみると、中国に対する韓国人の敵対感は過去5年間に16.1%から40.1%に急上昇し、友好感は50%から20.4%に急落。

また韓国人の中国選好度は10点満点で3.1点と日本(3.2点)よりも低く、「日本より中国が嫌い」がハッキリわかったという。

この原因としては、キムチや韓服の起源を主張するなど「中国の排他的自国優越主義が反中感情を強めた」ことが指摘されているとか。
これも大気汚染と同じで中国には中国の主張があるから、この点で中韓の意見は絶対に交わらない。
ほかにも国民は韓国政府に対し「中国に低姿勢」という反感を持っていて、これが「韓国大衆の反中感情をさらに刺激している」という。
つまり、大気汚染を含めて嫌中感情が数年前から高まっていった結果、いまでは中国風の食べ物だけでも爆発するようになったのだろう。

 

このコラムを書いた中央日報の論説委員が心配するのは“韓国の孤立”だ。

問題はこうした現象が韓国社会に決してプラスにならないという点だ。韓国社会の根深い反日感情、1980年代以降に運動圏を中心に形成された反米感情、そして最近は反中感情までが加わった。韓国に最も影響力が大きい国々だ。

 

「日本もアメリカも中国も嫌い!」と叫ぶのはいいとして、ではどうするのか?
韓国にとって重要な国々に「反」や「嫌」の感情をぶつけたら、最終的に困るのは韓国人だ。
これではチャイナタウンをつぶすことだけを考えて、その達成を確認すると、別のターゲットに向かう自分勝手で無責任な態度と変わらない。
でも韓国社会で国民感情は「皇帝」のような絶対的存在だから、政府もメディアもだれも逆らえない。
いまの韓国国民の「中国嫌い」は長引きそうだ。

 

 

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3 件のコメント

  • 韓国人が、中国人を好きになろうと嫌いになろうと、我々日本人には関係ないし。関心もないし。

  • >キムチや韓服の起源を主張するなど「中国の排他的自国優越主義が反中感情を強めた」こと
    韓国起源説が嫌韓と同じ構図なんだけど自分たちでやるぶんには気づかんかな?

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    今まで、東南アジア・中東・西アフリカなど約30の国と地域に旅をしてきました。それと歴史を教えていた経験をいかして、読者のみなさんに役立つ情報をお届けしたいと思っています。 また外国人の友人が多いので、彼らの視点から見た日本も紹介します。